2014年07月20日

●続和文解釈入門第514回

否定生格における証言性の例をもう少し挙げておこう。「冷蔵庫に瓶はなかった」という文は二つに訳し分けられる。

Бутылки не было в холодильнике. <状態の否定>
Бутылка не была в холодильнике. <動作の否定>

 最初の文は冷蔵庫の中味を改めたが瓶は入っていなかった(証言性の否定生格)であり、二つ目は実際冷蔵庫の中を確かめたわけではないが、例えば瓶が生温かかったので、冷蔵庫には入っていなかったと判断したということになる。

出題)「保存血液は涼しい場所で保管の事」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2014年07月20日 06:20
コメント

Кровь длительного
хранения должна
храниться в
прохладном месте.
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お答えの長期保存用という語結合が血液とでは使わないと思います。私の答えは、Консервированная кровь должна храниться в прохладном месте.
в прохладеでもよい。

Posted by ブーチャン at 2014年07月20日 06:45

1) Хранить консервированную кровь в холодном месте.
2) Консервированная кровь должна храниться в холодном месте.

短文なのにいじくっているうちに何だか混乱してきました・・・よろしくお願いします。
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冷たい場所ではなく、涼しい場所です。それ以外は問題ありません。

Posted by ぶんち at 2014年07月20日 11:24

Консервированная кровь должна сохраняться на прохладном месте.
習慣なのでнвとしました。よろしくお願いします。
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大体いいのですが、вです。в месте とна местеの違いについては近く書きますが、大体はнаとつきますが、三次元の場所(出題で暗示されているのは、開けた平面の場所ではなく、閉鎖的な空間)というニュアンスがあるときにはвが来ます。

Posted by やま at 2014年07月20日 15:27

Хранить консервированную кровь в прохладном месте.
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正解です。特に不定法を使うと、日本語の出題と同じような感じが出せるということを評価します。お役所言葉、軍隊口調に近い感じが出せます。

Posted by chijikpijik at 2014年07月20日 21:42

(お題)
保存血液は涼しい場所で保管の事
(コーシカ訳)
Крови для хранения необходимо содержать в прохладном месте.

кровиと複数なのは、血液型が色々あることを意識するだろう、と踏んでのことです。
содержатьは
・хранить系の語が続くのを避けるため
・保存は長期間に亘るため不完了体
という理由からです。

実は戸田和露より借文です:
器具は乾いた室内に保管のこと
Прибор необходимо содержать в закрытом сухом помещении.
(戸田進『和露・技術用語用例辞典』バウムハウス、2005年、251頁)
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содержатьは扶養する、ある状態に置く、(三人称の主語と共に)含まれるという意味で主に使い、動物を飼う、牢屋に収容しているという意味もありますが、保管するという意味ではあまり使わないと思います。戸田先生の例文は閉鎖的な部屋ということでの派生的な用法であり、これを一般に「保管する」という意味では使わない方がよいと思います。
 血液型を意識しようとкровьは単数です。血液型もгруппаを使います。

Posted by コーシカ at 2014年07月20日 21:54

Кровь для переливания обязательно хранить на холодном месте.
в、на?
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冷たい場所ではなく、涼しい場所です。今回はвです。使い分けについては近く書くつもりです。お答えは輸血用の血液となっており、それは違います。

Posted by ゴ at 2014年07月20日 23:03

今回は体だけ投稿させて頂きます。

保存血液全般について述べている事、話者が行われて然るべきだと考えている内容だとおもった事で不完了体を選びました。

因みに昨日の投稿はделать とсделать で最後まで迷って何度も付けたり消したりをしていたため、誤って修正前のものを投稿してしまったようです。
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本コーナーは概ね体の用法が主ですから、体の使い分けとなぜその体を選んだのかを書いて投稿するだけでも大歓迎です。語彙は後で何とでもなりますし、正解の答えにある語彙や文を自分の語彙集に入れておくと同時に、特に勧めはしませんが、短文ですから1日1文暗記するだけでずいぶん語彙は増えるでしょう。
 不完了体で正解で、お答えの前半の解釈「全般について」、つまり慣用という用法だからです。「話者が行われてしかるべき」というのは、主観的ニュアンスで完了体の領域です。文脈や状況がそういう動作をするのが自然だというのが不完了体であり、KY(空気が読めない)なのが完了体ということです。

