2016年03月13日
●和文露訳要覧第13回
2016年3月12日発表の内閣府世論調査によれば、親しみを感じる国として断トツのトップは米国で84.4%(前回比1.8%増)、韓国は33%、中国は14.8%、そしてロシアはと言えば17.4%(前回比2.7%減)とある。中国よりはましなのは結構なことだが、マイナス傾向というのがいただけない。ロシアでの日本の人気はアニメやマンガの影響もあってかなり高いというのに、日本では北方領土問題があるからか低い。人見知りするというようなロシア人気質は日本の東北や北海道の人たちの気質に似ているところもあるので、お互いにいったん心を許せば、分かり合える点も多いと思うし、西洋文化一辺倒の日本人にとっても別の視点から物事を見るという点では、ロシア人と知り合うというのは、考え方のバランスを取る上で有意義なはずだ。
出題)「自分の負けを認めた」をロシア語にせよ。
1, 2, 3については主語はонとして作文してみました。
1.Он признал поражение.
2.В своём поражении ему призналось.
3.Он сознался в своём поражении.
4.Своё поражение было признано.
宜しく御願い致します。
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上っ面だけの直訳のような気がします。「負け」の時制はいつでしょう?発話の時点でしょうか、それともだいぶ前でしょうか?私の答えは、Признал себя побеждённым.
解説は次回の本文に載せます。
お願いします。
Созналось себя поражение.
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「負け」の時制を考えるべきです。それと、себяは対格ですから、他動詞が来るはずなのに、ся動詞が来ているのはおかしくありませんか?「負け」が主語(受身、受動態)なら不完了体のはずですし、сознаться в + 前置格という語結合のはずです。
Признал свой
проигрыш.
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「負け」の時制を考えるべきです。
Признал своё поражение.
アオリスト用法でCBとしました。よろしくお願いします。
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結果の存続でしょう。「負け」と名詞を使うと時制が曖昧になります。
Он признал свой проигрыш.
Он согласился со своём поражением.
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「負け」に名詞を使うと、結果の存続なのか、アオリスト的用法なのか聞き手には理解が難しかろうと思います。
申し訳ありませんが、時制を抜きにして {「負け」が主語(受身、受動態)なら不完了体のはずですし }の説明をお願いします。他は理解できたのですが。
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ロシア語は英語と違って、能動文を受動態(受け身)にするときに、完了体と不完了体では用法が異なります。
Мы строим здание.(我々がその建物を建設中である)という文は、動詞が不完了体現在形ですから受動態にすると、
Злание строится нами.となります。しかし不完了体の受動態の主語は無生物となるのが基本です。一方完了体の場合、
Мы построили здание.(我々がその建物を建てた)を受動態にすると、
Здание (было) построено нами.となります。былоがつくと、アオリスト的用法で、つかないと結果の存続の用法となります。分かりやすく言うと、結果の存続では目の前に建物がある感じで、アオリスト的用法では建物が発話の段階で存在するかどうかには話し手が興味がないか、存在しない場合が多いということです。こういう制約があるので、受動態を使いたい場合(特に意味上の主語を示したくない場合)は、完了体、不完了体ともに使える不定人称文を使うのが普通です。
Строят здание.(その建物が建設中)
Построили здание.(その建物は建てられた)
詳しくは、『和文露訳指南』9-4項を参照ください。