2013年06月30日

●続和文解釈入門第138回

出題)「注意の必要な行にはマーカーで印がつけてある」をロシア語にせよ。

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2013年06月29日

●続和文解釈入門第137回

出題)「添加剤を入れた後でどのくらい色が変わりましたか?」をロシア語にせよ。

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2013年06月28日

●続和文解釈入門第136回

出題)「通路からゴミをどけて下さい」をロシア語にせよ。

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2013年06月26日

●電子書籍 新訂和文露訳入門発売開始

『和文露訳入門』を2012年7月末に上梓してから11カ月経った。私にとっての最初の電子書籍だったということもあり、出来上がりに不満も多い。Первый блин да комом.(初めてに失敗はつきもの)である。今回電子書籍販売サイトDLmarket(DL-MARKET改め)も全面リニューアルとなり(スマートフォンやタブレット全面対応は7月かららしい)、それに合わせて独りよがりだったかもしれない説明を、より分かりやすくするということに主眼を置き、語用論の観点もより多く取り入れて、新訂版を上梓することにした。その後11ヶ月間のブログの「和文解釈入門」や「続和文解釈入門」に発表した新しい知見についても十分に新訂版に反映させることにした。誤植訂正、アクセント表示のアポストロフィーから下線への変更、人称の転用などいくつかの項目の追加、既存の項目の例文の追加・削除、否定の用法、遂行動詞、複合動詞、複合副詞句の語句の追加、挙げられている動詞例の完全アルファベット化などである。特に遂行動詞や結果存続兼評価型動詞に関しては自分なりの理解がかなり進んだので、それらを中心に全面的に見直した結果、初版に比べ100ページ以上加筆訂正し、総ページ数が400近くとなり、(小)見出しも217(体の用法は87)となった。これは満を持しての改訂版であり、会話で和文露訳をする上で、あらゆる文の組立てを想定し、それを目次の形にまとめてある。会話ではこのような文の組立てと語彙の理解が不可欠だが、語彙に関しては、拙著の『アネクドートに学ぶ実践ロシア語文法』(東洋書店、2008年12月刊)、『ロシア語基本熟語500』(東洋書店、2009年8月刊)、『るいごプラス!』(電子書籍 DL-MARKET、2012年8月刊)、『女性のための技術ロシア語』(電子書籍 DL-MARKET、2012年9月刊)、『観光ロシア語』(電子書籍 DL-MARKET、2012年9月刊)他でかなりの部分をカバーできると思う。この本書は全面改稿版であり、現時点における私の和文露訳に関する考えかたのすべてをまとめた決定版と言える。語彙の丸暗記ではなく、考える学習法を目指している。今までいくつか本を出版してきたが、この新版がロシア語学習者には一番役に立つ参考書になると考えている。定価1050円。

目 次
はじめに
<本書の使い方>
<体の使い分けの簡単な目安13ヶ条>
第1章 体の本質と規範
第2章 過去の時制
2-1 過去の時制における不完了体の用法
2-1-1 過去の出来事や動作の有無の確認 → 不完了体動詞過去形
2-1-1-1 過去の時制における動作の有無の確認とは何か?
2-1-1-2 動作の有無の確認の用法の種類
2-1-2 動詞に文の焦点が来ない場合 → 不完了体動詞過去形
2-1-2-1 動詞に文の焦点が来ない場合とは何か?
2-1-2-2 過去の否定の用法
2-1-3 動作の往復
2-1-4 過去の過程(進行形) → 不完了体動詞過去形
2-1-5 漸進・一定期間に関わる用法 → 不完体動詞過去形
2-1-6 過去の反復 → 不完了体動詞過去形
2-1-7 過去の継続 → 不完了体動詞過去形
2-1-8 歴史的現在 → 不完了体動詞現在形
2-1-8-1 歴史的現在とアオリスト的用法の関係
2-1-8-2 動作の順次性
2-1-8-3 歴史的現在と完了体未来形
2-1-8-4 劇的現在
2-1-8-5 動詞以外の歴史的現在
2-1-8-6 日本語の歴史的現在との違い
2-1-8-7 記録の現在
2-1-8-8 歴史的現在とアオリスト的用法の違い
2-1-8-9 歴史的現在が使えない動詞や場合
2-1-8-10 結果の非存続
2-1-9 意志の欠如 → не стал(а,о, и) + 不完了体動詞
2-1-10 過去の予定 → 不完了体動詞過去形
2-1-11 過去の経験 → 不完了体過去形

2-2 過去の時制における完了体の用法
2-2-1 アオリスト的用法 → 完了体動詞過去形
2-2-1-1 アオリスト的用法とは何か?
2-2-1-2 アオリスト的用法と結果の存続の違い
2-2-1-3 創作者としての資格 → 完了体動詞過去形
2-2-1-4 順次的用法 → 完了体動詞過去形
2-2-1-5 動作の一括化 → 完了体動詞過去形
2-2-1-6 否定の強調
2-2-2 結果の達成への期待 → 完了体動詞過去形
2-2-3 いったん開始された行為の中断、中止 → 小詞было + 完了体動詞過去形
2-2-4 結果の評価 → 完了体動詞過去形
2-2-5 回想・過去の不規則な反復動作(~したものだ) → 小詞бывало + 完了体未来形(不完了体動詞過去形、不完了体現在形〔歴史的現在〕)
2-2-6 疑問詞 + 主語 + 完了体過去形

