2013年06月17日

●続和文解釈入門第125回

一般的には完了体と不完了体の形式上の違いは、接頭辞、接尾辞がつくとか、語幹の文字が違うとかという、目で分かる区別なのだが、完了体と不完了体が同形である動詞もある。『アネクドートに学ぶロシア語文法』137ページにそれらをいくつか紹介したが、近く(一応6月末)上梓予定の『新訂和文露訳入門』では、私の500以上のコレクションから会話などで使えるものをさらにいくつか紹介したい。また形が同じでも、力点の位置を異にする体のペアがあるので、紹介する。不完了体は最後の音節のаに力点があるので、完了体の力点のみ示す。このコーナーでは力点の表示はできないので、各自辞書を引いてほしい。完了体は基本的に後ろから第ニ音節の母音に力点が来る。вырезатьとвысыпатьは例外で第一音節のыに来る。

врезать(刻みつける)、всыпать(中に撒く)、вырезать(切り出す)、высыпать(粉を移し変える)、дорезать(切り終わる)、досыпать(撒き終わる)、засыпать(塞ぐ)、изрезать(細かく切る、不完了体はизрезыватьが一般的)、надрезать(上に切り込みを入れる)、надсыпать(撒いて高くする)、насыпать(まいていっぱいにする)、отрезать(切り離す)、недосыпать(撒き方が足りない)、перерезать(切断する)、пересыпать(間に撒く)、подрезать(подрезыватьという不完了体もある)、посыпать(撒く)、прирезать(切って止めをさす)、присыпать(撒き足す)、просыпать(粉などがこぼれる)、разрезать(切り分ける)、рассыпать(ばらまく)、срезать(切る)、ссыпать(撒いて入れる)、урезать(切縮める、урезыватьという不完了体もある)、усыпать(粉で覆う)

出題)「間違うことなんてあるの?」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2013年06月17日 06:41
コメント

Вряд ли ты ошибёшься?
---------------------------------
お答えはне ошибёшьсяということですから、Бери - не ошибёшься.(買いな。間違いないから)という感じで、「まさか間違うことがあるのか、あり得ない」という不可能を示していることになります。出題は、そうとも取れますが、現在の時制における経験を示していると考えるのが普通です。「~したことがある」という経験の用法は、現在から過去を振り返ったもので、不完了体過去形を用いますが、出題のような現在を含めた経験には、反復の意味の不完了体現在形か、多回体の現在形を用います。私の答えは、А ты когда-нибудь бываешь не прав?
бывать(現在形) + 形容詞でも経験の意味を出せる。

Posted by ブーチャン at 2013年06月17日 06:57

1)Неужели ошибки делают?
-------------------------------------------
お答えは、不定人称文を使っていますから「(一般的に人は)果たして間違いをするものなのか?」という意味になります。日本語は、主語を省略することが多く、二人称で顕著です。「来てくださってありがとうございます」といえば、主語にはвыを考えるのが普通です。このように一般的に敬語の有無で判断しますが、これを人称の暗示機能と言います。出題の場合はтыが省略されていると考えないと、お答えのように、「人というものは間違いを犯さない」という、哲学的命題となります。本コーナーで扱っているのは、会話で頻出する表現であり、一般的にはどう答えるかということであって、文法的には可能だが、一般的にはそう言わないという表現は扱っていません。

Posted by Anonymous at 2013年06月17日 16:41

Возможно ли, чтобы они ошиблись?
----------------------------------
お答えは、「彼らが間違うのはあり得るか?」ということで、必ずしも、「あり得ない」というのを暗示しているわけではありませんが、完了体を使うと具体的な1回の行為を指しますし、例示的用法に仮定法が使えるのかという疑問も起こります。

Posted by Ml at 2013年06月17日 20:52

Как могут ошибаться?
Как бывает ошибка?
-----------------------------------
二つ目のは多回体を使っているので、発想的にはよいと思います。お答えを訳すと、「どのように(人は)間違うことができるのか?」、「どのように間違いが起こるのか?」ということで、不定人称文ですから、一般的な人が主語となり、こう聞かれても、雲をつかむような話で、答えられる人はほとんどいないと思います。

Posted by ゴ at 2013年06月17日 23:15

(お題)
間違うことなんてあるの
(コーシカ訳)
1) Кто может ошибаться?
2) Где кому ошибаться!

行為の有無(過去においてやったかどうかという意味ではなく)
を尋ねているので不完了体が好いと思います。
可不可に重点があって動詞はついで(?)なので不完了体とも言えそうです。
2)は次回出題文の調べものをしていて偶然見つけたので使ってみます。
さて、正解は
えっ、経験の有無を尋ねる文だったのですか。
どないしたら間違えられんねん!という意味だとばかり…

Posted by コーシカ at 2013年06月18日 21:14
コメントしてください