2014年09月20日
●和文露訳指南第43回
被動形動詞過去形は完了体から作られるのが一般的だが、稀に不完了体からも作られる。作られるのは無接頭辞単純動詞(本源動詞)からであり、писанный, битыйなどである。完了体由来のものとの違いは、不完了体からのものは過去の動作の反復を示すことができるということだろうと思う。
Стихи, читанные ещё в детстве(まだ子供のころによく読んだ詩)
ちなみにнの一つ少ないчитаный = прочитанныйは形容詞であり、читаная книга(読了した本)となる。
出題)「彼は二位に落ちた」をロシア語にせよ。
Он упал на второе место.
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アカデミー版露露最新版ではпадать = перемещаться в более низкое положение, опускаться внизとあるものの、この語義では不完了体と書いてあります。いっぺんに下まで落ちるとか、倒れるといいうのは完了体で表現できますが、順位を下げるというのは、マラソンなどでの例でも分かるように、徐々にという感じがするからかもしれません。お答えのような例はネットでは150例ぐらい使われているようですが、標準用法になるかどうか、今の時点では何とも言えません。私の答えは、Он на второе место отошёл.
Он упал на второе место.
よろしくお願いします。
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ブーチャンさんと同じですね。
Он упал на второе место.
よろしくお願いします。
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ブーチンさんと同じですね。
Он уступил и передвинулся в второе место.
順次的用法でсвとしました。よろしくお願いします。
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уступитьというのは自ら譲るということですし、передвинутьсяも自らの意思で考えられます。自分の意志で(作戦として)二位になる場合もあるでしょうが、普通は違うでしょう。
(お題)
彼は二位に落ちた
(コーシカ訳)
1) Он ушел на второе место.
2) Он потерял чемпионство и оказался на второе место.
1) アオリストの完了体過去です。
выйти на первое место в парном катании.
ペアスケートで1位に躍進する(研究社、место、7-b)という例文から推して作ってみました
2) 順次的用法でアオリスト、でしょうか。同じ箇所の例文を流用しました
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1)ですが、уйти вперёд(先行する)のようにуйтиも競争で使いますが、基本的に自分の意志が感じられます。ヤンデックスでもお答えのような例文が散見されますが、意識的にひいたと取られるような場合のように感じます。
2)では二位に確定という意味ですが、二位に落ちたというのは、盛り返すチャンスも、さらに順位を下げる可能性もあると考えるのが普通だと思います。
Он опустился на второе место.
Его место упало на второе.
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最初の文は正解です。опустилсяとしているので、2位確定というようなニュアンスです。私の使ったотойтиとその反義語подойти(口語ではприйтиと同義)は、目の届く範囲まで離れる(近づく)というニュアンスで、彼は(同じ階の)トイレに行っているときは、Он отошёл.と言い、これhすぐ戻るというニュアンスです。昼食の時など建物から出る場合は、Он вышел.と言い、すぐには戻らないという感じですし、Он ушёл.と言えばオフィスには戻らないという意味(少なくともその日は)になります。
Он опустился на 2-е место.
アオリスト的用法か結果の存続(完了体動詞過去形)
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正解です。