第3章 現在の時制
3-1 現在の時制における不完了体の用法
3-1-1 過程 → 不完了体現在形
3-1-1-1 過程の意味
3-1-1-2 過程を示すことができない動詞群
3-1-1-3 過程の意味における日本語との表記の違い
3-1-1-4 ся動詞による非情の受け身と過程の用法
3-1-1-5 その他の過程の用法
3-1-2 反復・習慣 → 不完了体現在形
3-1-2-1 反復・習慣と不完了体
3-1-2-2 過程を示せず、反復のみを示す動詞
3-1-3 過去から現在に至る継続ないしは反復 → 不完了体動詞現在形
3-1-3-1 過去から現在に至る継続ないし反復
3-1-3-2 動詞を使わない用法
3-1-3-3 про-の接頭辞を持つ完了体動詞過去形
3-1-3-4 現在から未来への動作 → 完了体過去形
3-1-4 遂行動詞 → 不完了体現在形
3-1-4-1 遂行動詞を分別する理由
3-1-4-2 過程や状態の動詞との違い
3-1-4-3 遂行動詞の種類
3-1-4-4 結果の存続の用法との違い
3-1-4-5 語義による区別の仕方
3-1-4-6 動作未遂行の動詞 → 不完了体現在形
3-1-4-7 проситьとпопроситьの一人称での使い分け
3-1-4-8 動詞以外の遂行動詞的用法
3-1-5 結果存続兼評価型動詞 → 不完了体現在形
3-1-5-1 結果存続兼評価型動詞とは何か
3-1-5-2 結果存続兼評価型動詞群
3-1-5-3 начинать の現在形の特殊用法
3-1-6 状態の動詞
3-1-7 経験(~したことがある)
3-1-7-1 経験の用法と不完了体過去形
3-1-7-2 経験の否定
3-1-7-3 事実の有無の確認
3-1-7-4 現在を含む経験
3-1-8 動作の否定 → 不完了体現在形の否定
3-1-9 多回体的用法 → 多回動詞の不完了体現在形
3-1-10 真理の提示 → 不完了体現在形
3-1-11 様態 → 不完了体現在形

3-2 現在の時制における完了体の用法
3-2-1 結果の存続(現存)
3-2-1-1 結果の存続〔結果の達成と残存〕 → 完了体過去形
3-2-1-2 結果の存続の否定
3-2-1-3 被動形動詞過去短語尾の結果の存続〔現存〕)の用法 → 現在の時制
3-2-1-4 結果の存続とアオリスト的用法の違い
3-2-1-5 сейчас, теперь, только чтоの違い
3-2-1-6 動詞を使わない用法
3-2-2 否定の強調 → 完了体未来形の否定
3-2-3 不可能 → 完了体未来形の否定
3-2-4 不規則な反復

第4章 未来の時制
4-1 未来の時制における不完了体の用法
4-1-1 単一動作 → 不完了体未来形
4-1-1-1 未来における動作の有無の確認
4-1-1-2 動詞に文の焦点(中心的意味や役割)が来ない場合
4-1-1-3 動作の有無の確認に使える不完了体動詞(動詞の語義による)
4-1-1-4 動作の有無の確認の意味で概ね使えない不完了体動詞
4-1-1-5 運動の動詞と不完了体未来形
4-1-1-6 否定的意図 → не + бытьの未来形(не + статьの未来形) + 不完了体動詞不定形
4-1-1-7 両方の体がほぼ同じ意味で使える場合
4-1-1-8 動作の促し(意志)
4-1-1-9 если, когдаと未来の時制
4-1-1-10 完了体未来形、不完了体動詞現在形、不完了体未来形の使い分け
4-1-2 予定の用法 → 不完了体現在形
4-1-2-1 予定の用法とは何か
4-1-2-2 予定の用法が使える動詞
4-1-2-3 近接未来における予定の用法
4-1-2-4 例外的用法
4-1-2-5 動詞を使わない予定の用法
4-1-2-6 долженとの組み合わせ
4-1-2-7 予想を示す動詞(無人称動詞)
4-1-3 意向 → 不完了体現在形 + 動詞の不定形
4-1-3-1 「~するつもりです、~します」の内訳
4-1-3-2 意向の動詞の使い分け
4-1-3-3 願望の意味の動詞群
4-1-4 未来の反復 → 不完了体未来形
4-1-5 呼応的用法 → 不完了体現在形
4-1-6 未来の時制の不定人称文

4-2 未来の時制における完了体の用法
4-2-1 完遂的用法 → 完了体未来形
4-2-1-1 完遂的用法が用いられる動詞
4-2-1-2 完遂的用法と疑問詞
4-2-1-3 完遂的用法の特徴
4-2-2 順次的用法 → 完了体未来形
4-2-3 例示的用法 → 完了体未来形
4-2-4 未来の時制における往復(行って来る)
4-2-5 未来の時制における被動形動詞過去短語尾
4-2-5-1 未来の時制における被動形動詞過去短語尾の用法
4-2-5-2 ся動詞の不完了体未来形の用法
4-2-5-3 補足事項の説明や挿入
4-2-6 条件法や仮定法への転用 → 完了体未来形

第5章 命令法
5-1 命令法における不完了体の用法
5-1-1 促し(着手) → 不完了体動詞命令形
5-1-2 勧誘 → 不完了体動詞命令形
5-1-3 動作の様態の強調 → 不完了体動詞命令形
5-1-4 禁止 → 否定詞 + 不完了体動詞命令形
5-1-5 反語的用法

5-2 命令法における完了体の用法
5-2-1 要請 → 完了体動詞命令形
5-2-2 例示的意味 → 完了体動詞命令形
5-2-3 丁寧な依頼 → 完了体動詞未来形の否定疑問形
5-2-4 警告(うっかり~しないで) → 否定詞 + 完了体動詞命令形
5-2-5 同じような状況で使える完了体・不完了体の用法の違い
5-2-6 被動形動詞過去短語尾を使って命令の意味を示す用法
5-2-7 憤激と反抗のニュアンス
5-2-8 条件法的・仮定法的用法

第6章 不定法
6-1 不定法における不完了体の用法
6-1-1 切迫感(促し) → 不完了体動詞不定形
6-1-2 不必要 → 不完了体動詞不定形
6-1-3 動作の持続性 → 不完了体動詞不定形
6-1-4 動作の促し・継続・終了
6-1-5 動作の否定や禁止 → 不完了体動詞不定形
6-1-6 動作の有無の確認 → 不完了体動詞不定形
6-1-7 命令 → 不完了体不定形
6-1-8 嫌気(やめたい)の用法

6-2 不定法における完了体の用法
6-2-1 具体的な1回の動作の実現 → 完了体動詞不定形
6-2-2 「~しましょうか?」構文 → 完了体動詞不定形
6-2-3 必要性 → 完了体動詞不定形
6-2-4 命令 → 完了体動詞不定形
6-2-5 不可能 → не + 完了体動詞不定形
6-2-6 例示的用法 → 完了体動詞不定形
6-2-6-1 完了体動詞を好む動詞・名詞などとの組み合わせ
6-2-6-2 例示的意味の不定形を取る熟語
6-2-6-3 遺憾・不本意 → не + хотеть/хотеться + 完了体動詞不定形
6-2-7 不可避・必然
6-2-8 疑問詞 + 不完了体動詞不定形(完了体不定形)

