2016年04月24日
●和文露訳要覧第33回
『和文露訳指南』2-1-8-10項として下記を追加する。
能動形動詞現在にも歴史的現在の用法がある。ポーランドのSF作家スタニスワフ・レムСтанислав Лемの『月夜Лунная ночь』というラジオ用戯曲のト書き(ポーランド語からロシア語への翻訳)に、次のような一節がある。
(ブロップ: お前の手は震えている。気をつけろ。コップを落とすぞ)Бропп. .....Руки у тебя дрожат – смотри, стакан выронишь!
(コップが落ちて、割れる音)Звук падающего и разбивающегося стакана.
(ミルス: 嘘だ!コップを割ったのはお前だ!)Миллс. Неправда! Это ты разбил стакан!
動作は順次的でアオリスト的用法であることが分かる。
出題)「夜毎私はうなされるようになった」をロシア語にせよ。
1.Кошмары начали мучить меня каждую ночь.
2.Кошмарные сна стали пытать меня каждую ночь.
宜しく御願い致します。
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1. は大体いいのですが、каждую ночьについてはそういう歌もあるようですから、使えるのかもしれません。ただ普通はпо ночамでしょう。2. は複数形はсныでしょう。やや擬人的な表現ですね。私の答えは、По ночам меня начали мучить кошмары.
Я стал бредить ночами.
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お答えだと、「僕は夜毎にうわごとをいうようになった」ですから、少し違うと思います。
Стало ночами меня душить кошмарами.うなされ始めた、としてみました。よろしくお願いします。
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主語は何でしょう?悪夢を擬人的に表すなら、主語にすべきですし、無人称文なら、悪夢が造格になるのはおかしいと思います。無人称文で造格で動作主を示すのは、風などの自然現象が普通です。
По ночам кошмар
стал меня давить.
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大体はいいのですが、夜毎にですから、悪夢も複数にすべきだと思います。
Комар стал давить меня каждую ночю.
よろしくお願いします。
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кошмарのタイプミスがあるのと、構文はいいのですが、悪夢が単数だと、同じ悪夢なのかという疑問と、そうなるとкаждуюは使いにくいだろうなという気はします。
Каждую ночь я стал страдать во сне.
Еженощно мне стало сниться страшный сон.
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1. 夢で苦しむのがうなされると等しいかどうかは疑問です。2. 怖い夢は複数にした方がよいと思います。