2015年02月14日
●和文露訳指南第186回
露文解釈だけならともかく、会話ということになれば、ビジネスロシア語や観光ロシア語においても、単に語彙やその説明をするのではなく、それ以前に文の正しい理解のために、動詞の体の正しい理解が不可欠である。そうでないと、損得に響くことが多々あり得る。語彙であれば、どういう風にネットで語彙を収集するのか、正しい語彙のチェックの仕方を教えるだけ十分だと思う。
出題)「湖面に輪が広がった」をロシア語にせよ。
Круг распространился
по поверхности озера.
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波紋が単数というのはあり得ないと思います。私の答えは、По поверхности озера пошли круги.
пойти = начать растиということで、идтиにはこのような開始の意味はない。
На поверхности озера кольца ряби расширились.
水の上の波紋は一つではないので複数にしました。アオリスト的用法でсвとしました。よろしくお願いします。
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на + 前置格というのは、処格といって、その場所にあることを示しますが、運動の方向を示すのはпо + 与格です。波紋についてはご理解の通りですが、кольцоとは言わないでしょう。
На поверхности озера радиально расширялись волны.
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на + 前置格についてはやまさんと同じです。波と波紋は違います。
На поверхности озера распространились круги.
結果の存続かアオリスト的用法
定型語順(状況語 + 述語 + 主語)
рябьはさざなみ(円形でない波紋)
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по + 与格です。
立て続けに失礼します。
投稿後に波紋が広がった後は何も残らないから結果の存続にはならないのではと一寸考えましたが、波紋の後に水面の揺れが残っていれば結果の存続にもなり得ると思いました。また、波紋が幾重にも広がっていれば動作の一括化でも理解できるのではと思いました。
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始発の意味のアオリス的用法と考えれば問題ないと思います。
(お題)
湖面に輪が広がった
(コーシカ訳)
По поверхности озера распространились кольца.
アオリストの完了体過去です。
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кольцаとはあまり言わないでしょう。指環、煙の輪というのはありますが。
На поверхности озера образовался круг.
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表面上の動きはпо + 与格で示すということと、кругиです。образоватьсяは完了体・不完了体同形の動詞ですが、過去形では完了体のみです。もっと正確に言うと、現在の時制で不完了体としても使えるということです。
По озеру на воде круги росли.
несовです。(大きくなってすぐ消えるから…)
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на водеはよけいです。広がっていったなら不完了体ですが、「大きくなってすぐ消える」という動作の一括化と考えれば完了体ですし、広がったは開始と考える方が普通でしょう。
По поверхности озера пробежали круги.
添削公開に投稿が間に合いませんでしたが、пробежалиでもいけますでしょうか。
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пробежатьはある距離走り抜けるわけですが、この場合は動作の始発を考えて、побежалиなら可能だと思います。