2015年08月18日
●和文露訳指南第288回
露文和訳が辞書の助けを得て出来るとしても、和文露訳は和露辞典だけでは作れないというのは初級者や中級者にもご理解いただけるだろう。ここでいう初級者というのは、少なくともロシア文字が読めて、初級文法を漫然とでも勉強したことがあり、文法のガイドブックが手元にあるような人を指す。このような初級者でも和文露訳の勉強を始めるのは早い方がよいと思う。ロシア語を学ぶだれしもがロシア人との会話を夢見ているだろうからである。会話の勉強イコール和文露訳だからだ。会話の勉強は決まり文句の丸暗記では成り立たない。理屈を覚えた方が、上達は早いし、応用もできる。そのような初級者のために和文露訳(会話でも作文でも)のコツを書いて見よう。
和文露訳で和露辞典が役に立たないのは、語彙を並べるだけではロシア語の文にならないからである。一番難しいのは動詞であり、完了体と不完了体のどちらを使うべきかでつまづく。ロシア人に聞いても、正しいロシア文は教えてくれるだろうが、なぜこの体を使うべきかについて満足のいく説明は聞けないだろう。
体の使い分けで一番重要なのは、過去、現在、未来という3つの時制と、命令法と不定法2つの法に留意することである。日本語もロシア語もこれら5つの要素に完全に準拠しているわけではない。概ね一致しているとはいえ、時制の転用や法の転用もある。しかも二つの言語はこの5つの要素がシンクロしているわけではない。つまりロシア語の過去が日本語では必ずしも過去で表現されるわけではないということである。また日本語は、「僕は毎日学校に行く」と「僕は明日学校に行く」のように、動詞の現在形と未来形が同じなので、時制の判断は文脈や補語によるということもある。
出題)「その省は製品納入業者間でオークションを行うはずだった」をロシア語にせよ。
Данное министерство
должно было
провести аукцион
среди поставщиков
изделий.
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正解ですが、会話でданное(当該の)は使わないと思います。私の答えは、Министерство должно было провести аукцион среди поставщиков продукции.
Предполагалось, что это министерство проведет тендер среди поставщиков товаров.
よろしくお願いします。
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する予定だったとありますから、間違いではないと思います。
Министерство предполагало провести конкурсные торги между поставщиками.
実際には予定通り行っていないと思われるのでнвとしました。行うは具体的一回でсв。よろしくお願いします。
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間違いではないと思いますが、должноを使ったほうが自然だと思います。
Ведомство планировало провести аукцион для поставщиков продукции.
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ведомствоは複数で用いることが多く、官庁と訳し、министерства и ведомстваで省庁となります。