2014年10月21日
●和文露訳指南第74回
『和文露訳指南』6-2-5-1項を下記のように改めた。
трудно(~することが困難である)というのは、ある状況が存在するために、しようとする動作が不可能に近いと言っているのであり、この状況がなくなったり、緩和されれば可能性が出てくるということになる。一方нетрудно, легко(~することが容易である)は、具体的なある状況下では動作遂行の不可能性が低いということである。つまり難易を示す副詞трудно, нетрудно, легкоは、具体的な1回の動作を示す事が多く、このように不可能性に関係すると見なされ、ふつうは完了体動詞不定形と結びつく。不完了体と結びつくのは継続、反復、また次に述べるように、動作遂行が権限や能力において主体の手に負えないというニュアンスがある時であり、他には6-2-5-2項参照願う。
出題)「おはきの靴のメーカーはどこですか?」をロシア語にせよ。
(1) Ваша обувь чьего
изготовления ?
(2) Кем изготавливается
ваша обувь ?
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обувьというのは履物のことで、具体的なтуфлиとかを用いた方が自然だと思います。1)は文法的には正しいのですが、あまり口語ではこうは言わないでしょう。2)は反復ですから、履物を定期的に注文するような場面を前提にしているように見えます。私の答えは、Кто изготовитель ваших ботинок?
靴店で店員との会話、といった状況でしょうか。
Обувь каких брендов вы носите?
習慣でнвとしました。メーカーが一種類だけかは不明なので複数としました。よろしくお願いします。
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今はいている履物ではなく、一般的にというのであれば構文的には可能でしょうが、брендはマーケティング用語であり、アカデミー版には採録されていません。
Обувь, которую вы сейчас носите, какой фабрики?
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正解ですが、このように長ったらしく会話で言うとは思えません。
Кто изготовитель обуви вы носите?
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正解ですが、実際に今履いている靴ならботинки, полботинки, туфлиというほうが自然だと思います。
「おはきの靴」としたのは別に、これを直訳してもらいたくて出しているわけではなく、学校英語のような「あなたの靴」という言い方をしたくなかったからです。店員がお客さんに、あるいは一般に目上の人に対して、日本語では「あなたの靴」などという失礼な表現はしません。そういうのは学校英語の和訳か英作文、ないしは外人日本語です。二人称で丁寧に呼び掛けるために日本語には敬語に指示機能があるわけですから、それを利用したものです。「あなたの靴」と言えるのは、女性のお茶の先生が目下である生徒に対して可能なくらいでしょう。「お靴」でもよかったのですが、これも何か不自然な気がしたものですから。
(お題)
おはきの靴のメーカーはどこですか
(コーシカ訳)
1) Какой производитель делает туфли, в которых Вы обуваетесь?
2) Какой марки туфли, в которых Вы обуваетесь?
1) のделаетは疑問詞の後であり、
メーカーが繰り返し生産しているものを尋ねているため不完了体現在
(ものがものですからпроизводительに代えてремесленникも使えそうにも思います)
1) 、2) ともにобуваетесь в каких-н.は
今現在聞き手が履いている靴を話題にしているので不完了体現在
(もしくはお気に入りの靴ということであれば、繰返しないし習慣の不完了体現在)
と考えます。
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обуваться во чтоであり、обулся в новые чёрные ботинки(新しい黒い靴をはいた)などと使います。
Какую марку обуви вы носите?
文脈によって状態か反復(不完了体動詞現在形)
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必ずしもメーカー名とは限りませんが、正解です。
ктоでこういう風にも言えるのですね。какойとか каковを使おうとは考えましたが、ктоは頭に浮かんできませんでした。