2014年09月30日

●和文露訳指南第53回

Письмовник, Курганов Н.Г.という1794年に出た、日本でいう往来物みたいな、文法と文例集の第一部を読んでいるが、後ろの方にКраткие повести(小話とでも訳すのか)というヨーロッパの笑い話を訳したものが140ページ(第一部全体の1/3)あるのを見つけた。読んでオチが特に面白いとは思わないが、これが後のロシアのアネクドートの源流の一つであろうと思うとそれなりに興味深い。これまた偶然『中国笑話選』(松坂茂夫、武藤禎夫訳、東洋文庫、1964年)も読んだが、収録されているのは『笑府』という明の時代のものが主である。松坂先生によると中国の小噺は二千数百年前にできた『孟子』にある逸話にさかのぼると言われているから相当古い。
笑府には男色をテーマにしたものがいくつかあるが、17世紀初頭に完成した戦国・安土桃山時代の笑話集が『醒酔笑』(2巻)〔安楽庵策伝、鈴木棠三校注、岩波文庫、1986年〕で、日本でも男色(寺院における)が広く行われていたことがよく分かる。西洋と違い、宗教的に同性愛を迫害したりしなかったので、おおっぴらに笑いのめす事が可能だったのだろう。

P.S. 昨日の私家版和露活用辞典原稿についてだが、「日本語のことわざ、慣用句、格言、武器、機器名からも引けるようになっている」を補足する。
私家版和露活用辞典原稿のファイルを書き込み禁止にして、ファイル名を寄付いただいた方の名前にすればよいのかもしれない。挿入→ヘッダ→テキスト→ヘッダとフッター→ヘッダ/フッター要素のファイル名に寄付いただいた方の名前を入れるというのでもよいかもしれない。PDF Proでコピペ禁止というやりかたもあるようである。

出題)「電気照明は個人の家々にも普及し始めた」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2014年09月30日 04:38
コメント

Электрическое освещение стало распрастраняться по личным жилищем.
動作の有でнвとしました。よろしくお願いします。
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大体いいのですが、жилищеというのは住みかということで、помещение для жильяという意味もあり、必ずしも家とは限らないと思います。私の答えは、Электрическое освещение стало распространяться по частным домам.

Posted by Anonymous at 2014年09月30日 05:53

Электрическое освещение стало распространяться и на индивидуальные жилые дома.
今回もよろしくお願いします。
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正解だとは思いますが、お答えだと、ひと固まりの建物群があり、そこに普及したという感じがして、個々の家ごとというニュアンスがないように思います。

Posted by 智 at 2014年09月30日 06:14

Электрические лампы стали распространяться на простые семьи.
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電灯も照明のうちですが、もっと総称的な名詞を使うべきです。по + 与格がよいと思いますし、простыеは個人のという意味ではありません。

Posted by ゴ at 2014年09月30日 22:37

Электрическое
освещение начало
распространяться и на
частные квартиры.
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ロシアという国を考えればквартирыと考えるのは分かりますが、別にロシアと限定していませんから、別の単語の方がよいと思いますし、по + 与格の方がよいと思います。домだと建物ですし、照明というのは建物全体に電気を引くわけで、そうすれば中のквартирыにも電気が行き渡ると考えるはずです。

Posted by ブーチャン at 2014年09月30日 22:37

Электрическое освещение начало распространяться и в личных домах.
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語結合から考えてвではなく、по + 与格とすべきです。

Posted by じぇーにゃ at 2014年09月30日 23:28

(お題)
電気照明は個人の家々にも普及し始めた
(コーシカ訳)
Электрическое освещение стало распространять и в частных жилищах.

домは多義語やし避けたいけど…
結果の現存の完了体過去です:началоに置き換えても意味は同じと考えます。
「電気照明」は総称の単数です。
сталоなりначалоの後が不完了体不定形なのは
行為そのものを指し、繰り返しも含むから、かな
(三訂版以前で拝読したはずが思い出せません…)?

公共の施設に対する一般家庭、と捉えました。
スターリン時代、地下鉄を引き出したころ(1930年代中ごろ)のおはなしでしょうか。
日本でいう『三丁目の夕日』の時代(たぶん昭和30年前後の時代)は
ロシア人(ないしソ連を生身で体験された世代)の感覚では30年代??
この辺の年代のズレを説明するには
色んな要因が絡んで面白そうでもあり、切なくなりそうでもあり…
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начатьやстатьの後につく不定形が不完了体になるのは、『和文露訳指南』6-1-4項参照ください。жилищеは住処(動物の棲みかという意味もあります)であり、住む部屋という意味あるのでдомの方がよいと思います。распространятьは他動詞ですから、直接補語を取りますし、照明が普及するであって、照明が~を普及させるというのはおかしいと思います。語結合的にвは間違いです。

Posted by コーシカ at 2014年10月01日 00:25

Электрическое освещение начало распространяться по домам.
アオリスト的用法か結果の存続(начать + 不完了体動詞不定形)
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大体いいのですが、個人のが抜けています。

Posted by チジクピジク at 2014年10月01日 05:08
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