2014年07月27日

●続和文解釈入門第521回

ロシア語をマスターしたいのであれば、露訳しようとする会話文の時制を自分の頭で突き詰めて考えることである。私の書いた『三訂和文露訳入門』も無条件に信じるのではなく、本当にそうなのかという疑いを抱き、その中から自分で納得できるものを増やしてゆけばよいのであり、教条化する必要はない。ただ私の言う体の本質に納得がいかなくとも、個々の用法の説明で納得がいけば、実際に会話の場面で使えばよい。掲載されている例文で私が勝手に作ったものはないので、正しい文脈であれば安心して使えることは私が保証する。

 何千もの模範的な例文を丸暗記することは勉強ではない。物事には何かしら理屈が通っているわけで、時間をかけて考えれば説明がつくはずである。語彙という枝葉は日常語彙を除けば、必要な分野や関心のある分野を覚えればよいし、もっというと自分の和露の語彙集に入れておくだけでよい。そういう語彙集が手元にあれば暗記はいつでもできる。それよりも文の根幹である動詞の時制について日ロの違いを明確に理解し、マスターすることに心血を注ぐべきである。丸暗記というのは思考停止であり、そういうことに無駄に精力を注ぐべきではいけない。丸暗記は勉強の名に値しない。

出題)「農業は主な収入源だった」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2014年07月27日 05:13
コメント

Земледелие явилось
основным источником
доходов.
--------------------------------
явиться = прибыть, показаться, возникнуть, статьであり、出題は「だった」と状態を示しており、ご回答は「なった」なので違います。私の答えは、Земледелие составляло основную статью дохода.

Posted by ブーチャン at 2014年07月27日 06:15

Сельское хозяйство было главным источником дохода.
アオリスト用法でнвとしました。よろしくお願いします。
-------------------------------
正解です。アオリストをアオリスト本来の意味、「アオリストとは、古代ギリシャ語やサンスクリット語などの動詞のアスペクトの一つで、完了・継続・反復といった様相とは対照的に,単に一つの出来事として動作・現象を示す。多くのインド・ヨーロッパ語は独立した区分としてのアオリストを失い、ラテン語ではアオリストは完了形と同化した。古代教会スラブ語にもアオリストはあったが、現代のロシア語には形式としてはなく、完了相は完了体過去形で表現される」で使われているのでしょう。これはロシア語文法では、動作の名指しназывание действия, общефактическое значение, обобщённо-фактическое значениеと呼ばれ、私は動作の有無の確認 констатация факта действия(私の作った用語ではありません)と称しています。私はソ連アカデミー版『ロシア語文法』(1980年)のアオリスト的用法аористическое употреблениеという用語を、動作の不動の一点で行われるという意味で完了体の本質で使っています。別に私の用語の通りにせよというわけではないのですが、用語を使われるのであれば、自分なりに定義をはっきりさせた方がよいと思います。

Posted by やま at 2014年07月27日 06:15

Сельское хозяйство являлось главным источником дохода.

доходовの方が現実に即すかな?と思いつつ。
--------------------------------------
正解です。収入源の言い方は、доходная статья, источник доходов, источник средств(資金源), доходная частьなどがあります。

Posted by ぶんち at 2014年07月27日 10:06

(以前は今と違って)農業は主な収入源だった。
として、不完了体にしました。
Сельское хозяйство являлось основным источником дохода.
-------------------------------------
正解です。

Posted by дождьそうなるの at 2014年07月27日 20:25

Сельское хозяйство являлось основным источником дохода.
----------------------------------------
正解です。

Posted by コーリャ at 2014年07月27日 21:32

(お題)
農業は主な収入源だった
(コーシカ訳)
Сельское хозяйство было главным источником доходов.

былоはアオリスト的な使い方のように感じます:当時は農業が稼ぎ頭、今や…
земледелиеではいかんのか、露露で見比べてみました。
земледелиеだと文字どおり土相手。
сельское хозяйствоだと農耕牧畜といった趣でより幅広い意味を持っているようです。
-------------------------------------------
正解です。бытьにも完了体としての用法がありますが、不定法(Я хочу быть певицей.)であり、出題は状態を指していますから、動作の有の確認だと思います。違いは時間軸における動作が不動の一点にないことです。不動の一点が明示されても、暗示されてもいません。ある期間収入源だったと考えるのが普通でしょう。

Posted by コーシカ at 2014年07月27日 22:07

Главной статьёй доходов было сельское хозяйство.
------------------------
正解です。

Posted by ゴ at 2014年07月27日 22:08

Сельское хозяйство было основной источник дохода.

過去の状態を表しているので不完了体過去形だと思いました。
--------------------------------------
その通りですが、былоの後の補語は一時的な身分・資格を示す時は造格が普通です。主格にするには恒常的性質を示すと研究社露和にありますが、城田先生が書いているようにそういう傾向がみられるし、現代語では造格を使うことが多いというところでしょう。Она была моя мать.(彼女は私の母だった)
 私個人としては主格におくのは古めかしい用法のように思います。語結合辞典では、人間が主語の時はどちらも特に区別がなく書いてありますが、ものや出題のような事柄が主語の場合、補語が主格に立つ例は知りません。主語が二つあって、何かおかしいと感じられるからかもしれません。ですから、動詞бытьの後の補語は未来の時制や過去の時制において造格にすることを勧めます。

Posted by はりねずみ at 2014年07月27日 22:19

1) Главный доход был от сельского хозяйства.
2) Основной доход приходил от сельского хозяйства.
両方とも過去における継続でしょうか。
-----------------------------------
過去における状態(過去におけるイコール)です。それにприходитьは反復しか示せないので、過程の意味では使いません。それと収入源であって、収入ではありません。

Posted by chijikpijik at 2014年07月28日 02:29
コメントしてください