2014年11月15日
●和文露訳指南第99回
遂行動詞も既知の状況を踏まえての、みなし反復の用法であり、それゆえ不完了体が用いられるのだと言える。次の文も着陸の許可を求めてきて、それに対する応答であるということがみなし反復となるのである。
(着陸を許可します)Разрешаю посадку.
出題)裁判官が裁判所での裁決で言う「異議の申し立てを却下する」をロシア語にせよ。
Отклоняю заявление
возражения.
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заявлениеは不要ですが、遂行動詞ですし、文法的には正解ですが、裁判用語ではこういうふうには言わないと思います。私の答えは、Возражение отклоняется.
遂行動詞。形式上は三人称が主語だが、意味上の主語は一人称である裁判官なのは明白である。同様にВозражение принимается.(異議の申し立てを認める)とも使う。
刑を宣告するというのは一人称が主語の、いわゆる一般的な遂行動詞だが、量刑に関しては次の例文のように遂行動詞が受身で使われる。
Принимая во внимание вышесказанное, я выношу приговор. По пункту 1 обвинительного акта обвиняемый приговаривается к тюремному заключению сроком на десять лет.(上記を勘案し、判決を申し渡す。起訴状第1項により被告を禁固10年の刑に処す)
個人的な考えだが、量刑は裁判官の恣意ではなく、刑法に基づくからではないかと思われる。
Возражение на судебный приказ мы не принимаем.
却下するといううまい言葉が浮かばず、こうしました。否定なので遂行動詞ではないと思いますが、意向でしょうか。よろしくお願いします。
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確かに否定にすると遂行動詞にはならないので、否定的な語義のある動詞を探す必要があります。
(お題)
[裁判官が裁判所での裁決で言う]異議の申し立てを却下する
(コーシカ訳)
Возражение отклоняется.
遂行動詞の不完了体現在です。
ЗиРにそのものズバリがありました(ЗиР、79頁、возражение)。
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正解です。
Отклоняю возражение.
今回も添削方よろしくお願いします。
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文法的には問題ありませんが、ブーチャンさんのところに書いた理由で、裁判官はこうは言わないと思います。ただ一般の会話で、おどけて使う分には可能だと思います。
Мы отклоняем возражение.
一人称単数だと、主観的な気がして…。
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文法的には問題ないと思いますし、そういう発想は正解への正しい道筋です。
Возражение отклоняется.
遂行動詞(不完了体動詞現在形)
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正解です。今回投稿された方は全員遂行動詞を完璧に理解されていたというのは、うれしい限りです。