第7章 特異な体のペア
7-1 時制に関係なく完了体動詞と不完了体動詞で意味の異なる動詞群(писать/написатьグループ)
7-2 不完了体動詞の使用頻度が高い動詞群(звонить/позвонитьグループ)
7-3 状態「~である」(不完了体)と状態の発生時点「~となる」(完了体)を示す動詞群(казаться/показатьсяのグループ)
7-4 体の対立
7-5 完了体・不完了体が同形の動詞

第8章 会話に役立つ動詞の用法
8-1 быть動詞の用法
8-1-1 「行く」という意味の用法
8-1-2 軍隊で上官に対する敬語(Есть + 不定形)
8-1-3 есть + 疑問詞 + 完了体不定形(~できるもの〔こと〕がある)
8-1-4 будетの特殊用法
8-1-5 бытьの不定形文
8-2 定動詞と不定動詞の特殊用法
8-2-1 反復の意味の定動詞
8-2-2 過程や予定を示す不定動詞
8-2-3 能力を示す不定動詞
8-2-4 定動詞と不定動詞における否定の用法の違い
8-2-5 運動の動詞 + 完了体動詞未来形(命令形)
8-3 複合動詞
8-4 「意見」と「知識」に関する動詞群の使い分け
8-5 接頭辞за-のつく動詞で場所を補語に取る他動詞群
8-6 хотетьとхотеться
8-7 敬語
8-8 エネルギッシュ型動詞
8-9 可能の意味が内在する動詞群
8-9-1 可能・不可能の意味のся動詞
8-9-2 自発的可能性のся動詞(無人称動詞)
8-10 形動詞
8-10-1 被動形動詞現在
8-10-2 能動形動詞過去
8-10-3 名詞化した能動形動詞現在と被動形動詞現在
8-11 副動詞
8-12 対格補語とо + 前置詞の違い
8-13 「~しましょう」構文

第9章 その他統語論関係
9-1 時制の転用
9-1-1 「行こう」
9-1-2 抽象的現在
9-1-3 想像中の動作の現在
9-2 相対時制
9-3 無人称文
9-4 不定人称文
9-5 迷惑(被害)の受け身
9-6 人称の転用
9-6-1 多くの人への命令 ты = вы
9-6-2 皇帝のмы
9-6-3 著者のмы
9-6-4 医者のмы
9-7 強調構文
9-8 構文「とても~ので~する」他
9-8-1 「とても~ので~である」というтак + 形容詞, чтоの構文
9-8-2 「~するほど~するものない」не так + 副詞, какという構文
9-8-3 「~しすぎて~ない」слишком (чересчур) + 形容詞(動詞、副詞), чтобыという構文
9-9 関係代名詞что
9-9-1 関係代名詞что
9-9-2 前の文全体を受ける関係代名詞что
9-10 主題の提示
9-10-1 テーマとレーマ、はが構文
9-10-2 ウナギ文
9-11 能動受動態
9-12 使役(~〔さ〕せる)
9-12-1 пустьの用法
9-12-2 可能性としての使役
9-12-3 「~を~にする」
9-12-4 恩恵の授受
9-12-5 使役受け身(~させられる)

第10章 会話に役立つ形容詞、副詞、数詞、接続詞、前置詞など
10-1 性質形容詞の特殊用法
10-2 複合副詞句
10-3 単数と複数
10-3-1 単数と複数
10-3-2 「ありますか?」構文
10-3-3 「よくありますか?」構文
10-3-4 単数と複数の使い分け
10-4 形容詞の最上級
10-5 助数詞(助数辞)
10-5-1 助数詞の種類
10-5-2 「種類」の類語
10-6 生格の述語的用法
10-7 持ち主の受け身(全体を示す与格)
10-8 接続詞что/какと知覚動詞
10-9 理由を示す前置詞、前置詞句
10-10 「~のために」の使い分け
10-11 並列接続におけるиの有無
10-12 指示代名詞
10-12-1 日本語の指示代名詞との違い
10-12-2 どれ、どちらか、どちらも
10-13 –тоと-нибудьの使い分け
10-14 чтобыの用法
10-15 時間的前後を示す表現
10-16 コロンとダッシュ
あとがきに代えて
参考文献 

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●続和文解釈入門第135回

出題)「ゲームは45分目に短い休憩をはさんで90分続く」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 13:24 | Comments [4]

●続和文解釈入門第134回

体の使い分けについて、例えば近く刊行予定の『新訂和文露訳入門』には87あると書いておいたが、全ての動詞に87あるというわけではない。またдолженなどの叙想語の後に、1回の具体的動作には完了体不定形が、一定の時間や反復、切迫の用法なら不完了体不定形が来ると書くと、確率的には1/3だなと思う人がいるかもしれないが、それも違う。動詞の語義と文脈によってどの体を使うかは明確に決まって来る。通訳は瞬間なので、体の使い分けを理詰めで考えることができないというなら、この場合は完了体不定形の来る確率が圧倒的に多い。この勘を養うためにも、閑な時に同書でよく理解できない体の使い分けのところをその都度一読されたらよいと思う。また一つの文で完了体と不完了体の両方が使える場合でも、話し手のニュアンスの差が出るのが普通である。

出題)空港のゲートを出てきたが、出迎えの人が誰か分からない人に言う「私が出迎えです」をロシア語にせよ。

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2013年06月25日

●続和文露訳入門第133回

несдоброватьというのは面白い動詞で、完了体だけで不完了体がなく、しかも不定形でしか使わない。не сдоброватьという表記もある。

Иначе – несдобровать.(そうでないと、とんでもないことになる)
Тогда несдобровать начальнику.(そうなったら上司にいいことはない)

出題)「互いに問題を起こさないで働くことができる」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 05:37 | Comments [4]

2013年06月24日

●続和文解釈入門第132回

語彙の暗記は必要だが、中級に進んでもそればかりというのはロボットのようである。そうではなくて、考える学習法をしないと、勉強に興味が持てないし、またいつまでも若いわけでもないから、暗記に頼るようなロシア語の勉強は続かない。そういう意味で近く公刊予定の『新訂和文露訳入門』がお役に立つことを願っている。

出題)「途中ですべてを投げ出す事は出来ない」をロシア語にせよ。

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2013年06月23日

●続和文解釈入門第131回

助動詞であるмочь/смочьの使い分けは、非常に難しい。この助動詞自体に体の使い分けがあり、後に不定形を取るために、その不定形の体の使い分けも考える必要がある。まず助動詞そのものの体の使い分けだが、話し手がTPOに合わせようと思う動作は不完了体に、TPOを考えに入れない動作(新規の動作)には完了体をということになるが、語義の関係上、新規の動作は少ないように思うので、мочьのほうがсмочьよりはるかに多く使われる。

