2009年08月26日

●新帯研 第69回

1990年代の初め、休日モスクワを散歩していたら、キオスクで張形を売っていた。日本では大奥などで牛の角製のものをお湯で温め使用されたというものだが、彼の地のはプラスチック製で色は肌色、今なら安手のポルノショップでしかお目にかからないものだ。よくもまあ、子供も買いに来るであろう、地下鉄の駅の近くのキオスクでとは驚いた。しかも名前がпалочка-выручалочка(子供の遊びの一種が原意だが、「とんだ救いの神」ненадёжное средство, сомнительный способという意味で使われる)というのには2度驚いた。
この話題はこれくらいにして、ロシア人と飲んだことのない人も多いと思うので、典型的な乾杯の辞というのを書いておく。Ну, ребята, поздравляю вас с вашим праздником от души и до дна пью за ваше здоровье! 今回の課題は、
- Для решения какой комплексной проблемы создаётся группа из следующих специалистов: математик, физик, биолог, инженер, врач, архитектор, экономист, юрист, философ?
- Для уборки картофеля в колхозе.
設問)オチが分かるように訳せ。

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2009年08月18日

●ロシア語基本熟語500

ようやくロシア語基本熟語500が東洋書店から出版された。和露で作られている。これはロシア語でいうустойчивые словосочетания(安定的語結合)を主として500項目集め例文をつけたもの。同義表現も収めた。これまで日本では出版されていないし、例文も時事的なものを中心とした。ただ今回はCDはない。ご好評ならあと500~1000項目ぐらいは続編として作れるぐらいのコーパスはある。他に合成前置詞や複合前置詞集( в свете, в счет)など例文で説明したものや、「観光ロシア語」(ブックレットを発展させたもので、会話テキストを中心としたもの)、「露国曲者異聞」(悪者や変人奇人伝)など、出版社のほうで興味があれば(売れると思えば)原稿はほぼできている。

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2009年08月13日

●新帯研 第68回

「ロシア語黒帯研究会」とは何か知らない方のために、会の趣旨について再度書いておく。ロシアへ興味を持つ人はそれなりにいるようだが、NHKのラジオ講座の扱いを見ていると、ロシア語学習者の人口が減っているようだ。初級を終えてから次の段階に進もうと思っても、教材自体があまりなかったのだが最近充実してきているのはありがたいことである。しかし英語と比べるとやはり少ない。その状況を打開する一つとして、露露辞典を使えるか、ほぼ使えるロシア語学習者を対象として、小話という短くて文脈の取りやすいテキストを使って、主にロシア語会話力向上のためにこのブログを活用させていただいているわけである。ロシア語の初心者や初級者にも参考になるとは思うが、基本的な文法を知らない人(生格、完了体などという用語を聞いたこともないという人)向けではない。そういう人は、NHKのラジオ講座テキストや現代ロシア語文法(城田俊、東洋書店)を勉強するか、手元において読むのから始めるとよい。ロシアの小話はオチが分かっても面白いものは少ない。それは日本人がロシアの大衆文化に対する理解が少ないことと、笑い(面白いかどうかと思うこと)というものはあくまでも個人的なものだからである。出題する小話自体は学習という観点から選んだものなのでオチも面白くないものが多いということを頭に入れて欲しい。名前は黒帯研究会だが、師範科や master classといった一方的に教えるものではなく、あくまでも私も含めてロシア語力を高めるためなので、正しい答えがない場合もありうるということと、文意は会話では身振り手振り、イントネーション、文脈(コンテキスト)による場合が多いという言うことを申し上げておく。それと黒帯研究会についてだが、まず黒帯とは何ぞやということになるが、私は実戦で使えるロシア語を使えるレベルと考えている。少なくとも電話で(身振り手振りなしで顔の表情などを見ないで)ロシア人とロシア語で用が足りるレベル以上ということでもよい。ただこういう定義を人に押し付けるつもりもない。定義が決めたからといって実力が上がるものでもない。黒帯研究会も黒帯同士の研究会という解釈でもよいし、黒帯を目指す人の研究会というのでもよい。人それぞれである。それにロシア語の勉強というのは一生精進しなければならないことに変わりはない。そういうつもりで帯研を始めたのだが、やっているうちに徐々に変わってきたように思う。そこで新帯研について最近考えたことを書いておく。
一応新帯研は初級から中級までの間の学習者を対象としている。ロシア語学習者で中級というのは、どの程度をいうのかは異論も多いと思うが、私はガイド試験に受かるか受からない程度、つまりガイド試験受験を目指せるレベルであり、プロ(黒帯)の一歩手前と考えている。それではプロ(黒帯)である上級(ガイドや通訳、語学教師、ロシア語を使う商社・メーカーなどの営業職)というのはどうかというと、時制や人称の転用、法(接続法や仮定法などの)、動詞の体をよく理解し、文語、標準語、口語、俗語、隠語、詩語などの文体の違いが、文章でも会話でも、露文解釈でも和文露訳でも意識できるレベルにあることであると思う。プロがみなこの上級のレベルにあるということではない。そういうレベルになくとも大抵の仕事自体はこなしていけるのも事実だからだ。ただそのままのレベルでよしというような甘えた考えを持っていると、難しい仕事にぶつかったときに対応できないというだけの話なのである。今回の課題は、
Человек, посетивший мастерскую художника, обратился к нему с просьбой:
- Не можете ли вы мне что-нибудь предложить – недорого и в масле.
- Банку сардин.
設問1)和訳せよ。
設問2)次の文のうち正しいものを述べ、和訳せよ。
a) Туман поднимался от земли.
b) Туман поднимался с земли.

