2013年06月26日

●続和文解釈入門第134回

体の使い分けについて、例えば近く刊行予定の『新訂和文露訳入門』には87あると書いておいたが、全ての動詞に87あるというわけではない。またдолженなどの叙想語の後に、1回の具体的動作には完了体不定形が、一定の時間や反復、切迫の用法なら不完了体不定形が来ると書くと、確率的には1/3だなと思う人がいるかもしれないが、それも違う。動詞の語義と文脈によってどの体を使うかは明確に決まって来る。通訳は瞬間なので、体の使い分けを理詰めで考えることができないというなら、この場合は完了体不定形の来る確率が圧倒的に多い。この勘を養うためにも、閑な時に同書でよく理解できない体の使い分けのところをその都度一読されたらよいと思う。また一つの文で完了体と不完了体の両方が使える場合でも、話し手のニュアンスの差が出るのが普通である。

出題)空港のゲートを出てきたが、出迎えの人が誰か分からない人に言う「私が出迎えです」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2013年06月26日 05:03
コメント

Я за вами.
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正解ですが、いろいろな意味で使われるので、状況によって意味が変わります。「あなたの後に(並んでいる、ついていく)、あなたを見守っている(監視している)」という意味にもなります。私の答えは、Это я вас встречаю.
これは予定の用法ですが、過程のニュアンスもあります。

Posted by ブーチャン at 2013年06月26日 06:46

С приездом. я вас ждал.
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ждалと過去形なので、今回の出迎えではない前回という感じです。с приездомとあるので、дождалсяの方がよいかもしれません。ただそうなると、長い間待たされたというニュアンスですが。いろいろ考えると、予定と過程の意味の両方があるждуがベストかもしれません。

Posted by ブーチャン at 2013年06月26日 07:31

Это встречает я!
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этоは主語ではなく、強調です。主語はяですから動詞もそれに合わせた活用をすることが必要です。それと補語がないと不自然です。ゲートから出てくる人に、「出迎えは私です」といったら、それは当然あなたの出迎えであって、だれでもいいといいうことではありません。発想はいいので、もう一歩です。

Posted by ゴ at 2013年06月26日 23:51

(お題)
(空港のゲートを出てきたが、出迎えの人が誰か分からない人に言う)
私が出迎えです
(コーシカ訳)
За Вами я приехал(а).

第63回の出題から時制を、研究社の例文から形をそれぞれ参考にしました:
Мать скоро придет за мной.母がもうすぐ迎えにきます。
(研究社、1732頁、прийти)
完了体過去による結果の現存で、もう目の前に来てますよ、という意味です。
空港への出迎えに徒歩で行くとは思えませんので
動詞はприехатьを使っております。
さて、正解は
おぉ、Это яという手がありましたか!
不完了体現在の予定ないし過程の用法なのですね。
最初にВас встречаю я.を思いつきましたが第63回を見直したところ
繰り返しのニュアンスが出て拙いかと考え、完了体過去を使ってみました。
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正解です。

Posted by コーシカ at 2013年06月30日 19:02
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