2008年08月28日

●新帯研 第33回

会議通訳やシンポジウムでも同時通訳で対応するより、アナウンサーを使ってスピーチやプレゼンを読ませるという傾向が出てきたとのこと。これはシンポジウムやプレゼンテーションで原稿を棒読みし、質疑応答だけ通訳をさせるというのは80年代のメーカー通訳でもあった。新米の通訳はシンポジウムの報告者に必ず原稿通り読んでくださいと必死のお願いをし、ベテランは原稿通り読むか、原稿から外れるか前以て聞いておき、外れる可能性があるなら、原稿は無視して通訳に徹するといった具合。たちの悪いのは原稿通り読むと言っておきながら、興がのると勝手に脱線するタイプ。ベテランとて原稿をずっと見ているから、どこで脱線するか分からない。こういのははなから原稿なしで通訳したほうがらくだ。ただこの後のシンポジウムやプレゼンテーションの質疑応答の通訳が非常に難しい。素人は原稿は原稿、質疑応答は質疑応答と思うかもしれないが、シンポ(シンポジウムを略してこういう)の演題に通じていないと質疑応答の通訳などできはしない。このような傾向が同時通訳でも起きてきているのなら、これから職業としてのロシア語の通訳で有望なのは観光ガイドだけとなりそうである。今回の課題は、
- Можно ли писать «сталь»?
- Можно. Но лучше «хру-сталь».
設問)オチを説明せよ。訳せるなら訳せ。

Posted by SATOH at 2008年08月28日 22:15
コメント

どうもお久しぶりです。
オチがわからずあっと言う間に時間が経ってしまいました。
意味がわからないので、今回は駄洒落バージョンであろうと勝手に決め込んで回答します。

<和訳です>
「スチールと書いてもいいですか」
「いいですよ。もっとも、クリスチール(クリスタル)の方がいいですけどね」

стальは「スチール」で鉄の意味ですね。хрустальは「クリスタルガラス、水晶」の意味がありますが、「空き瓶」という意味もあるようです。
писать 小便をする писатель酔っ払い хер男性器 хрустальクリスタルグラス、水晶、空き瓶 хрустать 音を立ててかむ хрустеть砕ける・割れる、はじける、がりがりいう音を立てる・・・などいくつか意味を調べてはみましたが、どれもうまく結びつきませんでした。
стальの韻を踏んでいるだけで答えにならない答えを返したのではと、答えにならない回答となりました。

苦し紛れのクリスチールです。水晶だけに推奨しているのかと・・・失礼しました。
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考えすぎです。フルシチョフのスターリン批判に絡んだ他愛のない小話です。ただ和訳は難しいでしょう。私のもあまりぱっとしません。私に訳は、「鋼」と書いてもよいか?」
「いいが、〔鋼は廃り(スタリ)、且つ(勝つ)古し(フルシ)〕のほうがよい」
直訳は、「鋼と書いてもよいか?」
「よいが、クリスタルのほうがよい」

Posted by takahashi at 2008年10月10日 21:59

フルシチョフ時代のものだったのですか!
なぜ「сталь」なんだろうと思っていましたが、これですっきりしました。
今回反則を犯してロシア人に聞いてみましたが、「?」でした。私よりも年下の人ですので、ピンと来なくても仕方ないですね。

Posted by takahashi at 2008年10月11日 09:49

皆さん、本当にお久しぶりです。私もこれはわかりませんでした。たぶんстальとхруがあったので、スターリンとフルシチョフかなとは思ったのですが、писатьをどう訳したらいいのかが難しかったです。「話しことば辞典」のなかに、(犯)(ナイフ、剃刀などで)切る、裂くというのがありましたのでこれかなと思いました。後世の人たちがスターリンとフルシチョフの双方を批判したものかと。
「鋼鉄(スターリン)を切ることはできるか?」
「できるがフル(スターリンもフルシチョフも)で切ったほうがいい」
かなと。アネクドートはなかなか奥が深いですね。
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やはり考えすぎのようです。この場合は素直に「書く」という意味以外はないと思います。アネクドートも勉強が進みにつれ、高橋さんもそうですが、裏を考えすぎて、袋小路にはまるということが経験から分かります。それを過ぎると、同じ人間なのだから、それほどややこしいオチのはずがない(私に、俺に分からないオチがあれば、それはそういうアネクドートを作った奴の頭が悪い)というくらい開き直ることができます。まあそうなればそれから先は進歩がないかもしれません。そういえば最近小話を読むこともなくなりましたね。

Posted by メイ at 2008年10月15日 17:36
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