2014年09月26日
●和文露訳指南第49回
『わたしの哲学入門』(木田元、講談社学術文庫、2014年)を読んで大いに啓発された。読書の醍醐味というのは正にこういうことを言うのであろう。ハイデガーを中心に、自らの哲学へのかかわりについて書かれている。「存在とは何か」という問いが、西洋哲学の根本の問いであり、本質存在(本質性)と事実存在(現実性)に分けて考えたのはプラトンであり、プラトンは本質性の現実性への優位を主張したが、アリストテレスが現実性に重きを置いたとハイデガーは考えているとのことだった。著者はこれを日本語で「一万円札デアル」(本質性))と「一万円札ガアル」(現実性)というように「である」と「がある」に簡単に訳し分けているのはすごい。
「家が立っている」というのはたんなる静止ではなく、建てるという運動の集約した終結点であるというのは、状態ではなく、結果の存続(現存)であると言い替えられるような気がする。ここから不完了体というのはその動詞の語義における本質的動作(本質性)を示し、完了体はこれを具体的な動作という現実性を示しているのではないかとも思える。
氏の説くハイデガーの著書『存在と時間』における存在と時間というのは、時制と存在とも置き換えられるような気がするし、現在の時制の現前性が優勢であるとあり、これなどは完了体過去形の用法では分かりやすいうちの結果の存続(現存)と似たようなものだという感じがする。つまり時制やアスペクト(動詞の体)を考えることは、哲学すると同義であると言っても間違いではないように思われる。そうであれば、体の使い分けに関心のある人は、毎日哲学していることになる。
出題)「生ゴミ対策はどうしていますか?」をロシア語にせよ。
Какие вы принимаете меры в связи с пищевыми отходами?
よろしくお願いします。
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正解です。かなり硬い、お役所的な言い方のように思えます。もっと普通の言い方があると思います。私の答えは、Как вы поступаете с пищевыми отбросами?
Как бороться с пищевыми отбросами?
住人同士の会話と考えてみました。
Как вы относитесь к отбросам кухни?
習慣なのでнвとしました。よろしくお願いします。
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кухонные отбросыという表現があり、これは台所のゴミですが、必ずしも生ごみとは限りません。台所にはプラスチックのごみもありますし。ただ構文的には問題ないと思います。
Какие меры принимаются
в связи с пищевыми
отбросами ?
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正解ですが、硬い表現だということと、出題は二人称に解するのが普通だと思います。
(お題)
生ゴミ対策はどうしていますか
(コーシカ訳)
1) Как Вы справляетесь с кухонными отбросами?
2) Какие меры Вы предпринимаете по кухонным отбросам?
現在取っている措置を尋ねており、不完了体現在を使っております。
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構文としては問題ないのですが、台所のゴミと生ごみは必ずしも一致しません。
Какие меры принимают в связи с кухонными отбросами?
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台所のゴミと生ごみは必ずしも同じではありません。構文的にはブーチャンさんと同じですね。
Как вы справляетесь с кухонными отходами?
よろしくお願いします。
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台所のゴミは必ずしも生ごみと同じではないと思います。
Какие меры принимаете по утилизации биологических отходов?
過去から現在に至る継続 and/or 反復(不完了体動詞現在形)
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生物学的廃棄物というのは、農場、病院などから出る廃棄物を普通は指しますので違うと思います。それと継続ではなく、反復でしょう。