2008年08月11日
●新帯研 第32回
去年の2007年10月1日午後4時ごろいつものように中川の土手を1枚歯の高下駄で散歩していたら、魚が2度3度空中に飛んだ。魚が空中にはねるのには、体についた寄生虫を水面に落ちるときのショックで叩き落すのだとか、空中に浮かんでいる間寄生虫が息が苦しくなって(普段水中で生活しているので)、自然と虫が魚の体から離れるのだとか(1秒ぐらいで息苦しくなるほど虫はやわなのだろうか?)、いろいろ説を聞いたことがあるが、ひょっとしたら、魚も楽しんでいるのかもしれない。魚にとって空中にはねるというのは、我々人間が水に潜ると同じことではないか。お互い長くはできないが、普段と違うスリルを体験してそれが病みつきになってしまったのかもしれない。一番のスリルは臨死体験だというから。そんなことを考えた。今回の課題は、
Решение о выделении юридической консультации с преобразованием ее в коллегию адвокатов принимается простым большинством адвокатов.
課題)和訳せよ。(これは小話ではない。単なる露文和訳であるが上級者でないと無理かもしれない)
2008年08月26日
●ロシア人と日本観光案内
「ロシア人と日本観光案内」(ユーラシアブックレット、東洋書店)発売中。もともと、「ロシア語ガイド(通訳案内士)入門」ということで原稿を書いていたが、やはりもっと一般向けのほうがよいとのことで、内容を一般向け(ロシア語ガイド用ではなく)に大幅に変えた。もっとも、もともとガイド試験の受験用参考書ではなく、ロシア語のガイドの業務とロシア人気質について書いたものだった。本書の内容について、参考のために目次を書いておく。
目次
第1章 ロシア人と日本観光
(1) ロシア人気質
(2) ロシア人観光客に対するちょっとしたアドバイス
(3) ロシア人の日本観
(4) ロシア人観光客のよくする質問
宗教、文化、社会、日本人、観光、その他
第2章 観光ロシア語
ショッピング(買い物)、観光案内、交通機関、食べ物、酒、ホテルにて、要望の問い合わせ、花粉症、植物
第3章 観光案内
空港での出迎えや見送り、新幹線での見送り、観光案内
第4章 観光案内のための参考書
第5章 ロシア語ガイドの現状とアドバイス
終わりに代えて
2008年08月28日
●新帯研 第33回
会議通訳やシンポジウムでも同時通訳で対応するより、アナウンサーを使ってスピーチやプレゼンを読ませるという傾向が出てきたとのこと。これはシンポジウムやプレゼンテーションで原稿を棒読みし、質疑応答だけ通訳をさせるというのは80年代のメーカー通訳でもあった。新米の通訳はシンポジウムの報告者に必ず原稿通り読んでくださいと必死のお願いをし、ベテランは原稿通り読むか、原稿から外れるか前以て聞いておき、外れる可能性があるなら、原稿は無視して通訳に徹するといった具合。たちの悪いのは原稿通り読むと言っておきながら、興がのると勝手に脱線するタイプ。ベテランとて原稿をずっと見ているから、どこで脱線するか分からない。こういのははなから原稿なしで通訳したほうがらくだ。ただこの後のシンポジウムやプレゼンテーションの質疑応答の通訳が非常に難しい。素人は原稿は原稿、質疑応答は質疑応答と思うかもしれないが、シンポ(シンポジウムを略してこういう)の演題に通じていないと質疑応答の通訳などできはしない。このような傾向が同時通訳でも起きてきているのなら、これから職業としてのロシア語の通訳で有望なのは観光ガイドだけとなりそうである。今回の課題は、
- Можно ли писать «сталь»?
- Можно. Но лучше «хру-сталь».
設問)オチを説明せよ。訳せるなら訳せ。