2015年01月01日

●和文露訳指南第142回

С Новым Годом! 明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。

例示的用法(偶発的反復)に四苦八苦なさっている方が多いようだ。Если что, всегда я вам помогу.(何かあれば、いつでもお助け申し上げます)という文は、例示的用法ということはよく理解できなかったが、40年くらい前に丸暗記した。そのときにвсегдаが可能なら、частоやиногдаも可能なはずだと頭の隅で考えたが、いい例文にもめぐり合わずそれっきりだった。いい例文というのは、一流のロシア人文学者の文で、それを一流の編集者がチェックしたもの、ないしはロシア人のロシア語学者の引用する例文という意味で、一般のロシア人が作るものではない。我々普通の日本人の発話がそのまま日本語の教科書の例文(特に文法の解説で使うような文)とはならないと同じ理屈である。つまり(何かあれば、いつでもお助け申し上げます)なら正しいロシア語に訳せるというだけだったのである。このように理屈が分からなくても丸暗記はできるし、理屈を考えない方が悩まず、ストレスもないから丸暗記しやすいとは言える。

 ところが数年前にчасто、иногда、бываетを含む偶発的反復のいい文に出遭ったのである。それまではこういう頻度の副詞と組み合わさる動詞は不完了体だと思っていたので、大きな衝撃だった。しかしこういう不完了体を用いる規則的反復と完了体を用いる偶発的反復(名称は私のつけたもので、正式のものがあればいつでも替える)との区別をどうするかについてこの3~4年じっくり考え、『和文露訳指南』にまとめたものだが、投稿者の答えを見ると、私の説明では不十分であることが分かる。それで、再度別の角度からアプローチしたものを、それぞれの投稿者にコメントとして出したり、第135回の本文に書いたりした。これが私の言うフィードバックである。つまり投稿者のみなさんのおかげで自分の説明が不十分であることが分かるわけで、独りよがりの説明から脱するチャンスをいただいたことになる。機会があれば『和文露訳指南(改)』に書き加えたいが、出せるかどうか分からないので、ご興味ある方は自分なりにまとめてみたらよいと思う。分からなければ、具体的に質問願う。質問が具体的であればある程、答えもより適切なものになると思う。

 いずれにせよчасто、иногда、бываетが来ても完了体未来形が来る場合があるということを理解されればよい。このコーナーで出題している例示的用法、遂行動詞、歴史的現在も用語の名称はいかめしいが、日本語の日常会話やテレビドラマでよく使われるものばかりである。ただ日常会話表現というのは一般的に文法的に説明するのが難しいものが多いと言える。『和文露訳指南』の目次や例文にあるものは、すべて内容的に普段の会話でよく使われるものであり、隠語や俗語も避けている。しかしこれらの用法が目新しく感じるのは、学校でも参考書でも教えることがほとんどないか、少なくとも表立っては教えていないということになる。他のロシア語の参考書や学校で遂行動詞や例示的用法を教えているというなら教えてほしい。通訳やガイドの参考書などでも語彙の解説ばかりで、このような語用論(動詞の体、単数複数の使い分け)などを教えているものはほとんどないと言える。あっても露文解釈の立場からで、私のように和文露訳の観点からではないので、実際にこのコーナーのような出題に出会うと戸惑うのである。疑問に思えば、その回答を得ようと人は努力する。その疑問のきっかけにでもなればと願っている。偶発的反復(例示的用法)については投稿者のほとんどの方が正解となるまでは、ちょくちょく出していきたいと思っている。例示的用法というのは学習者にとって分かりにくいと思う。プロの通訳やガイドの中にはロシア人のようにこの例示的用法を自在に操れる人もいるが、規則的反復とどうやって区別するのかは聞いても説明できる人はいないのではないかと思う。私よりロシア語のうまい人は何百人もいると思うが、私の目指すしているのは、和文露訳において、間違いを繰り返さないために、各用法の区別をよい例文を基に分かりやすく解説することであり、翻訳や通訳も含めてただロシア語のうまさを目指しているものではないということである。ロシア語がうまくなりたいのなら、丸暗記で例文や語彙を増やせばよいだけだが、丸暗記を何十年も続けられる人は、人というよりはロボットを目指しているようで、ロシア語をやっても面白くはないだろうし、私は願い下げである。

