2014年10月30日
●和文露訳指南第83回
どんな動詞も完全な体のペアになるわけではない。完全な体のペアになるのは動作動詞である。それは動作動詞のсесть/садиться(座る)と状態の動詞сидеть(座っている)を比べてみれば分かる。понять/понимать(理解する)という動作動詞でも、不完了体が「分かっている」という状態の意味の時は、露露辞典でも完了体か不完了体か別項を立てるのが普通である。なぜなら状態の意味が完了体の語義にはないからである。これは完了体が動作結果の存続を除けば現在の時制を示す事ができないことに起因する。『和文露訳指南』7-3項の動詞も不完了体が状態の動詞であるために、不完全なペアである完了体の方は動作の結果の存続ではなく、動作の記憶の存続しか示す事ができない。
出題)「夜間、サンマは光源に勢いよく集まって来る」をロシア語にせよ。
В ночное время косяк сайры энергично
собирается вокруг
источника света.
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正解です。ただ厳密に言えば、出題にはさんまの群れとか、光源の周りではありませんが。私の答えは、Сайра энергично собирается к источнику света в ночное время.
Ночью сайра активно бросается на источник света.
サンマは全体を表わす意味で単数に、動詞は習慣と考えнвにしました。よろしくお願いします。
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間違いだとは思いませんが、お答えだと光源にぶつかっていくような印象を受けます。
(お題)
夜間、サンマは光源に勢いよく集まって来る
(コーシカ訳)
1) Ночью сайры устремяются к источнику света.
2) Ночью сайры спешно собираются к источнику света.
сайраは総称の単数の気もしますが、1匹と取られても困るのであえて複数で。
習性→繰返しで不完了体現在です。
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サンマは魚なので、рыбаと同じ考え方をします。つまり基本は単数であり、魚の種類を強調するときに複数になるというものです。それを除けば2)の方が出題に近いと思います。これは魚がロシア人の食生活において日本人に比べ、それほど重要とは考えられていないため、総称的な扱いでの単数表現が多いと考えられます。
Ночью сайра устремляется к источнику света.
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微妙なところです。間違いだとは思いませんが、光源の方に集まるというニュアンスがないように思います。
В ночное время сайры быстро собираются к источнику света.
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сайраとすれば正解です。
Ночью сайра активно соберется у источника света.
例示的用法(完了体動詞未来形)
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これはサンマの性質を示していますから、不完了体を使うべきです。例示的用法は状況次第で起こったり、起こらなかったりしますが、性質は、ある状況下では必ず起こることで、例示的用法の状況というのは偶発的、つまり完了体ですから叙想的、主観的ということです。光がつくと光に向かうのは魚の性質であり、魚が主観的に光に向かおうかどうしようか決めているわけではありません。
В ночное время сайры стремятся к источнику света.
サンマは可算名詞なのかがわかりません。
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魚рыбаと同じ発想をすればよいと思います。