Posted by はりねずみ at 2014年07月20日 23:46

холодныйではなくてпрохладныйを使うのですね。どちらが適切かちょっと(だけ)迷いました。日本では食品などの保存に「冷暗所で」「涼しい場所に」などの表記をよく見かけますが、時に「25度以下で」の意味を含んでいたりします。風土の違いですね。これを機に二者のおよその境界をお教えくだされば幸いです。
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прохладный = умеренно холодный, отличающий ся отсутствием жары, духотыということですから、прохладныйというのは、свежийの同義語です。ここから不快感を感じない寒さを指すと思います。
Новый объяснительный словарь синонимов русского языка, Ю. Д. Апресян 他, Школа «Языки русской культуры, 1999 – 2003という3巻本のシノニム辞典があるのですが、その第2巻にхолодがあり、その中でпрохладаは気持ちよい感じприятные ощущения(涼しさ)を伴うとありますが、副詞のпрохладноや形容詞のпрохладныйにはこのようなニュアンスはないとあります。
Не хочется гулять, сегодня что-то прохладно.(散歩したくない。今日は何かひやっとする)
 ですから、肌寒いような気温をпрохладныйで表し、それより寒いが零下にならない温度をхолодныйとし、零下はморозныйとしているのだと思います。ちなみに技術関係では室温комнатная температураというのはプラス20度を指します。

Posted by ぶんち at 2014年07月21日 11:08

プラス20度が室温:やは”感じ方ーとらえ方は似たものと思いました。外気温は国々でまちまちでしょうが技術関係では、というところで納得です。ありがとうございます。

Posted by ぶんち at 2014年07月21日 14:05

ありがとうございます!
出来る限り毎日挑戦したいのですが、ここ数日時間を捻出出来ず、文を作っても熟考しないまま投稿する様な状況でしたので、そのように言って頂けて心が軽くなりました。

命令系の時の体について、初めは、
不完了体は行為の達成を考慮に入れないので、聞き手に選択権を持たせる場合。
不完了体は話者が結果の達成を前提としているので強制
というように考えていました。

ただ、不完了体でも強制ととれる例文を多数見つけ、判断基準を失っていた時に、このブログの過去記事を読み、今まで何故その体が選択されているのか分からなかった例も納得出来るようになりました。

そこで今は、その場の状況に沿っていれば不完了体

新規の事柄、話者の都合や勝手というか、主観的ニュアンスが見られるものは完了体

という判断をするようになりました。

ところで、聞き手にとって唐突や不意打ち的な命令の場合、完了体を使うのだろうと思っていたのですが、
聞き手にとっては唐突でも話し手にとってはその場の状況に合ってると思われる命令の場合、どちらの体を使うのでしょうか?
話し手は聞き手の状況と場全体の状況、どちらをみて体を使い分けるのかが気になりました。

因みに今回は
聞き手の状況はわからないが、話し手(説明書の一説の様に感じましたが)が行われて然るべきと言いますか、保存血液について一般的にどの場面でも当然当てはまる事だと思っているからという事で不完了体を選びました。
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体の使わけの基準は、話し手です。話し手が、その文脈や雰囲気、聞き手がそう理解するであろうと忖度すれば不完了体を、聞き手のことを考えに入れない(無視するというのではなく、はなから聞き手のことが頭にない)、周りとは別の、主観的な動作には完了体を用います。

Садитесь! Сядьте к столу.(おかけなさい。テーブルの方へおかけください)という文では、最初の不完了体命令形が、お客さんが来ればイスを勧めるのが礼儀であろうという、まわりの雰囲気から不完了体命令形が来ており、これを文法用語では着手(私は促しという用法を使っています)。次は、おかけなさいと言ってから、さらに新しい状況、ただ座るのではなく、テーブルの方という新しい状況が出てきたので完了体命令形を使っています。Сядь(те)という完了体の命令形はあまり使われず、私もこの40年間で3回ぐらいしか聞いたことがありません。博物館で案内してもらったとき、ロシア人からСядьте!と言われたのですが、このときは私にはイスが見えず、また博物館は普通は座るところでありませんが、そのロシア人にはイスが見え、私が疲れたと思ってそういったのでしょう。もう一つは、上司が部下を呼んで、普通は部下は上司のそばで立って話をして、すぐ席に戻りますが、そのときは大事な話だと見え、Сядь!と上司が部下に言っていました。つまり聞き手が座れという命令を想定していなかったことになります。最初の例も聞き手である私が、その命令を想定していないだろうと話し手が考えたから完了体命令形を用いたのだと思います。三つ目は、ロシア語の本を読んでいて、普通Садитесь!を使うところに、Сядь!を使っている例で、これはよく見ます。不完了体を使うところで完了体を使うのは、普通とは違うのですから、文脈によっては非常に無礼な感じが出ます。著者によってはわざとこういう使い方をして、登場人物の無学さや無礼さを表しているとも考えられます。
 これとは逆に、次の文では完了体命令形が最初に来て(これは新規の具体的な1回の動作を示しています)、次の動詞が不完了体命令形なのは、見なし反復や代動詞(なくても意味は通じる)として様態を示しているからです。
(私の電話番号をメモして、お願いだからメモして。とても急いでいるの)Запиши мой телефон...записывай, пожалуйста, я очень тороплюсь.

