2015年09月17日
●和文露訳指南第318回
彼女は自分の名さえ知らないのか、小さい時から忘れてしまったのだろう
「母親はいるのかい?」と私は続けた
「母親って?どんな母親のこと?」
「普通にいる母親だよ」
「どぶねずみ」は私をじっと、すごく怪訝そうに見つめた。これまで彼女にこんなことを聞いた人はほとんどいないので、彼女にはこの当たり前の質問がとんでもない、奇妙なものに思われた。
「いるかもしれないし。さあね。聞いたこともないわ」と少しためらって、考え込むようにこう言った。
出題)「見つけた人には褒美が出る」をロシア語にせよ。
Будут давать награду кому, то нашёл это.
宜しく御願い致します。
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даватьは過程(進行形)を示せず、反復の意味しかありません。つまりご回答は、それを1回具体的に見つけたことに対して、未来の時制において何度も褒美が出るという風に解釈されるので、間違いです。ただもらうというところに不完了体未来形をもってくるのは、体の用法の本質を文法的に理解されているのか、それともなんとなくそういう感覚を身につけているのか分かりませんが、結構なことだと思います。私の答えは、Нашедшего ждёт вознаграждение.
Наградят того, кто
найдет.
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順次的用法ですが、通常は一番目の動詞が、最初の動作、次の動詞が次の動作ですが、意味的には逆となるのと、見つかってから、褒美をもらうのが間をおかずにという風に、感じるので、そこのところがどうかなと思います。
Найдёшь,получишь премию.
偶発的反復でсвとしました。よろしくお願いします。
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カンマの後にиを入れたほうがよいと思います。見つけるとすぐ褒美がもらえるという、順次的用法なので動作に時間的余裕がないような気がするのが難点です。
Тем, кто нашёл, дадут награду.
例示でсовにしました。
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見つけた人を複数に置くよりは、単数にした方が自然だと思います。連れ立った二人(それ以上の人が)同時に発見するというのは、確率的にほぼあり得ないと思います。これも完了体が続きますが、発見するのが先の動作であることは、完了体過去形を用いているので、一目了然です。ただдадутと完了体がきているので、この動作が間を置かない動作となって不自然です。例示的用法ではあるのですが、完了体が二つ続けば、順次的ニュアンスが出て、動作がポンポンと続けて行われるというニュアンスを覚えてほしいものです。
Кто найдет, того вознаградят.
よろしくお願いします。
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順次的用法ですが、動作がどの順で行われたかが明確なように、倒置にしているのはいいのですが、もらう動作に時間的な間隔がないように思います。