2015年08月19日
●和文露訳指南第289回
過去の時制を例にとると、「イワノフ氏が来ました」という意味は、文脈によって「来ている(たった今来た)」、「(1週間前に)来た」、「来ていた(来たことは来たが、今はいるかどうかは分からないし、いない可能性が強い)」という解釈が可能である。これを和訳すると、それぞれ次のようになる。приехать(乗り物で到着する)、прийти(歩いて到着する)
(イワノフ氏は来ている)Господин Иванов приехал (пришёл). <結果の存続>
(イワノフ氏は1週間前に来た)Гсоподин Иванов приехал (пришёл) неделю назад. <アオリスト的用法で、イワノフ氏はいるかもしれないし、いないかもしれない。неделю назадは対格補語の時間的副詞的用法>
(イワノフ氏は来ていた)Господин Иванов приезжал (приходил). <結果の無効で、いつ来たのかが不明確>
完了体と不完了体の使い分けは、動作が時間的に不動の(固定した)一点(「たった今」と「1週間前」)で起こったことが明確であれば完了体を、そうでなければ不完了体を使うと理解すべきである。そうでないと最初の文と二番目の文の説明がつかない。このように不完了体は時間的補語との相性が悪い。時間的補語と一緒に不完了体が使われるとすれば、動作の一点ではなく、期間である。
出題)「(その件は)公訴時効となった」をロシア語にせよ。
Привлечение этого
дела к суду потеряло
силу по причине
давности.
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直訳っぽい感じがします。時効のゆえにではなく、時効が経過したためです。私の答えは、Уголовное преследование прекратили за истечением сроков давности.
Давность иска истекла.
結果の現存でсвとしました。よろしくお願いします。
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お答えは訴訟の時効が経過したということですが、公訴時効というのは犯罪行為が時効のために起訴が許されなくなることですし、公訴というのは刑事に関する訴訟であり、民事ではありません。そこのところを明確にすべきです。
Истекла исковая давность.
よろしくお願いします。
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やまさんと同じような答えですね。
Истёк срок аппеляции (этого случая).
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控訴ならапелляцияですが、控訴というのは、第一審の判決を不服としての訴訟手続きですから、違います。裁判で扱う事件という意味ならделоを使うべきです。