(切符を手に入れることができた)Я смог достать билет. <実際に切符を手に入れた。смочь = суметьであり、 結果の存続>
(切符を手に入れようと思えばできた)Я мог достать билет. <動作が可能な状態にあったということで、実際に切符を手に入れたかどうかは不明。мочьは現在や過去の時制での動作が可能な状態・反復を示す>

мочьは未来の時制では使えないし、смочьには反復の用法はない。そこでбытьの未来形 + в состоянии + 不完了体不定形を使って、「できる」という意味の未来の時制での反復を示す事になる。

Если операция пройдет успешно, подросток будет в состоянии чувствовать запахи и дышать через нос.(手術がうまくいけば、少年は臭いもかげるし、鼻で息をすることができるようになる)

мочьには命令形がない。俗語でне моги + 不完了体不定形で禁止を示す。

Не моги трогать.(触れるな)

完了体のсмочьは未来形では、例示的用法(何かことがあれば~する)にも使われる。

Сделаю всё, что смогу.(出来る事は何でもします)

мочьの後に不定形をつける場合、мочьは多義語なので、そう簡単ではない。мочьは叙想語だから基本的に完了体が来るはずだが、反復や一定の期間の動作には不完了体が来る場合もある。

a) ~する力(権限)がある
Он может поднять сто килограммов.(彼は100キロ持ち上げることができる)<修練した能力ではない>
b) 可能性
Вы можете приехать на переговоры завтра?(明日ネゴに来れますか?)
Я не могу танцевать сегодня.(今日私は踊れないんです)
Очки он не мог снять.(彼はメガネを取ることはできなかった)
И не мог видеть свою невесту.(いいなずけに会うことはできなかった)
c) 許可
Вы можете идти. = Вы можете быть свободным.(下がっていいですよ)= Вы свободны. 〔不完了体不定形にはそろそろという切迫感のニュアンスがある。上司が部下に用件は済んだ(そろそろ席に戻れ)という意味で使う〕
Вы можете уйти.〔完了体不定形には義務のニュアンスがある〕
d) 「~しなくてよい」なら不必要という用法なので、мочь + не + 不完了体不定形
Сегодня вы можете не приходить на работу.(今日は会社に来なくてよいです)
e) 能力(習得した技能としての) → 不完了体
Мой коллега может танцевать.(私の同僚は踊れるんです)〔уметьと同義〕
f) 体力がある → 不完了体
Она идти ещё не могла, во всяком случа без палки.(いずれにせよ彼女は杖なしにはまだ歩けなかった)
g) 推測 → 完了体
Здесь моя болезнь может усилиться.(ここでは私の病気はひどくなるかもしれない)
Он может приехать завтра.(彼は明日来るかもしれない)
h) 「~でないかもしれない」(危惧)という意味ではмочь + не + 完了体不定形を用いる。
Сегодня мы можем не заключить контракт.(今日契約調印しないかもしれない)
i) 「~するはずがない」
Он не может прийти.(彼が来るはずがない)
Он не могут знать об этом.(彼がそれを知っているはずがない)

出題)「彼女の近視は進んでいる」をロシア語にせよ。

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2013年06月22日

●和文解釈入門第130回

この頃散歩していると、マントこそないものの、月光仮面(太陽仮面というのもあったらしい)や七色仮面のような出でたちをした御婦人をたまに見る。色の白いは七難隠すとは言うものの、日光アレルギーならともかく、やり過ぎのような気がしないでもない。2013年6月16日付読売新聞朝刊に日本人女性が美白を特に意識し始めたのは、2005年気象庁が紫外線の害を喧伝するために紫外線情報を発表するようになったためだとある。ロシア人は北国の人たちだから日焼けを好み、7月、8月以外でないと日本(沖縄はこの限りではない)では泳げないと聞くとびっくりする。それでも紫外線がシミやそばかすの原因だと話すと、女性の方は美白の化粧品を売っているところに連れて行ってくれという話になる。日焼けが怖いなら、もっと別な出で立ちがあるような気がする。例えば、イスラム諸国で女性のかぶるヘジャブは伝統があり、色も必ずしも黒だけではなく、ファッション性もあるようだから、これなど日本でも流行りそうな気がする。

 ヘジャブや、特に目以外の顔全体を覆うブルカについてはフランスなどでは問題になっているようで、宗教的シンボルの着用は公の場では禁止などと言っているが、イスラム側も郷に入れば郷に従えで、ある程度の妥協は必要だと思う。ヘジャブやブルカを宗教的シンボルと言うから問題なので、シミ、そばかすの原因となる紫外線を防ぐ、つまり美白のために着用しているのだとすれば、ヨーロッパの人口の半分は女性だから受け入れやすいのではなかろうか?ブルカについては人相のチェックには女性警官があたればよい。そのぐらいイスラム側も妥協すべきだ。ちなみに婦人警官というのは差別語らしい。婦警さんではなく、女警さんと言わねばならないのだろうか?看護婦も差別語であり、看護師と言わなければならないというし、медсестраとмедбратはどう訳し分ければいいのだろうと考えたりもする。ついでに美白クリームはотбеливающий крем (крем от веснушкиは古いかもしれない)で、美白効果はотбеливающий эффектである。昔化粧品関係の通訳もしたし、現在もガイドでデパート回りに付き合わされるので、不得意な分野だが語彙はある程度押さえているのである。

出題)「私たちの年の差はたったの1歳だ」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 06:53 | Comments [3]

2013年06月21日

●続和文解釈入門第129回

完了体未来形の否定は、広い意味での現在(現在のこの一瞬を除く近接未来)において時間軸の特定の不動の一点(特に指示がなければ一瞬後の今)では、動作は完遂しないという事を示し、例示的用法から、一度も動作がないという事を強調しての否定の強調か、不可能(『和文露訳入門』3-2-3項)を示す事になる。どちらかかは文脈によるという解釈上の問題点がある。一方不完了体未来形の否定(否定的意図『和文露訳入門』4-1-1-6項)は、未来の時制におけるあらゆる時点での動作がそもそも起こらないということを示しており、否定的意志を示す事になる。ただникогда, ни разуという否定の文言がなければ、否定の強調も、否定的意図も区別が難しい。違いは話し手が未来における時間軸の特定の一点を意識する(完了体未来形)か、しない(不完了体未来形)かだからである。動作がないというのは不完了体で示すのが一般的だが、完了体で示すと、1回具体的な動作を否定するという主観的ニュアンスが出てくるので、具体的な動作を意識するときには完了体を使う事になる。つまり具体的な補語があれば完了体未来形の否定が出やすいという事は言える

