2015年02月13日
●和文露訳指南第185回
пить воду(水を飲む)は対格で、попить воды(水を少し飲む)やвыпить воды(水を飲み干す)にはなぜ部分生格が来るのか考えてみた。部分生格の場合は動作にも、水にもその水ということでは限定性がある。対格の場合は動作にも、水にも限定性がない。そこが違うのではなかろうか?выпить стакан воды(コップ1杯の水を飲み干す)という例でも水が限定されている。
出題)「船体を緑の塗料で2度塗りして下さい」をロシア語にせよ。
Окрасьте корпус судна зелёной краской два раза.
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正解です。私の答えは、Покрасьте корпус судна зелёной краской в два слоя.
命令法にも動作の一括化がある。
Окрасите корпуса
судна два раза краской зеленого цвета.
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окрасьтеのタイプミスがあります。
Покрасьте дважды пароход зелёной краской.
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параходというのは蒸気船であり、船体(専門用語では船殻ともいう)というのは、корпус судна, судовой корпусと言いますが、別段覚える必要もない単語ですから、気にしないでください。ただ、現代では汽船というのは、теплоход(ディーゼルエンジンで動く)が普通です。出題の狙いは動作の一括化であり、それは正解です。
同志スターリン、なんで緑なんですか
(お題)
船体を緑の塗料で2度塗りして下さい
(コーシカ訳)
Выкрасите корпус зеленой краской два раза.
намазьтеでも可と考えます。
・具体的な内容である
・完遂
に注目し、完了体命令を選びました。
複数回の作業を求める内容ではありますが、
ことわざСемь раз отмерь - один раз отрежь.(7度測って1度で断て)
も完了体命令であるため、許容され得ると判断しました。
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惜しいですね。выкрасьтеです。ただ二人称単数の命令形は、выкрась, выкрасиの二つが許容されると最新アカデミー版の露露には書いてあります。намазать хлеб маслом(パンにバターを塗る)とか、いくらやキャビアを塗るという意味ではいいのですが、この動詞は俗語で口紅を「塗ったくる」(неумело, безвкусно красить губы, щёки; небрежно, плохо рисовать)という意味があるので、塗装するという場合にも変なニュアンスが出るので、使わない方がよいと思います。
スターリンと緑色に塗るに関しては、たいしてオチの面白くない小話がありましたね。
Окрасьте борт корабля зелёной краской, и после сушки ещё раз окрасьте, пожалуйста.
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бортというのは船べりであって、船体の一部です。二度同じ動詞を使うというのも問題です。корабльは大型船か、宇宙船に用い、一般的に船舶、船というのであればсудноが普通です。
1) Окрасьте корпус судна зелёной краской на два слоя.
2) Покрасьте корпус судна зелёной краской в два слоя.
要請
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2)が正解です。動作の一括化でしょう。
Покрасьте корпус судна два раза зелёной краской.
よろしくお願いします。
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正解です。
Покрасьте корпус корабля два раза зелёной краской.
新規の動作なのでCBとしました。プラモデルか何かの説明書きだとすると、Красить корпус корабля два раза зелёной краской.となるのでしょうか。
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正解なのですが、語順でдва разаを後にする方がよいと思います。つまりこれがレーマだからです。プラモデルの説明書でも、例示的用法ということで完了体命令形になります。これは塗るのは、作り手にとっては1回の具体的な動作だからです。プラモデルは確かに何個も、何万個も作られているでしょうが、買い手は普通は一人で、一つのプラモデルを買うわけで、何度も定期的に緑色に塗るということはないはずだからです。体の用法を考えるときには、話し手や聞き手の視点(視座)ということが重要で、取扱説明書では具体的な一人を相手にしているわけで、プラモデルのメーカーの製造者としての視点ではありません。
1)は「女性のための技術ロシア語」のокрасить краской на 2 слоя (на 2 раза)を参考しました。この場合のнаとвの使い分けを教えていただけませんでしょうか?
また、状況語の2 разаとв 2 разаの違いは後者は за 2 разаと同義で期間や順次性(1回目の次に2回目)を表すという理解でよろしいでしょうか?
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すみません。おっしゃるようにнаもвもあり得ますが、ニュアンスは違います。на + 対格はだけという差を示し、2層という回数を、в + 対格は2層という塗料の大きさを示していることになります。この他にも差は名詞によりますが造格でも示すことが可能です。
покрыть тремя слоями краски(塗料を三回塗る)
Он живёт этажом выше.(彼は1階上に住んでいる)
окрасить краской (на) два разаという表現もあります。
за разについてはраз за разом(次々と)を除き、そのような語結合は知りません。
в два раза と前置詞のないдва разаは、Словарь трудностей русского языка, Русский язык, 1981によれば、意味に差異はないということです。
立て続けに失礼します。
в (за) 2 разаは期間や順次性を表す前提で話し手がそれらを強調したいなら、動作の一括化にはならず、Красьте корпус судна зелёной краской в (за) 2 раза.で動作の様態になるという理解でよろしいでしょうか?
また、和文露訳指南の動作の一括化の項にЛак положен в десять слоёв.という例文がありました。
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塗装するということがすでに前の文脈で明らかであれば、不完了体命令形の促し、動作の様態となります。за два разаという用例は知りません。10回塗るのを一括動作(いっぺんに10回塗る)とみなしていることになります。