2015年02月10日
●和文露訳指南第182回
投稿者の中には答えに加えて用法(例示的用法とか遂行動詞)とか書いて来られる方がいる。答えの文を見ればどういうつもりで書いているか大体分かるので、個人的にはどちらでも構わないのだが、こういう理屈を書くことで、仮に正解だったとしても偶然ではないという、どうしてこの体を選んだのかということで、偶然性の排除にもなるし、間違っても、具体的な反省の材料になる。他の投稿者や閲覧者にとっても、このような理屈付けは、他の人の考えを知る上で、大いに参考になると思う。投稿者は自分のロシア語の向上だけを考えて投稿すればよいが、それがかえって、私も含めて他の投稿者や閲覧者を大いに資することになっている。
出題)「この箱は彼にとって机代わりだ」をロシア語にせよ。
Эта коробка для него
служит столом.
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拙著『るいごプラス!』に書いたように、коробкаというのは、ギヤボックスкоробка скоростейを除けば、普通は蓋付きのカートン、木、ブリキ製の小箱を指しますから、通常は木箱(梱包用、ゴミ箱など)を指すящикのほうがよいような気がします。語結合的にслужит емуとなります。ものの場合はдля чегоも可能です。私の答えは、Этот ящик служит ему вместо стола.
Этот ящик ему вместо стола.
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「彼には机代わりのこの箱」という名詞文ですね。Этотではなく、Этоとするか、служит емуとすれば出題のような文になります。
Этот ящик ему служит столом.
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正解です。
Эта коробка заменяет ему стол.
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正解です。個人的にはящикのほうがよいとは思います。
Этот ящик заменяет ему стол.
よろしくお願いします。
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正解です。
Он пользуется ящкой в качестве стойки.
習慣なのでнвとしました。よろしくお願いします。
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ящикомのスペルミスがあります。стойкаというのは作業用の細長い台とか棚みたいなものですが、こういう特殊な単語を使う必要はないと思います。
Этот ящик служит ему письменным столом.
「~と同じ」のとき、чтоとкакをどう使い分けますか。
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正解です。「~と同じ」ならто же, что (и)でしょうし、「同じような」なら、такой же ...., какでしょう。
うちでも箱や折りたたみ椅子を机代わりにパソコンを置いたりしてます。
(お題)
この箱は彼にとって机代わりだ
(コーシカ訳)
Этот ящик служит ему столом.
状態、性質?の不完了体現在です。
箱もサイズや性質ごとに色んな言い方があったはずやけど…
配電盤は独特な言い方がありますね(5年生向けのОБЖ=生活上の安全の基礎の教科書の感電対策のくだりで見た覚えがあります)。
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正解です。配電盤はраспредельтельный щит (распредщит)です。
Этот ящик заменяет ему стол.
過去から現在に至る継続
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正解です。そういう理解も可能ですが、毎日使っているとすれば反復でしょう。
Этот ящик ему (есть) вместо стола.
上記の文のестьを省略したのですが、この場合省略すると名詞文になってしまうのでしょうか。
作文の際、下記の過去形の例文を参考にしました。
Она мне была вместо матери.
初歩的な質問で申し訳ありません。
よろしくお願いいたします。
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こういうのは初歩的な質問とは思えません。былаやбудетのような繋辞(連辞связка)が明確に表に出ていれば、問題はないですし、онаのような人称代名詞であれば、бытьの現在形のように繋辞が見えなくとも、вместо 以下が修飾するとは考えないので、問題はないと思いますが、出題のように「この箱」だと、修飾すると考えることも可能です。唯一解決策はダッシュを入れるかどうかですが、会話ではダッシュのところに間を置くことですが、聞き取れない可能性が大きいと思います。聞き手に正しく理解してもらうというのが通訳(ないしは志望者)のみならず、外国人同士の意思疎通では最も大切なことだと思いますので、私の指摘したようになさった方がよいと思います。実際の会話は一回勝負のような学校の試験と違い、正しく理解してもらうことが重要なので、通じていそうもなければ、言い換えをしたり、手振り身振りを交え、あるいは図を書いたりしても、何としても理解してもらうというのが普通だと思います。