Я больше никогда не повторю этой ошибки!(こんな過ちをもう絶対繰り返さない)<否定の強調>
В здравом уме не повторю такое!(常識ではこんなこと繰り返す事は出来ない。〔繰り返せるわけがない〕)<不可能>

出題)「昨日お呼ばれから彼らが戻ったのは夜中すぎだった」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 05:19 | Comments [3]

2013年06月20日

●続和文解釈入門第128回

ロシア語の「~とは何か?」には二つの表現形式があり、

a) Что такое философия?(哲学とは何か?)
b) В чём заключается синтез хлоропрена? クロロプレン合成とは何ですか?

であり、a)は主語 = 述語(この場合はчтоは述語)であり、b)は主語がどのように表現されるか、何から構成されるか、つまりзаключатьсяは意味的に выражаться , сотоять из чего-либоということであり、同義表現には, состоять в чём-либо, сводиться к чему-либоがある。a)は会話で、b)は学術関係で好まれる表現である。

出題)「二度は言わない」をロシア語にせよ。

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2013年06月19日

●続和文解釈入門第127回

前にドストエフスキーはソ連時代あまり出版されなかったと書いたことがあるが、カヴェーリンКаверинの『エピローグ』Эпилогという1920年代から1980年代における自伝風の私的ソ連文学事情を読んでいたら、興味深いエピソードを見つけたので、紹介する。ドストエフスキーの『悪霊』Бесыが革命家を誹謗しているということで、ソ連政府から嫌われたと前に書いたが、そのきっかけは1934年のソ連作家同盟第1回大会の3時間にもわたるゴーリキーの開会の辞において、ドストエフスキーを攻撃したことによる。ドストエフスキーの「苦悩」という概念につき漠然とした憎悪を抱いていたというのである。ゴーリキーは1913年にドストエフスキーの考え方とその理想化について反対を表明していたから、昨日今日の話ではない。しかもレーニンも同様な考えを抱いていたとある。そのおかげでドストエフキーの著作は30年間ほとんど日の目を見なかった。そのことを1962年ソ連作家グループが奈良を訪れた際、スラブ文学史の教授から手厳しく指摘されたという。残念ながらこの教授の名前は誰なのか不明である。

出題)「貴社と弊社の話の内容はここだけにしてもらわないと困る」をロシア語にせよ。

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2013年06月18日

●続和文解釈入門第126回

запаснойとзапасныйの意味は同じで、запасной (запасный) полк(予備役の連隊)というようにも使えるが、普通は語結合が違う。запасные части(予備品、スペアパーツのことで、ыに力点がある)、запасный выход(非常口、力点は最初から二番目のа)、запасной игрок(補欠)などである。

出題)「それとも奴は携帯が届かないところにいるのか?」をロシア語にせよ。

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2013年06月17日

●続和文解釈入門第125回

一般的には完了体と不完了体の形式上の違いは、接頭辞、接尾辞がつくとか、語幹の文字が違うとかという、目で分かる区別なのだが、完了体と不完了体が同形である動詞もある。『アネクドートに学ぶロシア語文法』137ページにそれらをいくつか紹介したが、近く(一応6月末)上梓予定の『新訂和文露訳入門』では、私の500以上のコレクションから会話などで使えるものをさらにいくつか紹介したい。また形が同じでも、力点の位置を異にする体のペアがあるので、紹介する。不完了体は最後の音節のаに力点があるので、完了体の力点のみ示す。このコーナーでは力点の表示はできないので、各自辞書を引いてほしい。完了体は基本的に後ろから第ニ音節の母音に力点が来る。вырезатьとвысыпатьは例外で第一音節のыに来る。

врезать(刻みつける)、всыпать(中に撒く)、вырезать(切り出す)、высыпать(粉を移し変える)、дорезать(切り終わる)、досыпать(撒き終わる)、засыпать(塞ぐ)、изрезать(細かく切る、不完了体はизрезыватьが一般的)、надрезать(上に切り込みを入れる)、надсыпать(撒いて高くする)、насыпать(まいていっぱいにする)、отрезать(切り離す)、недосыпать(撒き方が足りない)、перерезать(切断する)、пересыпать(間に撒く)、подрезать(подрезыватьという不完了体もある)、посыпать(撒く)、прирезать(切って止めをさす)、присыпать(撒き足す)、просыпать(粉などがこぼれる)、разрезать(切り分ける)、рассыпать(ばらまく)、срезать(切る)、ссыпать(撒いて入れる)、урезать(切縮める、урезыватьという不完了体もある)、усыпать(粉で覆う)

出題)「間違うことなんてあるの?」をロシア語にせよ。

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2013年06月16日

●続和文解釈入門第124回

『アネクドートに学ぶ実践ロシア語文法』(東洋書店、2009年)の156ページに、時制について書いて見たが、念のため再録する。これについては、『新訂和文露訳入門』の相対時制の項に再録予定である。
чтоのある従属節の述語動詞の時制は、主節の動詞の時制にはこだわらない。英語のような時制の一致にとらわれないから、その点では日本語に似ているといえる。

a) 従属節の述語が現在のときは、主節と従属節の二つの行為が同時に起こっている事を示す。従属節の和訳が(仕事がうまくいっていると)のとき、主節の訳は、

Мы сообщаю Вам, что дела идут хорошо.(お知らせ申し上げます)
Мы сообщил Вам, что дела идут хорошо.(お知らせしました)
Мы сообщим Вам, что дела идут хорошо.(お知らせする事になります)

b) 従属節の述語が過去のときは、従属節の行為が主節の行為に先駆けて行われる事を示す。

Он сказал, что он работал на заводе.(自分が工場で働いていたと彼は言った)
Он говорит, что он работал на заводе.(自分が工場で働いていたと彼は言っている)

c) 従属節の述語が未来のときは、従属節の行為が主節の行為の後に起こる事を示す。

Он сказал, что она будет занята.(彼女が忙しくなると彼は言った)
Он говорит, что она будет занята.(彼女が忙しくなると彼は言っている)

