2014年09月17日
●和文露訳指南第40回
そのロシア語文が正しいかどうか分かるには語感を磨くことであるが、そのためにはロシア・ソ連文学などの名文をできるだけ多く精読(cover-to-coverで)すべきである。私の場合は500冊ぐらい精読して語感がついたように感じたように思う。早い人は100冊も読めば語感が研ぎ澄まされてくるのかもしれない。今790冊を読破し、トルストイのКруг чтения(読書の輪とか、読書の範囲と訳すのか)と19世紀の探検家で幕末の箱館(今の函館)にも来たことがあるС.В. Максимовの全集の残りを読んでいる。元々ロシア・ソ連文学にのめりこんだのはかなり遅くて、39歳の時にパスルナークのДоктор Живагоを読んでロシア・ソ連文学の面白さに目覚めたわけである。それまではロシア語の会話(和文露訳)をマスターしようとして、構文、慣用句、諺、熟語、語彙の暗記や文法の本を読んでばかりいた。40代、50代は1日のノルマを50ページとか100ページ精読(体の用法、ニュアンスの読解)するだけでなく、会話に使える表現をエクセルに和露形式で書き抜いてまとめるようなことまでしていたので、10ページに1時間半ぐらいかかることもあった。今はあまりやる気もないので、ロシア語が錆びつかないように1日20ページ、つまり2冊がノルマということになる。
ロシア・ソ連文学は名文の宝庫であり、ロシア語をやる以上1日10ページくらいは精読すべきであり、使えると思う表現はエクセルに和露の形式でまとめておくと、検索も楽だし、後で会話などに利用しやすい。本も100ページくらいのから1,000ページを超えるものまでいろいろだが、1冊平均400ページくらいのものを1日10ページ精読すれば、1年で10冊ぐらいは読める勘定である。90年代はロシアでは古本を1冊1ドルくらいで買えたが、今や本も高い。ただネットでロシア文学はほとんどロシア語原文をタダで読めるので、やる気があれば読む本はいくらでもあるということになる。どんな本を読むべきかは露学階梯に書いたが、いろいろたくさん書いてあるので、そこにたどりつくまでが大変だろうと思うので、次回リストアップする。
出題)「我らがチームは又引き分けだ」をロシア語にせよ。
Наша команда опять сыграла вничью.
結果の現存でсвとしました。よろしくお願いします。
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正解です。私の答えは、Наша команда опять сыграла вничью.
Наша команда снова
сыграла вничью.
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正解です。
Наша команда опять закончилась вничью.
よろしくお願いします。
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語結合的にМатч нашей команды закончился вничью.とする必要があると思います。
Наша команда опять сыграла вничью.
宜しくお願いします。
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正解です。
опять наша команда сыграла вничью
はじめまして、1ヵ月くらい過去ログ夢中になって読んでます。
ПисьмовникはRUtorrentで簡単に全2巻PDFでダウンロードできますね。
タムイズダートとか、よっぽどの希少性が無い限り、大抵の書物はネットで手に入れられる良い時代だと思いますが、昔を知らない若輩者なので有難みがイマイチわかりません(汗)
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正解です。わざわざご投稿感謝いたします。RUtorrentを調べてみましたが、私のごときパソコン素人が手に負えるものではなく、Письмовникは著作権がとっくに切れて(1794年出版ですので)いるでしょうから、利用したいのはやまやまですが、実力がないのであきらめざるを得ません。これからもよろしくお願い申し上げます。次回はお勧めのロシア・ソ連文学を紹介しますので、著作権が著者死後50年までということを考えると閲覧者の中には、RUtorrentを使いこなせる方もいらっしゃるでしょう。頂いた情報がみなさんの役に立つことを願っております。
Наша команда кончает ничьей опять.
結果存続兼評価型動詞で不完了体現在形を選びました。
よろしくお願い致します。
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кончатьは「終える」という語義であり、評価の意味は語義にはありません。どんな動詞でも結果存続兼評価型動詞ではありませんし、この動詞自体「間違う」というような否定的評価を伴うことが多いのです。稀に肯定的評価もありますが、引き分けのような中途半端な評価(引き分けというのは結果が出ていないということであり、この動詞で使う評価というのは何らかの結果が出ているとい言う意味です)という意味ではありません。『和文露訳指南』3-1-5-2項参照ください。お答えは直訳であって、ロシア語ではもっと論理的に、試合が引き分けに終わるとしないと意味が通じません。ぶんちさんへのコメントを参照ください。
(お題)
我らがチームは又引き分けだ
(コーシカ訳)
Наша команда опять терпит ничью.
繰り返しの不完了体です。
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そのような語結合はないと思います。терпеть поражение(敗北を喫する)からの連想でしょうが、不完了体なら、「毎週(毎日)負ける」というのは反復ですが、又引き分けだというのは、前回引き分けて、今回も引き分けたということですから、結果の存続か、アオリスト的用法のはずです。
Наша команда опять сделала ничью.
Матч нашей команды опять закончился ничьей.
Количество очков в матче нашей команды с противником опять было равным.
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最初のсделать ничьюは引き分けにするですから違います。二つ目は正解です。三つ目は作った文で、こうは言わないでしょう。
У нашей команды очередная ничья.
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正解です。新聞の見出しみたいですね。ただ状態の動詞を使っているので、動きが感じられないというか平板な感じです。
Наша команда опять закончила вничью.
結果の存続(完了体動詞過去形)
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закончитьは他動詞なので、直接補語が必要です。ぶんちさんへのコメントを参照ください。