2014年10月11日
●和文露訳指南第64回
遂行動詞というのは、発話と共に動作が始まり、発話の終了と共に動作が終わる、つまり過程の意味を内在しているわけで、時間軸の動作の一点は不動ではなく、動いているために不完了体が使われるということになる。また動作自体というよりは、動作の内容に焦点があることと、促し(着手)のニュアンスがあることから不完了体が来るということも言える。
出題)「彼は何か変だと感じた」をロシア語にせよ。
Он почувствовал что-то
нето.
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正解ですが、неとтоの間は離すべきです。凡ミスでしょう。私の答えは、Он почувствовал что-то неладное.
「妙だなと感じた」の訳でもよい。
Он чувствовал , что-нибудь стрнно.
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чувствовалだと、状態の動詞ですから、(そのままずーっと)感じていたということになります。この用法については次回本文で詳しく説明します。-тоと-нибудьの使い分けがよく分かっていないようです。お答えだと、何でもとなり、修飾語としては形容詞の中性です。『和文露訳指南』10-13項を参照ください。странноのスペルミスがあります。凡ミスでしょう。
ともに「何か」と訳せますが、что-то(なにやら)、что-нибудь(なにかしら)というような感じです。
Он заметил, что-то не то.
アオリスト的用法でсвとしました。よろしくお願いします。
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замечать/заметитьは完全な体のペアであり、『和文露訳指南』7-3項の不完全な体の対応とは違い、一瞬そう感じたという意味にはならず、結果の存続そのものとなります。замечастьは目や耳で分かるということで、感じるという意味で使うのは、не замечать холода (боли)〔寒さ(痛み)を感じない〕ぐらいだと思います。
Что-то ему показалось странным.
よろしくお願いします。
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体の用法も含めて、広い意味では正解なのですが、казтьсяというのは、心に描くということであり、感じるという意味とは少し違うと思います。
(お題)
彼は何か変だと感じた
(コーシカ訳)
Он почувствовал что-то странное.
アオリストないし結果の現存の完了体過去です。
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正解ですが、奇妙だというよりは、悪い、いつもと違うという感じです。
Он почувствовал что что-то странное.
アオリストで完了体を選びました。
よろしくお願い致します。
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体の用法は正解です。чувствовать, чтоとчтоを入れて(чтоの前にカンマが入ります)複文は可能ですが、出題の場合はчто что-тоとчтоが続きますし、構文自体単純な直接補語を取れるので、чтоを省くべきです。
Он почувствовал, что где-нибудь непривычно.
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何かがおかしいとすべきです。-нибудьを使っているので、-тоとの使い分けがよく分かっていらっしゃらないのかもしれません。それを別にすると、多分、что、что-тоと続くので、それを避けるためにгде-нибудьをお使いになったのでしょうが、それでしたら、もっと単純に直接補語を取る構文が自然です。
Он чувствовал в нём что-то странное
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чувствовалだと、状態の動詞ですから、感じていたであって、一瞬そう感じたという風にはなりません。
Он почуял что-то не то.
アオリスト的用法か結果の存続(完了体動詞過去形)
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正解ですが、чуять что-то неладноеが熟語的表現としてあるので、それを使ったほうがいいでしょう。-то、тоと続くのを避けるためだと思われます。чуятьは口語的表現なので、普通にчувствоватьを使ったほうがよいかと思います。