2013年06月10日
●続和文解釈入門第118回
動詞はそれぞれ語義が違うというのは当然のことながら、体の用法によりいくつかの動詞群(例えば『和文露訳入門』の第7章)に分けられるという事が言える。しかし、ここで問題なのは、日常よく使われる動詞について言えば、語義が一つではなくいくつかあり、それぞれ体の用法も違う場合があるということと、またいくつかのシノニムの動詞は語義が同じでも体の用法が違うという可能性もあるということである。Я говорю...という一見現在の時制の文を例にとっても、文脈によっては、反復(繰り返し)、過程、遂行動詞、状態(能力)、結果存続兼評価型動詞、歴史的現在(過去の時制)という用法が考えられる。体の用法を『新訂和文露訳入門』(小見出しの数は216)では86紹介するつもりだが、体の使い分けというのは、一つの動詞にいくつかあるという意味では重層的であり、それが時制や法でも用法が分かれ、さらにいくつかの動詞群に分けられるという意味では平面的であり、これらが錯綜していると言えよう。それゆえ用法をそれぞれ切り離して、あたかも体の用法の原則が86とは言わないまでも、いくつかあるとして、個別に覚えるよりは、なぜそのような個別の用法が生まれたのかその本質を会得し、それを個別の場合(86の用法)に当てはめて検証した方が、有機的に体の使い分けができるようになると思われる。
出題)「このような装置が何台御社ですでに運転しているのですか?」
Сколько уже работает
такого рода
установок у вас
в фирме ?
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正解です。фирмаはв/наの両方とつきますが、наとの結びつきが一般的であり、また装置とあるので、工場や生産現場を加味してнаの方がよいかもしれません。私の答えは、Сколько таких установок вами уже эксплуатируется?
このようにуже + 状態の動詞(ないしは動作の不完了体動詞)は、結果存続兼評価型動詞に変わる。詳しくは次回本文参照。
Сколько таких установок уже работает в Вашей компании?
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正解です。
Сколько таких устройств уже действуют в вашей компании?
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正解ですが、動詞は中性単数とすべきだと思います。
(お題)
このような装置が何台御社で運転しているのですか
(コーシカ訳)
Сколько штук аппарата такого типа действуют в Вашей компании?
現在の状態を指す不完了体です。何台もあるので複数です。
何種類か取り混ぜて稼働中かもしれませんが、
「このような」でひとくくりと考えて「装置」は単数で訳しております。
さて、正解は
あっ、「既に」ужеを訳し忘れておりました。
штукаとтипは余計かな…
установкаとэксплуатироватьсяは全く頭にありませんでした。
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аппаратは機器、装置という意味ですが、実験室の装置でよく使います。詳しくは拙著『女性のための技術ロシア語』を参照ください。штукはよけいです。сколько аппаратовのほうがよいでしょう。