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●新帯研 第67回

石鹸といえば、サッカーなどで審判に不満があるときに、観客が審判をやじってсудью на мыло「石鹸にでもしちゃえ(直訳は石鹸用」と言うが、なぜそういうのか長いこと分からなかった。アンドレーエフスキーの著書によると、ソ連でも第二次世界大戦中は石鹸も不足していて、石鹸1個で2か月もたせなければならなかったぐらいだったという。戦後ナチが人の皮下脂肪で石鹸を作ったという残虐行為が知られるようになり、ナチドイツが作った人間の脂肪製の石鹸が闇市で出回っているという噂が流れたことがあった。そこからサッカーファンが試合で、おかしな裁定をした審判に対して、そんな審判は、「石鹸にでもしちゃえ」という意味で使い始めたという。モスクワにある国防博物館に行ったときに、ナチが人間の皮膚で作った革製品とか人間の脂肪で作った石鹸というのが展示されていた。日本ならまず展示されないだろうと思った次第。日本語でも審判に対し、「死ね」とか「首だ、首にしろ」と言うので、それだって斬首から来ているのだろうから、同じようなものか。同じホッケーやサッカーの試合でファンが絶叫するШайбу! は「ゴールを決めろ」という意味である。
- Какой основной пороков капитализма – перепроизводство.
設問)訳せ。オチを別に解説してもよい。

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2009年08月07日

●新帯研 第66回

1985年頃取引先に頼んでマホルカタバコを手に入れてもらった。残念ながらその時にはすでに禁煙していたので、日本にいる恩師である飯田教授に送った。飯田先生も禁煙したばかりで、同僚の新田先生(これまた恩師である)に喫ってもらったら、やはりまずいとのことだった。パッケージにマホルカと書いており、当時モスクワ市内では手に入らずモスクワの大環状線のところで手に入れたとそのロシア人は言っていた。今ではまったく手に入らないだろう。マホルカは日本語ではマルハタバコといい、いわゆるタバコとは違う種類である。2003年頃アルマトゥイに行った時に、そこの市場でマホルカを売っていたが、マホルカかどうか疑わしかった。売り子のおばさんはほんまもののマホルカだと胸をたたいてはいたが、自家製栽培のタバコсамосадかもしれなかったからだ。いずれにせよタバコをやめて30年近くになるのでこればかりは確かめようがない。
Между Великобританией и СССР произошёл обмен опытом. Великобритания встала на путь разукрупнения и завела двух королев: одну по промышленности, другую по сельскому хозяйству. В СССР решили на британский манер перейти на левостороннее движение и пустили для начала сто машин по левой стороне.
設問)訳せ。オチを別に解説してもよい。

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2009年08月02日

●新帯研 第65回

パンフレットの和文露訳を頼まれることがあるが、依頼主には、こう言う事にしている。文法的に正しく、その場面にできるだけ合ったロシア語表現をするように努力するが、翻訳家であって、コピーライターや作家ではないし、クレームにならないよう正確さを重視するので、一般のロシア人が読んでモタモタした感じのロシア語になることもありますと。日本語で本を書いたり、広告の文案を練るというのは、だれでも日本人ならできるというものでもあるまい。修行してプロになるのである。そこのところを依頼主はよく理解しておらず、ロシア人に見せて訳がどうのこうのと批判するのはやめてほしいものだ。文法がおかしいとか、スペルミスがあるとか、こういう場面では俗語過ぎるとか文語過ぎるとかという建設的批判はよいけれど。今回の課題は、
Встретились русский и американец, завели разговор о том, у кого и как скот убивают.
- У нас электричеством, - говорит американец.
- А у нас, наверное, взрывают, - говорит русский. – Потому как зайдёшь в магазин, а там все рога да копыта, рога да копыта!
設問) 和訳せよ。

Posted by SATOH at 13:04 | Comments [1]