2005年08月01日

●五露助成金

новые русскиеを新ロシア人と訳してもピンと来ない。一般のロシア人の頭では、これは成金ヤクザとか、いかがわしいビジネスで大金を稼いだヤクザと関係を持つニューリッチのことである。この親玉を庶民は政商(オリガルヒолигархи)と考えている。政商には逮捕されたユーコスのホドルコフスキー、アブラーモヴィチ(チェルシーのオーナー)、ベレゾーフスキー(ロンドンへ亡命)、デリパスカ(アルミニウム王)、ポターニン(ニッケル王)などが現在では挙げられる。これに対抗するのがプーチン率いる強硬派(силовики = министры обороны, внутренних и инстранных дел, по чрезвычайным ситуациям, руководитель федеральной службы безопасности防衛大臣、内務大臣、外務大臣、非常事態相、FSB長官とする見方もある)であるセルゲイ・イワノフ(元防衛大臣)、ヴィクトル・イワノフ(人事担当)、パトゥルーシェフ(FSB長官)、セーチン(大統領府長官)など旧KGB組である。この新ロシア人をそのニュアンス(ゴロツキ)を活かして五露助成金と訳した。偶然だが五郎助(ゴロスケ)にはフクロウという意味もある。露助(ロスケ)というのは日本語では卑語で、ロシア語のルースキー(ロシア人русский)から派生したと思われる。多分私の父のようにソ連の収容所に抑留された日本軍兵士が流行らせた言葉であろう。当たり前だが日本語には英語のジャップのように日本人を侮蔑した言葉はない。ロシア語にもロシア人を侮辱するような言葉はない。(ロシア人をカツァップкацап「ヤギひげ野郎」やモスカーリмоскальと呼ぶのは元々はウクライナ語からである。)公平を期すために述べると、ロシア語では日本人、アメリカ人、ドイツ人、ユダヤ人に対するする卑語はそれぞれヤポーシュカяпошка、アメリカーシュカамерикашка、コルバースニク(ソーセージ野郎)колбасник、ジードжидとなる。
五露助成金は税務署からは睨まれ、6000ccのベンツ600-й мерс (мерин)を乗り回し、身につけるものといえば、赤い背広малиновый (красный) пиджак、携帯電話сотовый телефон、ローレックスの時計с часами «Роллекс»、全身これ金づくめвесь увешанный золотом、両手が扇形(指先が曲がらないほどたくさんの指輪)пальцы веером、指が曲がらないのでハンドル操作用にハンドルに指を入れる穴が開いている в руле дырки для пальцевと言った具合。無知さ加減を笑うと言う意味では軍人の小話に近い。五露助成金はマフィアに限りなく近いと言える。

Posted by SATOH at 13:32 | Comments [0]