2016年11月02日
●和文露訳要覧第124回
弾という意味のзаряд は総称で、пуля(拳銃の弾), патрон(実包), снаряд(砲弾)という意味がある。
出題「彼の殺人犯の捜索は続いているが、今のところ成果なしだ」をロシア語にせよ。
2016年11月03日
●和文露訳要覧第125回
больной は病気にかかった人(病人)であり、пациентは医者にかかっている病人(患者)を指す。怪我人はраненый, пострадавший という。
出題)「今度何かしたら承知しないから」をロシア語にせよ。
2016年11月05日
2016年11月06日
●和文露訳要覧第127回
出題)「爆発の威力は専門家によってTNT換算で600グラムの爆薬と評価された」をロシア語にせよ。
2016年11月11日
●和文露訳要覧第128回
専門家はспециалистだが、экспертというのは何かの件で結論を下す専門家を指す。
出題)「タクシーは反対(対向)車線に飛び出した」をロシア語にせよ。
2016年11月12日
●和文露訳要覧第129回
和文露訳をする時に、ロシア語と日本語の文法的な違いはあるにせよ、同じ人間である以上、考え方は本質的に同じであろうと考える。ただ日本人とロシア人との歴史的、民族的、風土的発想の違いは少なからずあり、それを前もって学ぶ姿勢が大切であることは言うまでもない。この補正的要素、つまりロシアの庶民の常識を学ぶ教材はほとんどなく、学習者個個人が自分で自己啓発するより道はないのが現状である。
出題)「彼の金、貴重品、証明書類には暗殺者は手を触れなかった」をロシア語にせよ。
2016年11月13日
2016年11月18日
●和文露訳要覧第131回
前回は結果存続無効(『和文露訳要覧』3-1-12項)と動作の往復(『和文露訳指南』2-1-3項)に絡んだ出題だった。結果存続無効も含めた動作の無効について若干整理したので、追記する。
7-7 動作の無効
動作の無効という用法には下に挙げるように、結果存続無効、動作の往復、動作の未達、期待外れ、動作の取りやめなどがある。未来は未定であるがゆえに、動作の無効という用法は、動作の結果を無効するということから過去の時制と深く結び付いている。
体の用法は動詞によって不完了体の方が頻度の高いものや、逆に完了体の方がよく使われるものがある。その動詞の中で使われる頻度が低い体が動作の無効という機能を担う。взять/братьのように、どちらの体も同じような頻度で使われるように見える動詞でも、近接過去と現在を結びつける結果の存続では完了体がより多く使われるわけであり、体の使い分けにおいても時制が大きな影響力を持っていることがよく分かる。
1) 結果存続無効(3-1-12項参照)
瞬間動作動詞など意味的に完了体過去形がアオリスト的用法(特にその派生的用法である結果の存続)で使われる動詞の不完了体過去形は、結果存続無効で使われる。
(彼は行方不明となった)Он пропал без вести. <発話の時点が今なら、今彼はここにいない>
(1934年彼は行方不明になった)В 1934 г. он пропал без вести. <アオリスト的用法で、発話の時点が今だとしても、彼の行方がつかめたかどうかについて話し手は興味がない>
(どこにふけていたんだ?)Ты где пропадал? <発話の時点が今なら、君はここにいるか電話で話している、つまり行方はつかめている(結果存続無効)>
2) 動作の往復(2-1-3項)
(彼は去った)Он уехал. <発話の時点が今なら、彼はここにいない>
(出かけてたのかい?)Ты уезжал? <発話の時点が今なら、уезжал = уехал и приехалで、君はここにいるか、電話で僕と話をしている>
3) 動作の未達(7-1-1項)
志向の動詞の不完了体過去形で、「しようとしたができなかった」という意味。
(私たちは彼を捕まえようとしたが、だめだった)Мы ловили его, но не поймали. <不完了体には反復も含まれる>
4) 期待外れ(7-2項)
完了体過去形を用い、動作は起こるが、その結果は期待とは異なる。
(彼のことはあてにしていたのだが、このざまだ)Я на него понадеялся, а вот что вышло. <シノニムのположитьсяにもこの期待外れのニュアンスが若干ある。動作は起こったのだが、期待とは違う結果になった>
5) 動作の取りやめ(2-2-3項)
小詞было + 完了体動詞過去形、いったん開始された行為の中断、中止。
(車は動きかけたが、彼は車を止めた)Машина было тронулась; но он остановил её.
上記から4)や5)の完了体は主観的動作を担い、1)、2)、3)の不完了体は規則的反復を示しているわけで、体の本質と一致していることが分かる。
出題)「爆発の結果爆心から半径500メートルの近くの家屋の窓からガラスが吹っ飛んだ」をロシア語にせよ。
2016年11月19日
2016年11月20日
●和文露訳要覧第133回
出題)「この一味は7人で、1993年5月から1994年1月まで車両強奪と個人へのその売却のためこれらの殺人を行った」をロシア語にせよ。