しかし次のような文では従属節の述語動詞の形は現在形だが、不完了体の用法で説明したように予定(未来)を示している。
Звонила она, что уезжает завтра.(明日発つと彼女は電話した)

出題)「彼の言う事に耳を傾けた人がいなかったか、耳に入らなかったのだ」をロシア語にせよ。

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2013年06月15日

●続和文解釈入門第123回

体の使い分けを会得するには、体の参考書を読むだけではだめで、用例にあたる必要がある。つまり拙著の『和文露訳入門』を含めて、ロシア語の参考書を盲信するのではなくて、自ら実際のロシア語の文で(会話では細かい格変化などは全てを聞きとるのは不可能だと思うので)検証する必要がある。自分で納得することが、体の奥義を究める早道だし、そのためにはこれはという例文をエクセルなどに集めておけば、将来役に立つだろう。

出題)「我がエコファームで(これから)起こることはすべて(その都度)お知らせいたします」をロシア語にせよ。

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2013年06月14日

●続和文解釈入門第122回

ソ連科学アカデミー版ロシア文法Русская грамматика, Наука, 1980の第2巻356ページにある不定人称文のところに、主体の定義として、Специфика субъекта здесь состоит в том , что это или «вообще всякий, любой», или «кто-то (некто), или «некоторые».(ここにおける主体の特質は、それが「各人全般、どの人でも全般に」、ないしは「だれか」、ないしは「ある人々」であるということにある)とある。всякий, всякая, всякиеは単独で各人(男、女、複数の人)という意味で、当然ながら人でвсякоеというのはないし、「どんなものでも」という意味では、ものを意味する中性名詞が必要である。любойもлюбой, любая, любыеも単独で「どの(男、女、複数)人でも」という意味があり、любоеは単独で「どれでも」という意味になる。これから判断して、主体は人を指していることが明らかである。

 каждый, любой, всякийはシノニムだが、каждыйは例外なく、削除なしで、それぞれすべてというニュアンスであり、複数を用いるのはその語義が単数の語義である複数の名詞や数量名詞のみで例外的。любойはкакое угодно(どれでも)という、えり好みせずというニュアンスで抽象的な名詞との結びつきが多い、複数の名詞とは制約がない。всякийはкаждыйに近いが、使用例は少ない。この3つは名詞としても使用される。

出題)「このようなカプロラクタム生成と御社の技術の違いは何ですか?」
「触媒としてホウ素化合物を用いていることです」をロシア語にせよ。

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2013年06月13日

●続和文解釈入門第121回

不定人称文というのは、主語がなく、述語が不定の人によって行われる行為を意味する文である。つまり主語は明示されないが、人を含意し、事物が主語ということではない。『和文露訳入門』4-1-6項参照。

(いつも他人に対してイライラする)Я постоянно раздражаюсь на других людей. <これをРаздаржают меня.という不定人称文にはできない。радражать/радражить(イライラさせる)の主語はイライラの原因となる特定の人か事物であり、それを明示する必要があるからである>

出題)「コックリしないよう頑張らざるを得なくなった」をロシア語にせよ。

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2013年06月12日

●続和文解釈入門第120回

前回出題の使役受け身について補足しておく。日本語では強制的な使役には「食べさせられる」など、使役受け身を使って、無理強いを表現することも可能だが、その場合ロシア語では下記の動詞を用いる。

принудить (принуждать) + 対格 + 動詞の不定形(またはк + 与格)
заставить (заставлять) + 対格 + 動詞の不定形

 このとき日本語では嫌なことや嫌なことをさせる人がニ格に立つのが自然だが(主格にもできるが、その場合は作った日本語という感じが強い)、ロシア語では主格になることに注意。

(我々は社長に30分以上待たせられた)Президент заставил нас ожидать себя более полчаса.
(我々は教授連に練習させられた)Профессора заставляли нас упражняться.
(従業員は強盗たちに床に伏せさせられた)Грабители заставили служащих лечь на пол.
(私の意に反して飲まさせられた)Меня заставили пить против воли.
(ワインを半ボトル私は飲まさせられた)Он заставляет меня выпить полбутылки вина.

 抽象名詞を主語に取ると強制的というニュアンスはなくなる。直訳すると日本語らしくなる場合が多いので、和訳には工夫が必要である。

(公平に言って、彼はちゃんと資料を用意した)Справедливость заставляет сказать, что он хорошо подготовил материалы.
(巨大な黄色と黒の猫の美しさは危険を忘れさせた)Красота огромной желто-чёрной кошки заставляла забыть об опасности.
(断わらざるを得ません)Меня заставляет отказаться.

 さらに慣用句заставить (заставлять) себя ждать(なかなか現れない、遅れてくる)を使って、

(彼はいつも遅れてきて〔人を待たせて〕、帰る間際にやってくる)
Он всегда заставлял себя ждать и появлялся к шапочному разбору.
(結果はすぐ出た)Результат не заставил ждать себя долго.

出題)「どのようなブロックからその装置は構成されているのですか?」をロシア語にせよ。

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2013年06月11日

●続和文解釈入門第119回

状態の動詞(3-1-6項)はともかく、動作を示す不完了体現在形がужеと結びつくのには抵抗があると考える人もいるかもしれないが、уже との組み合わせで結果存続兼評価型の用法となる。ужеは語義において結果存続を示し、文脈によって何らかの評価を示唆していると考えられる。ужеがなくとも、それが含意されていれば、結果存続兼評価型動詞となる例もある。

(もうロシア語がうまく話せますね)Вы уже хорошо говорите по-русски.
(「ママ、もう起きてるよ、起きてるってば、ママ」と言って、また寝入ってしまった)И говорил "Мам, я уже встаю, встаю, мам!" и засыпал опять.<第42回本文で遂行動詞と間違って紹介したので、ここに訂正する>
(僕自身、自分の著作なんかもう忘れているよ)Я уже сам забываю свои сочинения. <第112回出題>
(当直の報告からどうなったかは聞いている)Из донесения дежурного я знаю, как обернулось дело.
(息子はもう独り立ちしている)Сын уже на ногах. <「息子はすでに歩けるようになっている」とも訳せる>

