2014年10月12日

●和文露訳指南第65回

『和文露訳指南』7-3項に若干手を入れた。

(電話か?飛び起きて聞き耳を立てる。いや、気のせいだ)Телефон? Вскочил, прислушался - нет, показалось! <показалосьは「一瞬そう思われた」ということで、不完了体の持つ持続性の観念はないから、казалосьに代えることはできない>

この動詞の完了体過去形である「思われた」はその動作が発現したことを意味し、「気のせいだ」という発現した記憶が残ることが動作の存続であって、これは動作の状態が継続しているということを意味しない。上の文で言うと(今も)電話の音が聞こえるような気がするというわけではない。もしそうならкажетсяとなり、その動作は終了せず、それこそ動作の状態が存続していることになる。

出題)「行き違いがあったとか、気分を害したとおっしゃるならあやまります」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2014年10月12日 05:42
コメント

Если вы настаиваете на
том, что у нас произошло недоразумение или же
у вас настроение было
расстроено.
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お答えだと、「我々に誤解が生じたか、ご気分が悪かったと主張されるなら」だけで、これだと中途半端です。настаиватьというのは、「言い張る」ということですから、この言葉を使うだけでも喧嘩を売っているような気がします。それと「気分が害された」とありますが、出題は「私の言動により気分が害された」わけで、ここをはっきりさせないとお詫びにはならないと思います。私の答えは、Извините, если что-то не так, если мы вас чем-то обидели.

Posted by ブーチャン at 2014年10月12日 08:50

Если я у вас вызвал недоразумения или обидел вас, я извиняюсь.
最初の文は動作の有の意味かとも思いましたが、具体的な行為と考えてсв、 後の動詞は遂行動詞でнвとしました。よろしくお願いします。
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недоразумениеが単数であるべきだということを除いて、構文的には問題ないと思いますが、「何かで」誤解を招いたとか、「何かで」気分を害したのなら、としたほうが自然だと思います。多分недоразумениеを複数にして、そのような含みを持たせたのかもしれませんが、複数で用いられるとしたら、взаимное непонимание, ссора, спорという意味の時で、出題とは明らかに違います。

Posted by やま at 2014年10月12日 18:51

Если вы подумали, что между нами было недоразумение, или почувствовали себя обиденными, я попрошу извинение.
例示でсовにしました。
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попроситьとпроситьの違いについては、『和文露訳指南』3-1-4-6項で述べましたので、参照ください。この場合は遂行動詞を用いるべきです。それと前回書いたように、почувствовалиというのは、一瞬~と感じたという意味であって、出題は、状態の動詞のはずです。подуматьもдуматьと完全な動詞のペアとは言えません。подумать = прийти к какому-либо мыслиという動作の動詞であって、думатьは状態の動詞です。例示的用法というのを理解されていないようです。例示的用法であるためには、時制が過去であれ、現在であれ、完了体未来形を使います。出題は単なる条件法です。

Posted by ゴ at 2014年10月12日 23:51

(お題)
行き違いがあったとか、気分を害したとおっしゃるならあやまります
(コーシカ訳)
Извиняюсь, если между нами возникло бы какое-нибудь недоразмение,
за чего Вы рассердились.

・извиняюсь は遂行動詞の不完了体現在
・行き違いがあったと話し手は考えていない
(との芝居を打たにゃいかん立場なのかもしれませんが)
ということで不定の-нибудь
・行き違いは不可算と見て単数
・行き違いは、あったとしても、話し手にとっては過去のことですから、
アオリストで仮定の完了体過去でвозникло бы
・ともあれ、発話時点以前のナニモノかにより聞き手は怒っているので、
結果の現存の完了体過去、рассердились
・完了体過去が続いているので、順次的用法も重なっている
→ご気分を害された原因の少しくらいはこちらにもあるのかもしれませんね
(とまで言うのは無理があるかな・・・)
と考えました。
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こういう文を受け取った相手はまず怒るでしょうね。仮定法過去を使っていらっしゃいますが、仮定法過去というのは、男である私が、「私が女だったら」とか、「私が子供だったら」とか、ありえないことを仮定していることであって、お答えなら、「行き違いや気分を害する言動はなかった」という事実があって、もしそうではないと仮定したらということになり、出題とは違います。быを取り、腹を立てるというよりは、気に障るようなことをされたと考えた方がよいと思います。どうしても腹を立てるを使いたいなら、その原因は私の言動でなければ理論的におかしいということになります。

Posted by コーシカ at 2014年10月13日 00:26

Извинюсь, если скажете, что у нас случилось недоразумение или у вас испортилось настроение.
извинюсь : 例示的用法(完了体動詞未来形)
скажете : 完遂的用法(完了体動詞未来形)
случилось, испортилось : アオリスト的用法か結果の存続(完了体動詞過去形)
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「あやまります」は発話と同時に動作が始まり、発話と共に動作が終わり、言わんとすることが相手に伝わるので遂行動詞です。あるいは命令法を使います。これについては『和文露訳指南』3-1-4-3項の終わりに書いてあります。こういう気分を害している人が、「言う」かどうかは分かりませんが、思っていることは確実ですから、このような場合は、とった方がよいと思います。
Извините.(許してください)と言われて、冗談で、Извиняю.(許す)と遂行動詞を使いますから、これもこの辺のニュアンスが分かる例です。

Posted by チジクピジク at 2014年10月13日 04:37

Извиняюсь, 書き忘れました。
ケアレスミスでした。
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そうでしょうね。最初の投稿にコメントを追加しておきました。

Posted by ブーチャン at 2014年10月13日 07:23
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