 投稿者の方も閲覧者の方も私より若い方がほとんどであろう。つまり例示的表現、遂行動詞をマスターしたとしたら、それは私がマスターしたよりも10年も、20年も、あるいは30年も早いということになる。例示的用法も、『和文露訳指南』に目次に挙げた用法も通訳、ガイド、翻訳をする上で基本的な事柄ばかりである。これらはできるだけ早い時期にマスターすれば、ロシア語の理解が格段に早まるし、深まる。語彙を丸暗記で覚えるよりも、これらの用法の会得を学習の最優先にすべきだと声を大にして言いたい。

出題)「彼らは一つの文化の枠にしばられない」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2015年01月01日 08:17
コメント

Они не связаны
рамкой одной
культуры.
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お答えは、『結びついていない、しばられていない」という状態を示していますが、出題は、「しばられない」という動作のないこと、否定の反復を示しています。私の答えは、Они не ограничивают себя рамками одной культурой.

Posted by ブーチャン at 2015年01月01日 09:09

旧年中はお世話になりました。今年もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いします。

Они не связаны в рамке одной культурой.
結果の現存とみてсв短語尾形としました。よろしくお願いします。
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こちらこそ本年もよろしくお願い申し上げます。
связанは形容詞化しているとみてよいようです。どちらにせよ、状態ですから、違うと思います。それとお答えは、枠内でとありますが、そうであれば、どうして文化が生格ではなく、造格になっているのでしょう。タイプミスでしょうね。二つ合わせてрамками одной культурыとすべきだと思います。

Posted by やま at 2015年01月01日 16:06

Они не ограничивают себя рамками одной культуры.
よろしくお願いします。
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正解です。

Posted by 智 at 2015年01月01日 16:55

Они не зафиксированы сферой одной культуры.
Они не останавливаются в пределах одной культуры.
新年明けましておめでとうございます。今年も勝手にお世話にならせていただきます。
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こちらこそよろしくお願い申し上げます。最初のは状態であることと、сфераというのは領域ですから、枠というのとは違うと思います。二つ目は動作の否定ですから、それはいいのですが、「一つの文化の中にはとどまらない」ですから、意味が近いとはいえ、違うと思います。

Posted by ゴ at 2015年01月01日 20:27

(お題)
彼らは一つの文化の枠にしばられない
(コーシカ訳)
1) Они не остаются в рамках одной из культуры.
2) Они выходят за пределы одной из культуры.

現在の状態を表す不完了体現在です。

早いもので、さとうさんとお近づきになれて10年目に入ります。細やかなご指導のおかげでをもちまして、今年からロシア語をメインに仕事をする道が拓けました。これまでのお力添えに深謝いたします。実戦の立場から今年も胸をお借りします。
本年もよろしくお願いいたします。
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念願が叶ってよかったですね。今後も精進を重ね、道を究めるまで頑張ってください。
状態ではなく、動作の否定です。из культурыというのはおかしくありませんか?それといずれの訳も「枠にとどまっていない」ですが、これは縛られないとは違うと思います。

Posted by コーシカ at 2015年01月01日 20:39

新年おめでとうございます。
本年もよろしくおねがい致します。

Нельзя удержать их в рамках одной курьтуры.
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こちらこそよろしくお願いいたします。不可能の用法ですね。「一つの分化の枠内に彼ら(それら)を抑えておけない」というふうになりますが、だれか抑えている人(もの)がいる(ある)ということですが、出題は縛るの主語は文化だと思います。

Posted by じぇーにゃ at 2015年01月01日 23:57

Они не ограничены в рамках одной культуры.
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状態ではなく、動作の否定だと思います。

Posted by チジクピジク at 2015年01月02日 05:13
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