2016年12月02日
2016年12月03日
2016年12月04日
2016年12月09日
2016年12月10日
●和文露訳要覧第143回
出題)「朝までに吐き気と下痢が止まらないなら、電話してください。すぐに参ります」をロシア語にせよ。
2016年12月11日
2016年12月16日
2016年12月17日
2016年12月18日
2016年12月22日
2016年12月23日
●和文露訳要覧第149回
『和文露訳指南』9-2-3項末尾に下記追記願う。
上記確述の述部に使われている時制の転用については、他にもплакатьの過去形の例もあり、これは形式的には不完了体でありながら、意味するところは「実現しない」не осуществиться, не состоятьсяという未来や過去における完遂の否定版である。
(捜査官としての出世もパーだ)Плакала его карьера следователя. <未来の時制>
(片方のストッキングもバスで破れてしまった。6ルーブルがパー)И чулок в автобусе прорвала.. Плакали шесть рублей. <結果の存続、ないしはアオリスト的用法>
出題)「リュボーフィ・ペトローヴナから少なからずリーザがもらい、いくばくかはトーニャがもらっていた」をロシア語にせよ。
2016年12月24日
2016年12月25日
●和文露訳要覧第151回
『和文露訳指南』を下記のように訂正した。ご参考まで。
9-4-1 受動態
日本語ではどの動詞でも受動態(受け身)を使うのは文体上好ましくないとされるが、それでもクレーム処理などで我意をあまり主張するのは好ましくないような、主語をぼかしたいときなど受動態を使わざるを得ないときもある。一方ロシア語では、ся-動詞の完了体はотклеиться(はがれる)など自動詞が多いが、ся-動詞の不完了体や被動形動詞過去形短語尾で受動態が作れるものがあり、動作主が示されていない。動作主を明示したいときは造格で示す事ができるが、これは事務的な文体であり、口語体の文では少ないと言える。しかも他動詞であれば、ся-動詞で受動態を作れるというものではない。3-1-1-4項の非情の受け身にあるように、ся動詞(受け身)の主語には生物など意志をもったものはなれないのが普通だからだ。完了体の用法で動作主を考慮に入れた受動態を作るには、被動形動詞過去形短語尾を使えば、動作主は生物でも無生物でもよいが、意味が動作の完遂を示すことになってしまう。
そのため動作主があって、それが不定の人であることが含意されている場合、完了体や不完了体という制約を考えずに主語をぼかしたいのであれば不定人称文を、動作主が事物を含意しているのであれば、ся動詞(受け身)か被動形動詞過去形短語尾を使うのがよい。特に、反復や動作の一般化ということなら、不定人称文を勧める。
出題)「この問題は特に検討を要する」をロシア語にせよ。
2016年12月28日
●和文露訳要覧第152回
『古文書に見る江戸犯罪考』(氏家幹人、祥伝社、2016)を読んだ。通り魔、放火、強盗、詐欺、偽金作り、盗み、強姦、スリなど現代にあるような犯罪は江戸時代にもあったことがよく分かる。中に海保青稜という学者の話として、1805年にはスリ(巾着切と呼ばれた)は江戸に1万人以上おり、5人くらいの親分に率いられ、時の町奉行曲淵甲斐守から、巾着切はみな浅黄色の木綿頭巾をかぶるよう命令が下され、それを巾着切が守ったというくだりが面白かった。スリは土地の者を狙わず、おのぼりさんを中心に稼いだということが書かれている。スリにはスリの掟や仁義があり、これは19世紀、20世紀初めのロシアのスリ社会と似ており、スリの監獄における差し入れなどの相互扶助の一環から、вор в законеが生まれたという説があるのもうなづけるところである。ロシアではスリは手先が器用であり、馬鹿では勤まらないということから、小悪党という扱いではなく、それなりに尊敬され、有名なヤポンチクЯпоничикもスリ上がりと言われている。
出題)「肝心なのはすべてがうまく行くことだ」をロシア語にせよ。
2016年12月29日
2016年12月30日
●和文露訳要覧第154回
『和文露訳指南』にある偶発的反復という用語名をボンダルコ先生の著作『機能文法の原則とアスペクト論の諸問題Принципы функциональной грамматики и вопросы аспектологии』に合わせて、例示的反復と変更することにした。
3-2-4 例示的反復
例示的反復というのは、ある条件がそろえば起こるが、そろわなければ起こらないという予測不能な動作、つまりしたり、しなかったりという動作の予測不能性を示す用法で、例示的用法から派生したものでもあり、潜在的可能性とも関連する。また例示的反復には話し手の気持ち次第という、完了体ゆえの主観的要素が関わっている。詳しい説明は4-2-3項参照。例示的反復では今この一瞬が動作に含まれないので、不完了体現在形は使えない。例示的反復は超時間的用法であり、過去、現在で使われるが、いずれの時制でも例示的用法からの派生という事で完了体未来形が用いられ、この反復は1回の具体的出来事を例として伝達される (Повторяемость передаётся на примере одного конкретного эпизода) ため、不完了体の機能である規則的反復と区別して、例示的反復(偶発的反復)と呼ぶことにする。
出題)「人に後ろ指を指されるようなことは何もした覚えはない」をロシア語にせよ。
2016年12月31日
●和文露訳要覧第155回
遂行動詞には1人称か、一人称を暗示するものが主語に立つと述べたが、その例を追加として挙げる。
(彼がみなさんを劇場に招待いたします)Он приглашает вас в театр. <この文の内容を伝えているのは一人称と考えるのが自然>
(この結論は発話やその意味の言語的内容構造の不一致から導かれる)
Этот же вывод следует так же из несовпадения структур языкового содержания высказывания и его смысла, <意味上の主語は一人称>
出題)「その(日の)夜中はどこにいらしたのですか?アリバイを証明してくれる人はいますか?」をロシア語にせよ。