2014年11月01日
●和文露訳指南第85回
『和文露訳指南』4-1-1-6項出だしに下記を追記した。
不完了体というのは場依存型であり、これを未来の時制の否定文で用いると、その文脈(慣習)により当然なすべきと考えられる行為や動作を否定するわけだから、慣習に逆らうことになり、そこから主観的ニュアンスが生まれ、意識的な行為や動作を示す事になる。注意すべきは、不完了体未来形の否定は、あくまで文脈という枠内の中において、その文脈で当然行われるはずの行為や動作を否定するのであって、完了体のように始めから文脈や場を度外視しているわけではないということである。
出題)「彼らは警察のお世話になったことがある」をロシア語にせよ。
У них были случаи
подвергаться
полицейским делам.
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подвергатьсяは複合動詞ですから、動名詞とともに「~される」という意味になりますが、いくら警察のという形容詞をつけても具体的なイメージが浮かびません。私の答えは、Они имели столкновение с законом.
Они затрудняли милицию.
経験でнвとしました。よろしくお願いします。
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この動詞は主語に人は立たず、補語に人か機関が来るようです。
(お題)
彼らは警察のお世話になったことがある
(コーシカ訳)
1) Их ловила милиция.
2) Они мешали милиции.
3) Они затрудняли милицию.
4) О них заботилась милиция.
過去の繰返し、事実の有無の不完了体過去です。
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1)必ずしも捕まえた(逮捕や拘束された)ということではなく、拘引されたばあいもあるでしょう。2)は弱いと思います。3)は人は主語に立たないと思います。4)は心配しているという感じです。
Их захватывали в полицию.
Их задерживали в полиции.
Они попадали под руку полиции.
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最初の二つは拘束するということですが、拘引の場合もあるはずです。最後のは偶然手元にあるのを利用するという意味であり、手に落ちるならпопасть в рукиとなりますが、これも違うでしょう。
Они имели дело с полицией.
よろしくお願いします。
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正解です。婉曲的にはこう言うでしょう。
P.S. приходитьсяが状態を表せないのは、元の動詞であるприходитьが過程を表現できず、反復と動作の有無の確認しか表現できないからだと思います。
Они когда-то были задержаны полицией.
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拘束されたとは限らないと思います。
У них были неприятности с полицией.
事実の有無の確認(быть動詞過去形)
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正解です。