2015年11月22日
●和文露訳指南第351回
『和文露訳指南』に項目番号も含め、下記変更を加えた。
6-2-5-1 не мочь/не смочь, нельзяの用法
助動詞мочь(~できる状態にある)は現在の時制で、現在形では、現在における反復、慣用、性質を示し、смочь(できる)の完了体動詞未来形は一瞬後およびそれ以降の未来の具体的な1回の動作の可能性を示す。過去の時制でのそれぞれの用法をまず紹介する。смочьは完了体ゆえに、その過去形はアオリスト的用法(ないしはそこから派生した結果の存続〔うまくすることができた〕の用法が多い)で用いられる。一方мочьの不完了体の過去形は動作の有無の確認の用法であり、できる状態にあったということのみを述べているにすぎず、仮定法過去のような結果存続無効の用法(できたのにしなかった)という意味かもしれず、できたという意味かもしれない。какと共に用いて、不完了体の様態の用法として非難のニュアンスが出ることもある。
(負傷後すぐに怪我をした足で歩け(踏み出せ)ましたか?)Вы могли сразу после травмы наступать на повреждённую ногу? <歩ける状態にあったかという動作の有無の確認>
(私は切符を手に入れることができた)Я смог достать билет. <結果の存続>
(私は切符を手に入れることができる状態にあった)Я мог достать билет. <手に入れなかったのかもしれないし、手に入れることができたのかもしれない>
(どうやってこんな高いところに登って来られたのだい?)Как ты смог подняться на такую высоту? <結果の存続>
(よくも彼は私をだます事ができたものだ!)Как он мог обмануть меня! <動作の有無の確認から派生した、非難の用法>
(どうしてドイツ軍が1941年にモスクワに迫ることができたのか?)Почему немцы смогли вплотную подойти к Москве в 1941 году? <アオリスト的用法>
(1911年秋から学校に通うことができるようになって、1913年春に卒業しました)С осени 1911 года он смог ходить в школу и окончил ее весною 1913 года. <アオリスト的用法由来の大過去(過去完了の継続)>
смочь (суметь) は肯定文よりも否定文で使われることが多い。これに否定が関わると、次のような使い分けが出てくる。不許可や禁止については6-1-5項参照のこと。
(彼は来る状態にはない)Он не может прийти. <+ 完了体動詞不定形の場合は、一回の具体的動作のときで、現在の時点において来るのが不可能な状態にあるということ>
(彼は来られない)Он не сможет прийти. <+ 完了体動詞不定形の場合は、一回の具体的動作のときで、しかも未来の状況語がない時は、一瞬後の現在、ないしはそれ以降の未来の時制において「来る」という動作が不可能だという事>
(毎日学校に辞書をもって来ることはできない。とても重いんだ)Я не могу каждый день брать в школу словарь. Он очень тяжёлый. <今現在持って来れる状態にはない>
(〔これからは〕毎日お前と図書館に通うことはできない)Я не смогу каждый день ходить с тобой в библиотеку.
(彼はどんなバスケットボールの練習にも参加することはできなくなる)Он не будет в состоянии принимать участие в любых баскетбольных тренировках. <бытьの未来形 + 不完了体動詞不定形で、未来の時制の反復や状態の否定を示す>
「計画を立てるのを手伝ってくれ」Помоги мне составить план.
に対して、完了体不定形と不完了体不定形の答えがあり得る。
「今手伝うことはできない」Сейчас я не могу тебе помогать.
「今手伝うことはできない。すぐ出かけないといけないんだ」 Сейчас я не могу помочь: я должен срочно уходить.).
このように経過の意味のある動詞の時は、どちらの体の不定形も可能である。完了体動詞不定形だと新規の情報を伝える完了体の用法であることが分かる。しかもこの場合その後にуходитьと切迫性の不完了体動詞不定形が来ている。
(彼は来ないかもしれない)Он может не прийти. <否定の可能性>
(彼は来なくてよい、彼は来る必要がない)Он может не приходить. <不必要>
出題)「彼は着るものに無頓着だ」をロシア語にせよ。
Он равнодушен по одежде.
結果の現存でсв短語尾形としました。よろしくお願いします。
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前置詞はкでしょう。私の答えは、Он не заботится (думает) о том, как он одет.
これは「気にしない」の訳にも使える。
Его не интересует одежда.
Он равнодушен к одежде.
解説大変ためになりました。
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お答えは、服装全般に無関心だということであって、自分の着るものにということにはならないと思います。
1.Надевание никак не интересует его.
2.Он совсем не обращает внимания на свои одежды.
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1.は着せることですから、出題とは違います。2.のодеждаは単数で用います。
(1) Он равнодушен к
одежде.
(2) Он относится
к одежде равнодушно.
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お答えは服装全般に興味がないですから、少し違うと思います。