2015年02月05日
●和文露訳指南第177回
『和文露訳指南』7-3項の出だしを下記のように改めた。
7-3 状態「~である」(不完了体)と状態の発生時点「~となる」(完了体)を示す動詞群(казаться/показатьсяのグループ)
この動詞群は完全な体のペアとは呼べず、明らかに語義に相違があり、それはБыло трудно.(困難だった)とСтало трудно.(困難になった)の意味の対立に例えられる。このグループの完了体は状態の発生時点の意味をもたらす接頭辞をつけることで、状態を意味する不完了体から派生したと言える。このグループの完了体過去は容易にアオリスト的用法(〔そのときは〕その気になった)を意味し、状態を示す不完了体と対立する。なぜなら結果の存続については不完了体現在形がカバーするからである。ただ文脈によって完了体過去形はアオリスト的用法から派生して、動作の結果の存続ではなく、感覚の記憶が残っているという、いわゆる結果存続無効の用になる場合もある。3-1-6項の状態の動詞も参照願う。
(思いがけなく叩く音が聞こえた)Неожиданно послышался стук. <アオリスト的用法>
(ひょっとしたら、それはすべて俺の空耳か)Может быть, мне всё это просто послышалось. <結果存続無効>
出題)「発作が起こると意識を失う方ですか?」をロシア語にせよ。
В случае
возникновения
припадка, вы склонны
к потери сознания.
------------------------------------
正解ですが、при припадкеぐらいでよいと思いますし、カンマは不要でしょう。私の答えは、У вас бывают (бывает) приступы (припадок) с потерей сознания?
По припадкам вы теряете сознание?
規則的反復でнвとしました。よろしくお願いします。
------------------------------
по припадкамだと発作に関してはとなりますので、~の場合というような前置詞結合にした方がよいと思います。
Когда с вами случится приступ, вы потеряете сознание?
偶発的例示(ちょっと違う?)でсовにしました。
-----------------------------------------
偶発的反復というのは、発作が起こるか、起こらないか分からないというものです。このように患者に素因があるものは性質ですから、起こるという前提での頻度の話です。つまり規則的反復を使う必要があります。
При приступах, вы склонны падать в обморок?
性質
----------------------------------
正解ですが、カンマは不要です。обморок = внезапная кратковременная потеря сознания, вызванная болезненным состоянием или сильным нервным потрясениемですから、期間的に短期間の場合ということになります。
辞書を片付けてしまうと作文が大変…
(お題)
発作が起こると意識を失う方ですか
(コーシカ訳)
1) Лишитесь ли Вы сознания, когда у Вас возникнет приступ?
2) Потеряете ли Вы сознание, если у Вас возникнет приступ?
3) Вас оставит сознание, когда Вы пострадаете приступом?
偶発的反復で完了体未来が続くと考えます。
意識を失うを3通り見つけたので練習のため三つ巴で投稿してみます。
--------------------------------------
体質についてのことなので規則的反復を使うべきです。
Придет припадок и потеряет он сознание?
例示的用法の疑問文は可能なのでしょうか。
-----------------------------------
出題は性質を示しているわけで、意識を失うことがあるかどうかという動作の有無の確認をしていることになるので、不完了体を用いるべきです。例示的用法の疑問文は可能かという質問については、и да и нетです。形式的には下記のように可能です。
Как ты думаешь, где в это время года достанешь цветы? (= Где можно достать цветы?)
Кто поможет? - Никто.
お分かりのように、これは反語法であり、否定の強調という意味の完了体未来形となります。疑問文というのは、単に動作の有無の確認をするのであれば、不完了体が来ますし、完了体過去形であれば、なんらかの主観的要素の入った文となります。
Вы ему позвонили? <電話することを期待していたというニュアンスで、これが主観的要素となる>
Вы ему зврнили? <動作の有無の確認>
完了体未来形で例示的用法を疑問文にすると、当然主観が入ってくるわけで、単なる疑問というよりは、すでに話し手の何らかの結論が出た反語法と成らざるを得ないと思います。つまり虚心坦懐な疑問は動作の有無の確認ということで不完了体の領域ということになります。
お答えありがとうございました。
疑問文ですとかなり限定されてくるようですね。例示的用法の文章の作り方に慣れてきたかと思いきや、どういうときに使うかという判断は未だに難しいです。