 ロシア語では同じ言葉の反復を嫌いますが、それも関係しているのかもしれません。それと動詞と特にその語義によって、また時制や法によって、不完了体で多く使われたりということがあります。ただ私の言うことを鵜呑みにせず、実例で検証して自分を納得させることが、体の奥義を会得する秘訣です。本質を理解したつもりになっても、実戦で使えなければ意味はありません。畳の上の水練では困ります。

Posted by はりねずみ at 2014年07月21日 20:45

雲を掴むような感覚です。
捕まえたという瞬間が来る事を信じて学習しています。

体の勉強を始めた頃、何冊か参考書を並べて読み込み、何となく分かったような気になった時にオンラインの日本語ーロシア語辞書で「かかる」と検索して出て来た例文を見て体の判断基準が分からないものが多数あり、自分が体について本質を理解出来ていなかった事に気が付きました。

ロシア語を始めようと思った時に、どんな特徴のある言語なのかや独習するにはどうすればいいかを調べると、
「とても複雑で独習はまず不可能」という見解がほとんどでしたが、その理由がその時分かりました。

何とか自分なりに体の判断基準を構築するしかないと思ったのですが、参考書の例文は少なかったので、主にオンライン辞書を見て、自分の理解出来なかったものの判断基準を予想し、似た例を拾ってはその基準が矛盾しないか検証していましたが、時制、状況、動詞の特徴、etc
それぞれ考えると先が長すぎる事、正しいと思っていたものが違うらしいと気付いた時も、思い込みが強くて修正が困難であったり、五里霧中状態でした。

そんな時にこのブログを見つけたのですが、痒い所に手が届くというか、とても細かい所まで網羅されていて、私が疑問に思っている事の答えが明確に示されていて本当に感動しました。

このブログを見つけた7月から理解が一気に進んだと感じています。
本人は本質を掴んだなどとという感覚はまだありませんが、3ヶ月程度でと言って頂けたのは、このブログを見つけるという幸運に恵まれたからです。

体系化するまでに大変な労力を要した事と思い、それを惜しげもなくご教授頂けている事を本当に感謝しています。

最近は纏まった時間が取れず
問題に挑戦するので精一杯の状態ですが、
早く『三訂和文露訳入門』を熟読し、検証を続けながらぶれない判断基準構築を目指したいと思います。

因みに昨日の問題についてはタイプミスです。
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どんな外国語でもそれなりに難しいと思います。日本語は音素が極端に少ないので発音の面では簡単ですが、そのために同音異義語が非常に多く、我々は「ばけがく」、「くびちょう」、「わたくしりつ」などと発音して漢字をイメージして会話では誤解がないようにします。英語は、表記と発音があまり一致せず、アクセントはばらばらです。ロシア語には格変化がありますが、これは日本語でも格助詞をつけるのと同じことで、つける代わりに名詞の語尾が変化するのです。日本語の漢字は5万あると言われ、新聞を読むにも1万は読める必要がありますが(とは言ってもほとんどは基礎的な漢字の組み合わせですが)、ロシア文字は33文字だけで、それも半分くらいはローマ字と似ています。格変化や同士の活用がある代わりに、瞬間的に人称が分かりますし、長所か短所かは知りませんが、日本語同様冠詞がありません。
 ロシア語を習い始めた人は、文字を覚えたら(33しかないのですからすぐ覚えるでしょう)、簡単な作文に進み、そこで体の使い分けの疑問を持つはずだと思っていますが、どうやらそれは私の思い込みで、はりねずみさんのような人は例外のようです。思うに、入門早々、挨拶言葉、名詞の格変化、動詞の活用、よく使う例文の丸暗記と暗記ばかりで、おつむがマヒ状態になってしまい、そのまま自分の頭で考えることをせず、暗記すればよしということで、じき厭きてロシア語の勉強を止めてしまうか、暗記の得意な少数者がロシア語をものするということらしく思われます。
 これまで商社やメーカーの駐在赴任予定者を1カ月くらいおしえたことはありますが、ようやく個人レッスンを実際に週1回教えるようになりました。実践で入門の段階で体の使い分けを教えてゆけば必ず効果があると思いますし、少なくとも早めに自習できる段階には早く到達すると考えています。その点はりねずみさんは自力でやっているのだから大したものです。体の使いわけについて、早めに時制に目をつけたのがよかったのか、あるいは元々勘がよくて、体のコツを体得していたのかもしれません。いずれにせよ、実例に多く当たって、ご自身で納得され、体の本質を人に理詰めで教えられるぐらい勉強されたらよいと思います。自分で何となく納得している段階では体の奥義を体得したとは言えないと思います。何かご質問があればその都度遠慮なくどうぞ。こちらも勉強になりますから。

Posted by はりねずみ at 2014年07月23日 13:55
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