2014年08月23日
●和文露訳指南第18回
двое, трое, четвероなどの複合数詞は男性か、モノであれば複数しかない名詞(двое ножницハサミ2丁など)に使われ、女性に対しては用いられない。文法書でなぜそうなるのかは書いておらず、丸暗記せよということらしい。今、『Письмовник(文法文例集)』, Курганов Н.Г.という1794年版の、江戸時代でいう往来物を読んでいるが、その中で複合数詞は、двое беглых(二人の逃亡者), трое мещани(3人の町人)と使い、3人の大貴族трое Боярとするのは品がなく、три Бояринаと個数詞を用いる必要があると書いてあった。つまり複合数詞は下層の民に用いられるとある。またモノであって複数しかない名詞は現代語とは違って-еではなく、-иが語尾に付き、двои сани(2台のソリ、現代語ではдвое саней)、трои часы(3個の時計、現代語ではтрое часов)と双数扱いである。つまり複合数詞というのは複数を意識した名詞に使われ、庶民も当時は烏合の衆であり、個人としての意識がないために、個人として人格が感じられる貴人には用いるのは畏れ多いといったところだろう。女性に複合数詞を用いないというのも、女性の人格を認めたというよりは、貴族の女性が頭にあるからであり、庶民の女性は夫や父を立てて、表に立つものではないので、数の内に入いっていなかったからではないかと思われる。
出題)「彼は隣人とのチェスの1勝負に負けて、カンカンだ」をロシア語にせよ。この1勝負というのは三番勝負などのという意味です。
Он сильно возмущён, проиграв одну игру в шах матном матче соседу.
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大体いいのですが、партия в шахматыという語結合になることと、普通はпроиграть соседуという語順になると思います。私の答えは、Он проиграл соседу партию в шахматы и ходит злой как тигр.
(やまさんからの投稿のコメントも書いておきます。)
Он проиграл партию вшахматы у саседа и нервничает.結果の存続でсв、後の動詞は継続で нвとしました。よろしくお願いします。
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проиграть соседуです。それ以外は問題ないと思います。
Он разгневан тем, что проиграл соседу партию в шахматы.
今回もよろしくお願いします。
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正解です。
Он проиграл соседа в одних из игры шахматы и приходит в ярость.
負けるは完遂で完了体過去、カンカンは現在の状態で不完了体現在形を選びました。
よろしくお願い致します。
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体の使い分けはその通りです。語結合的に日本語同様「~に負ける」ということで、проиграть соседу одну партию в шахматы (шахматную партию)となります。при-のついた運動の動詞は、過程を示すことができず、反復のみを示すため、この場合は使えません。
(お題)
彼は隣人とのチェスの1勝負に負けて、カンカンだ
(コーシカ訳)
1) Он проиграл одну из ряда партий в шахматы у соседа и обиделся.
2) Он не был в выигрыше одну из ряда партий у соседа и рассердился.
1) 結果の現存の完了体過去で揃えてみました。
2) こちらも結果の現存の意味で考えてみました。
星を落とす的な、терятьを使った言い方もできそうですが、研究社からは裏が取れませんでした。переноситьくらいかな…
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この出題の体のとらえ方ですが、動作が二つあって、一つは完遂しており、そのあと状態が続いているということで、負けたという動作には完了体過去形を用い、そのあと状態の意味の不完了体現在形となります。完了体過去形が二つ続くと、どうしても順次的用法となり、動作がぽんぽんと続いて終了したという感じは否めません。それと結果の存続はアオリスト的用法の派生であり、結果の存続と理解されるのは文脈によるわけですが、はっきりと状態であることを示すのなら、状態の動詞を使うしかないと思います。私の答えはходитьを不定動詞の過程の意味で使い、それで状態のニュアンスを出しています。1)はпроиграть соседуです。2)のбыть в выигрыше のвышгрыш = успех в игре, дающий право на получение денег, имуществ и т. д.ですから賭けチェスでもしていればともかく、賭けごとでの話ですから違います。
Он возмущается тем, что он потерял первую партию в шахматы с соседом.
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терять = терпеть убытки, проигрывать на чём-либоということで、損をするという意味ですから、勝負に負けるという意味では使いません。このпроигрыватьは賭けごとでする(負ける)という意味です。
1) От проигрыша соседу партии в шахматы ему кровь ударила в голову.
2) Ему кровь ударила в голову, что он проиграл соседу партию в шахматы.
ударила : 結果の存続 (完了体動詞過去形)
проиграл : アオリスト的用法 (完了体動詞過去形)
関係代名詞что以下で理由の説明。
カンカン = 頭に血が上るでしょうか?
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1)理由を示すならもっとふさわしい前置詞があるはずですが、会話で使うなら動詞で示した方が聞き手には分かりやすいと思います。一言で言えば頭でっかちという感じです。2)чтоにも関係代名詞の用法がありますが、前の文全部を受けるか、чтоという形から主語か目的語のはずです。чтоではなく、потому чтоとでもすれば正解で、考えすぎです。コーシカさんのところでも書きましたが、結果の存続というのは、文脈で判断されるわけで、アオリスト的用法の派生です。完了体過去形が二つ続いているのですから、順次的用法と取るのが普通で、最後の動詞が結果の存続かどうかはロシア語だけでは分かりません。それよりも最後の動詞に状態の動詞(形容詞)を持ってきた方が、状態の意味は完全に伝わります。訳をする上で、他に手段があるのなら、不確実性はできるだけ排除すべきです。
Проиграв первый шахматный матч с соседом, он вышел из себя.
届かなかったようですが「ランポポー」からではなくいつもの画面から再度送ってみます。よろしくお願いします。
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チェスなどの三番勝負などの勝負の一つはпартияと言い、проиграть соседу(隣人に負ける)と日本語のように与格を取ります。