出題)「彼の最後の手紙には多くのことを考えさせられる」をロシア語にせよ。

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2013年06月10日

●続和文解釈入門第118回

動詞はそれぞれ語義が違うというのは当然のことながら、体の用法によりいくつかの動詞群(例えば『和文露訳入門』の第7章)に分けられるという事が言える。しかし、ここで問題なのは、日常よく使われる動詞について言えば、語義が一つではなくいくつかあり、それぞれ体の用法も違う場合があるということと、またいくつかのシノニムの動詞は語義が同じでも体の用法が違うという可能性もあるということである。Я говорю...という一見現在の時制の文を例にとっても、文脈によっては、反復(繰り返し)、過程、遂行動詞、状態(能力)、結果存続兼評価型動詞、歴史的現在(過去の時制)という用法が考えられる。体の用法を『新訂和文露訳入門』(小見出しの数は216)では86紹介するつもりだが、体の使い分けというのは、一つの動詞にいくつかあるという意味では重層的であり、それが時制や法でも用法が分かれ、さらにいくつかの動詞群に分けられるという意味では平面的であり、これらが錯綜していると言えよう。それゆえ用法をそれぞれ切り離して、あたかも体の用法の原則が86とは言わないまでも、いくつかあるとして、個別に覚えるよりは、なぜそのような個別の用法が生まれたのかその本質を会得し、それを個別の場合(86の用法)に当てはめて検証した方が、有機的に体の使い分けができるようになると思われる。

出題)「このような装置が何台御社ですでに運転しているのですか?」

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2013年06月09日

●続和文解釈入門第117回

イェスペルセンは『文法の原理』(安藤貞雄訳、岩波文庫、2006年)において、「現在というのは厳密に言えば現在の一瞬であり、点としてとらえることができる。ただ現在の一点が言及された期間内に入っていれば現在の時制であり、繰り返しについても総称時ということで、現在の一点が含まれているから現在の時制になるのだ」と指摘している。

 完了体が現在の時制で用いられないのは、現在の時制におけるこの一瞬(一点)が常に未来へと動いているため、ビデオや映画のフィルムの一コマ、一コマの静止画面のように、結果の存続という形式か、ないしは一瞬後の未来のような広い意味での今しか完了体が表せないからである。つまり、私の指摘した「完了体の本質は、話し手が動作の行われる時間軸の特定かつ不動の一点をイメージする」というのは、今という一瞬(一点)は静止していないのだから、完了体はこれを表現できないということを意味する。

 一方不完了体は時間軸の特定かつ不動の一点をイメージしないのだから、現在のこの一瞬においても、その前後においても終了していない(継続している)動作を表現することができるということになる。そのため動いている現在のこの一瞬を含む動作の場合には、完了体の代わりに、過程(進行形)、状態の動詞や遂行動詞という用法において、不完了体現在形が具体的な1回の動作を示すことになる。

出題)「明日は二人とも早起きだ」をロシア語にせよ。

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2013年06月08日

●続和文解釈入門第116回

そこで、この2年ほど、9万3千項目ある自分の和露語彙集の中の例文をチェックして見つけた自分なりの体の定義が、「完了体の本質は、話し手が動作の行われる時間軸の特定かつ不動の一点をイメージする」というものである。そもそも体の用法を勉強するきっかけとなったСадитесь.(おかけなさい)でこれを説明すると、この促しの用法は、かけっこのときのよーいドンや、試験の時の試験官の「始め」の合図のようなものだと考えると分かりやすい。話し手は合図をするだけであり、動作をするかしないのかは聞き手次第であるから、促しは任意の時間軸の一点における動作ということになる。この用法では聞き手はその一点をイメージしているが、話し手は完了体のようにその一点をイメージしているわけではない。促しの用法と関連のある『和文露訳入門』5-1-2項の勧誘の用法では、動作が行われるのが任意であるということがより明確である。

(始めなさい)Начинайте!
(おかけ下さい)Садитесь!
(時間があったら今日家に寄ってくださいね)Заходите к нам сегодня, если у вас будет время.

 遂行動詞では発話 = 動作であるが、その動作には始まりがあって、終わりがある過程を示していることが分かる。この過程は現在時制でのみ用いられるから不完了体が用いられるのである。過程(現在進行形)がなぜ現在の時制なのかについては、すでに説明したと思うが、念のため次回説明する。

出題)「具体的な提案はあるの?」をロシア語にせよ。

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2013年06月07日

●続和文解釈入門第115回

「不完了体とは、進行・継続・反復する動作、もしくは動作そのものなどを表す場合です」とあるが、進行(過程)、継続、反復に不完了体が用いられるというのは、不完了体の性質を挙げているだけで、なぜこれらに不完了体が用いられるのか、またこれらに共通する不完了体の特性については他の体の参考書と同様、何も述べていない。マフニョーワさんのは会話集であり、簡略とはいえ、文法の説明を書いてあるのは非常に良心的であるということはさておいて、他のロシア語の参考書もこれ以上の説明は見たことがない。どうも次に続く「不完了体が動作そのものを表す」と関係があるらしいという事は分かるが、あくまでも仮定である。「完了体とは1回限りの動作や、その開始と終了がはっきりと意識できる場合です」という完了体の定義にしても、これではなぜそういう事が言えるのかや、この二つ動作の関連性についてはよく分からない。
体の使い分けを、時制と法の細かい用法を、その例文と共に私は丸暗記してきたわけだが、その用法は86くらい(『新訂和文露訳入門』の目次の(小)見出し数は216)だと思われる。いくつかの用法には関連性があることは分かるが、このようなダブルスタンダードどころか、体の使い分けをする上で、86もの用法を細かく覚えなければならないとしたら、何も考えずに例文を丸暗記した方が早いと思ってしまう。(次回に続く)

出題)「私たち休暇はどうするの?」をロシア語にせよ。

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2013年06月06日

●続和文解釈入門第114回

これらの体の参考書で気になるのは、過去・未来の時制、不定法や命令法において特化した完了体や不完了体の用法が自明(所与)のこととして、書かれていることである。現在の時制では繰り返し、過程などは当たり前の用法として、触れさえしていない。それらを覚えることが体の使い分けをする前提であり、実用的でもあるという事は分かるが、帰納的な仮説の域を出ず、結果の存続、反復、過程などのこれらの用法には、弱い関係性が認められるらしいとはいうものの、不完了体や完了体に共通する何かについてはほとんど触れられていないと言ってよい。

 第107回に紹介した、マフニョーワさんの『男と女のロシア語』(TLS出版、2010年)の文法編にある完了体と不完了体とは何かという定義「ロシア語の動詞は、多くは完了体と不完了体のペアで成り立っています。完了体とは1回限りの動作や、その開始と終了がはっきりと意識できる場合です。不完了体とは、進行・継続・反復する動作、もしくは動作そのものなどを表す場合です」は、非常に簡潔に体の本質を表現していると思われるので、それをもとに話を進める。(次回に続く)

