2016年03月18日
●和文露訳要覧第14回
「自分の負けを認めた」を会話の文と考えると、「認めた」は結果の存続(現在完了)であり、「負けた」のも発話の時点に負けたのであり、1年前の負けの話をしているわけではないことは明らかである。つまり「負けた」には結果の存続を使えばよいことが分かる。ここで「負け」に名詞を使ってしまうと、必ずしも結果の存続という意味にはならず、アオリスト的用法の可能性も出てきて、曖昧な訳となってしまう。「認めた」には完了体過去形を使うのは容易に理解できよう。となると、一つの文に二つの結果の存続の用法を使うには、並列複文(иなどを用いて動詞を二つつなげる)が頭に浮かぶが、この和文では無理がある。残された手は結果の存続の用法がある被動形動詞過去を使うことである。つまり、Признал себя побеждённым.とすればよい。和文露訳をする際に上っ面だけ直訳するのではなく、時制という観点から文の意味を深く考える癖をつければ、丸暗記するよりははるかに効果的に、応用が効く訳ができるようになる。
出題)「ゲームで重要なことは勝つことではなく、参加することである」をロシア語にせよ。
В играх дело не в том, что их побеждать, а в том, что в них участвовать.
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意味は分かると思いますが、日本語でも「勝つことではなく、参加することに意義がある」などと言いますが、「勝利ではなく、参加に意義がある」とは言わないように、この表現ではロシア語でも動詞ではなく、動名詞を使うのが一般的です。私の答えは、В игре главное не победа, а участие.
Важное дело в играх
заключается не в
победах, а в участиях
в них.
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勝利と参加は普通は複数にはならないようです。多分ゲームに一般性(不定性)を持たせるために、すべて複数で統一されたと思いますが、この場合は単数で統一することにより一般性を持たせています。
それとвが2回続くのが語調の関係で気になります。
В играх важно принимать участие, а не выиграть.
参加は動作の有でнв、勝つは具体的一回でсвとしました。よろしくお願いします。
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これは一般的な話をしているわけで、勝つだけが完了体になるというのは非論理的です。
1.В играх не главной цели одерживать победу, но принимать участие.
2.Не победа, но участие признаётся важной при играх.
宜しく御願い致します。
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1. どうして主目的がその存在を否定しているわけでもないのに生格になるのでしょう?2. 対照する場合は英語と違い、не..., а...のはずです。