2016年12月03日
●和文露訳要覧第140回
出題)下記の単語をロシア語にせよ。
司法取引、数字のばらつき、匿名希望
Юридическая сделка
Цифровой разброс
Желательна анонимность
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最初のは直訳ですが、司法取引というのは裁判前の取引ということです。二つ目は正解です。3つ目も直訳です。新聞や雑誌で匿名希望というのは本人がそう希望しているわけで、それをマスコミが了解したというニュアンスがあります。私の答えは、
司法取引 досудебное соглашение о сотрудничестве со следствием
数字のばらつき разброс цифр
匿名希望 пожелавший остаться неизвестным; не пожелавший раскрывать своего имени; пожелавшего остаться неназванным
英米法のPlea Bargainingが所謂“司法取引”に該当すると思いますが、
Russian Jurisdictionでそのような法的概念が存在するかもよくわかりませんでした。
とりあえずЯндексなどに掲載されている語彙を書いてみます。何卒、御教示下さい。
согласованное признание вины
рассеяние по цифрам
анонимно по желанию автора
宜しく御願い致します。
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ロシアにも司法取引ということは普通に行われています。裁判前ということを明記する必要があると思います。二つ目のばらつきは、数字に関する拡散ということではありません。3つ目は意味は分かると思います。
сделки о признании вины, разброс, имя не разглашается по просьбе
よろしくお願いします。
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最初のは裁判前と入れる必要があります。二つ目はばらつきだけで、何のかが分かりません。3つ目は意味は分かるでしょうが、文ではまずいと思います。
судебные переговоры, диапазон цифровых данных, анонимно
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最初のは裁判の交渉ですから違います。二つ目は数字データの範囲ですから、これも違います。3つ目も匿名だけでは弱いと思います。
すみません、設問と関係ない質問です。プーシキンの詩に「Очей очарованье!」とありました。訳は「瞳の魅力よ!」とでもなるのかな、と考えましたが、なぜ複数生格Очейが前に来ているのでしょうか。所有を表す生格の場合、所有の対象となる単語の後ろに生格がくる決まりがあるものと思っていました。ただ単に詩だからでしょうか。基本的な質問で失礼いたしました。
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ロシア語はほとんどない英語と違い格変化があるので、単語の位置がどこにあろうと意味は分かります。ただ会話などでは、所有の場合生格は修飾する語の後の方が単語同士の結び付きが強く、かつ意味が通りやすいというだけのことです。詩などでは、音調や強弱格などの詩格を使うために、位置を変更することはあります。詩以外でも、当局という意味で、次のように使います。
Главное зло заключалось во власть предержащих чиновниках.(
主たる悪は当局の役人だった)
власть はпредержащиеの対格でこの句では格変化しない。 власть предержащиеが現代的用法で、 власти предержащиеは廃用
他に、подлаживаться к власть имущим(当局にゴマをする)も同様です。ただこれらは書き言葉であって、普通当局という意味では、местные власти(地方当局)のように、複数のвластиを使うのが普通だろうと思います。
丁寧にご回答いただきありがとうございました。よく分かりました。
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この他にもсвоего родаもそうです。
Состояние деда не позволяло ему тратиться на такую своего рода мебель.(祖父の財産ではこのようなある種の家具に金を使うことは無理だった)