出題)「洗車をお願いします」をロシア語にせよ。

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2013年06月05日

●続和文解釈入門第113回

体の用法が気になりだしたのは、大学の時で、なぜСадитесь.(おかけなさい)と不完了体命令形を使うのかという疑問を持ったのが最初だと書いたことがある。就職してしばらくしてから、『ロシア語動詞 体の用法』、(О. П. Рассудова、磯谷孝訳編、吾妻書房、1975年)と『演習ロシア語動詞の体』(磯谷孝編著、吾妻書房、1977年)が出て、一読してみたが、その時はロシア語のレベルが低く、よく理解できなかった。両書はそれ以降現在に至るまで私の座右の書であり、ほぼ毎日気になるところを眺めたりしている。体の用法について言えば、それ以前も、それ以降も会話で役に立つ表現や語彙は、なぜそうなるかを考えずに丸暗記していたので、商社の仕事で技術通訳や商談通訳をするのに何の支障を感じたことはなかった。体を真剣にやろうと考えたのは、『ロシア語の体の用法』(原求作、水声社、1996年)を精読してからである。これらの3冊の本は良書ではあるが、露文解釈用の参考書であり、隔靴掻痒の感があり、自分に必要な会話における和文露訳でどう活用するかは自分なりに考えなければならないと考えた。自分でも和露の例文付語彙集(その頃は1万項目ぐらいだったが、現在では9万3千項目を越えた)を作っていたので、その例文をもとに体の用法について検証していったわけである。そのためには質の高い例文が必要なことは言うまでもない。(次回に続く)

出題)「思い出すと、むかつく」をロシア語にせよ。

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2013年06月04日

●続和文解釈入門第112回

コロンやダッシュを使わない人が多いようだが、非常に便利な記号なので覚えておくとよい。コロンは二つの文の後ろの文に理由が来る。またハイフンは前の文に結果や説明、譲歩を示したり、前の文から後ろの文への素早い動作の移行を示したりする。ただこれらは会話では、単語と単語との間合い、イントネーションや文中の単語の強弱(プロミネンス)で表現するしかない。

Выйти невозможно: на улице проливной дождь.(出るのは無理だ。通りは土砂降りだよ)
На улице проливной дождь – выйти невозможно.(通りは土砂降りだよ。出るのは無理だ)
Придёшь - всё узнаешь(来れば分かる) <力点はа、ダッシュで「すぐ」というニュアンスを伝えている>

出題)「僕自身、自分の著作なんかもう忘れているよ」をロシア語にせよ。

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2013年06月03日

●続和文解釈入門第111回

否定的ニュアンスのある動作は不完了体が使われることが多いと書くと、誤解の元かもしれない。否定的ニュアンスというのには二通りあり、一つは不必要や禁止を示すもので、動作自体が行われない、動作が存在しないという状態を示すものである。この場合の叙想語(話し手の主観を示す)はне, нельзяなどの否定詞であるが、続く動詞は動作そのもの(動作の内容)であるために不完了体が必須である。もう一つは、否定的結果の意味のある動詞群でзабыть忘れる、потерять失う、разбить割る、сломать壊す、убить殺す、ударить殴る、уронитьなくす、などの瞬間動作動詞(瞬時の移行・変化を示す動詞)であり、これらは状態ではなく、否定の場合でも具体的な1回の動作を示し、生死や損得に関わる主観的な動作を示すので、過去の時制の平叙文や否定文では、アオリスト的用法として完了体で使われることが多い。不完了体過去形の例としては第11回出題の回答参照。しかし、疑問文では過去の時制の動作の有無の確認(動作の名指し)として不完了体過去形が来る。このほかに、『和文露訳入門』4-1-1-4項の状態の変化を示す動作、瞬間的に成立する動作、繰り返しのきかない単一的、無意識的、非目的志向的動作を示す動詞にもこれに当てはまる。

(イワン雷帝は自分の息子を殺したのか?)Убивал ли Иван Грозный своего сына? 
(その将軍は賄賂を渡したのか?)Давал ли взятки генерал? <これは否定的結果の意味はないが、瞬間的に成立する動作で過程の意味がない動詞である>

出題)「新しい手法のメリットとデメリットは何ですか?」をロシア語にせよ。

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2013年06月02日

●続和文解釈入門第110回

получатьは具体的なものを受け取る(ないしは「叱られるполучить выговор」など)という意味では、動作が一気に終わる(過程ではない)ので使えないが、特典を得る、交付を受けるというような、ある程度過程のニュアンスがある語義の時は不完了体未来形(быть の未来形 + 不完了体不定形)が使える。108回の出題の「名字を変更する」も、変えるという意味で一気に変えられるものなら完了体を使うが、改姓するという場合は、手続きに時間がかかる、つまり過程のニュアンスがあるということで不完了体が来るとも言える。未来の時制における動作の有無の確認には、その文脈における動詞の語義が直接かかわって来るのである。

出題)「お前、学校のガラスを割ったのか?」をロシア語にせよ。

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2013年06月01日

●続和文解釈入門第109回

完了体は否定文では使われないかと言うと、不可能、否定の強調の他にも使われる場合がある。забыть忘れる、потерять失う、разбить割る、сломать壊す、убить殺す、ударить殴る、уронитьなくす、などの瞬間動作動詞(瞬時の移行・変化を示す動詞)を含む否定的結果の意味がある動詞は完了体で使われることが多いが、否定文においても完了体で使われる。このような動作に否定的ニュアンスのある動詞を否定すれば、動作を肯定的にとらえるというような主観的なニュアンスに変わるということで、完了体が用いられるからだと考えられる。動詞にもよるが、過去、未来の時制、命令法、不定法での完了体に共通する否定の用法と言える。

(一か八か)Двум смертям не бывать, а одной не миновать. <二度死ぬやつはいないし、だれしも一度は死ぬものだ〔このминоватьは完了体〕>
(ナースチャは手を抜かずに、映画会館や、メモにある劇場に電話をかけまくった)Настя не поленилась, обзвонила и Дом кино, и указанные в записях театры.
(必ず連絡を入れます)Не премину сообщить.

出題)「彼を見ればすぐ分かるに違いない」をロシア語にせよ。

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