2015年02月15日

●和文露訳指南第187回

参考書というのは読むだけではなく、その後も利用できるように、内容に感心したり、疑問に思ったところには下線を引くなりして、後ろのページの余白にそのページ番号を書いておくようにすれば、あとで気になった時に、再度チェックできるから便利である。このようにして市販の参考書を自分なりにアレンジして、容易に検索可能な自分だけの学習辞書を作るとよい。そうすれば無理に暗記することなく、どこを探せば答えが見つかりそうかということで、そのような学習辞書をできるかで多く作ってしまえよいことになる。

出題)「画像をもっと鮮明にしようとした」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2015年02月15日 06:45
コメント

Попробовал сделать изображение более ярким.
アオリスト用法でсвとしました。よろしくお願いします。
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お答えだと、明度とか輝度のような気がします。私の答えは、Попробовал сделать изображение резче.
くっきりということでもあります。

Posted by やま at 2015年02月15日 08:48

投稿済みの回答を下記の通り訂正します。

Я попробовал сделать
изображения более
чёткими.
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正解と言えば正解です。изображениеというのは確かに複数にもなるのですが、画面の中の画像という意味では単数が普通だと思います。つまりその瞬間の画像を鮮明度を上げるということだからです。

Posted by ブーチャン at 2015年02月15日 09:28

Я пыталась сделать изображение более ясным.
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不完了体過去形は、「何度も試みた」とか「試みたことがある」という意味ですから、違います。

Posted by eri at 2015年02月15日 11:36

Я попытался сделать картинку более ясной.
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картинаは絵や光景であって、画像ではありません。

Posted by Anonymous at 2015年02月15日 20:03

Пытался сделать изображение более чётким.
пытался : 動作の継続・反復
сделать : 具体的な一回の動作遂行
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пытатьсяには継続の意味はないと思います。反復の意味でも、動作の一括化は不完了体にはないので、間をおいて反復したという風になってしまうような気がします。『和文露訳指南』6-1-3-1項を参照ください。

Posted by チジクピジク at 2015年02月15日 20:11

Я попытался сделать изображение более чётким.
しようとしたというとき、いつも考えます。совにしました。
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正解です。

Posted by ゴ at 2015年02月15日 23:20

(お題)
画像をもっと鮮明にしようとした
(コーシカ訳)
Я пытал(а) делать изображение более ясным.

過去における複数回の動作であるため、不完了体過去です。
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具体的な動作という観点がすっぽりと抜け落ちているような気がします。それとпытатьсяでしょう。

Posted by コーシカ at 2015年02月16日 02:38

Я пытался сделать изображение четче.
「が、うまくいかなかった」と続くと考え、結果存続の否定の不完了体を選びました。
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考えすぎのような気がします。おかげで結果存続無効について新しい知見を得ることができました。ありがとうございます。結果存続無効というのはどの不完了体過去形にあるものではなく、文脈にもよりますが、『和文露訳指南』2-1-3項の動詞群は完了体過去形において結果の存続のニュアンスが強いもので、不完了体過去形ではその対比として、結果存続無効の用法になりやすいと言えると思います。

Он пришёл.(彼は来ている)<文脈によってアオリスト的用法の場合もありましょうが、その可能性はどちらかというと低いでしょう>
Он приезжал.(彼は来ていた) <文脈によって反復の可能性もありますが、その可能性は低いでしょう>

ところがアオリスト的用法だけで、結果の存続にならないというか、成りにくい動詞群(『和文露訳指南』7-2項など)あるのではないかというのが、私の考えです。попытатьсяの過去形は結果の存続というよりは、アオリスト的用法のニュアンスが強いと思います。

 Лидия Михайловна вдруг засмеялась и попыталась меня обнять, но я отстанился от неё.(リーヂヤ・ミハーイロヴナは突然笑い出して、僕に抱きつこうとしたが、僕は彼女を避けた)

つまり完了体過去形が結果存続無効を示しているわけです。попробоватьやпопытатьсяは最新版アカデミー露露でも完了体とは別個に同じような語義で辞書に載っており、完了体と不完了体を分けて露露辞典に載せるということは、体の用法の違いを示す例文を提示したいと考えたからかもしれません。そうなるとこれらの動詞はпонадеятьсяと同じく、結果の存続ではなく、アオリスト的用法が強く出る動詞群かもしれません。これについては第190回本文に書きます。

Posted by 智 at 2015年02月16日 03:48

完了体過去形が結果の存続を意味しにくい動詞群があるとのこと、勉強になります。

和文露訳指南7−2に記載の不完了体動詞の使用頻度が高い動詞群として記載されている動詞には、①その意味上結果の存続が形成されづらいというのが自然と考えられる動詞と、②意味上は完了体過去形が結果の存続が形成されてもおかしくないのでは、と考えられる動詞があると思いました。①としては、пожелать, подумать, позвонить, поздороваться, пообещать, попробовать, попросить, попрощаться, попытаться, порекомендовать, посоветоваться, постараться, поцеловатьがあり、これらは動作を遂行したからといって何かしらの結果が残るかというとそうではないと思います。②としてはподарить(もらった側に贈呈品が残るという結果)、познакомиться(結果として知り合いになる)、помешать(結果として誰かが何かを成し遂げられなかった)、потерять(結果として今は持っていない)が挙げられると考えます。

ところで、「不完了体動詞の使用頻度が高い」という説明には目から鱗がおりました。ロシアの乗合タクシーで、運転手が乗客が停車を依頼していた場所で止まらずに通り過ぎてしまう場面に何度か遭遇したことがあるのですが、そうした場合の乗客から運転手への抗議として、ある人は Я же просила! と言い、別の人は Я же попросила! と言っていたので、一体どっちが正しいのだろうとずっと不思議に思っていたのですが、7−2の説明を読み、すっきりしました。
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結果存続無効の用法については、自分の研究が緒に就いたばかりなので、まだら状態のようなもので、理論的に完成したものではありません。動詞にもよるでしょうし、文脈にもよるでしょうが、結果の存続と対比する用法なので、不完了体が状態の動詞とか遂行動詞で使うもの(不完了体の用法が主であるような動詞)は、完了体は結果の存続にはなりにくいのではなかろうかというのが今のところの私の考えです。智さんのような方が、この用法も含め、体の使い分け、もっと簡単な使いわけについて研究を進められることを望みます。

Posted by 智 at 2015年02月21日 07:42

Я же попросила.は結果存続無効の用法になり、一回性の強調が若干感じられるぐらいで、Я же просила.とほとんど違いはないと考えてよろしいでしょうか?
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智さんのご提示の文ですが、自分だったらя же просилを使うのだろうと思います。я же попросилが使えるかどうかは、自分の持っている語彙集にはアオリスト的用法しかなく、結果存続無効の用法はありません。露文を読むときに頭に入れておきますが、я попросил жеとすれば、さっき頼んだのにという、近接過去のような感じが出せるような気もします。今後の研究課題です。
я же попросилが結果の存続であっても、「頼んだ」という行為の結果は残っており、ただそれが無視されたというだけですから、結果の存続でもよいのかもしれません。

Posted by チジクピジク at 2015年02月26日 02:32
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