2014年07月04日
●続和文解釈入門第498回
『三訂和文露訳入門』を下記のように変更願う。
9-1-2 抽象的現在
現在の時制の意味でбудетを使う用法であり、動詞бытьの動作動詞としての完了体の用法(完遂〔なる〕の否定)ということで、例示的用法(4-2-3項参照)からの派生の用法の一つとも考えられ、仮定、確信、必然というニュアンスがある。意味は仮定法を用いても変わらないので、仮定法未来から発展した用法であることが分かる。仮定法は過去や現在の事実に反する仮定を示すが、未来においては条件法と意味はほとんど変わらない。未来は未確定の事柄に属するからだろう。仮定法の方が話し手の動作の実現に対する疑いのニュアンスがある。それと現在の時制のбытьは状態の動詞であり、到着というニュアンスは可能だが、始発というニュアンスがないので、未来の時制を持って動作動詞としての機能を明確化したとも考えられる。
(我々の暮らしは、今日何らかの形でインターネットとつながっていると言っても過言ではない)Не будет преувеличением сказать, что наша жизнь сегодня так или иначе связана с Интернетом.
<= Было бы преувеличением сказать, что наша жизнь сегодня так или иначе связана с Интернетом.>
(それが『戦争と平和』の有名な戦いのシーンのレベルに近く書かれていると言う勇気はない)Не будет смелостью сказать, что это написано близко к уровню знаменитых военных сцен "Войны и Мира".
出題)「変な事ことを言ってしまったことに気づいた」をロシア語にせよ。
Я заметил, что я
высказал нето.
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неとтоの間にスペースが入ります。凡ミスでしょう。完了体過去形が二つ続いているので、一般的には最初の動作が終わるのは最初の動詞ということですから、時制的におかしいということになります。お答えは二つの動詞とも結果の存続のように見えます。そうなると、少なくとも「変なことを言った」という動作が先に終了しないと、論理的におかしいので、完全に過去の動作ということになります。そうであれば、唯一過去のみを示せる不完了体過去形を使うべきですが、そうなると、かなり時間が経ったあとで今気がついたというニュアンスと取られる恐れが大です。それよりも、発話の途中で気がついたとした方が自然です。つまり彼女のいない友人に自分の彼女の話をしかけて、相手の表情からまずいことを言った(言いかけた)とするわけです。что以下の時制は発話の時制ですから、現在の時制にすれば、主節が結果の存続を示すなら、その時点の状態を示すことになり、遂行動詞が使えることになります。私の答えは、Я почувствовал, что говорю не то.
Я замечил: я сказал что-то не так.
眺めるばかりで歯がたたず・・・の初参加ですが宜しくお願いします。
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わざわざご投稿いただき感謝申し上げます。お気軽にご投稿ください。今回は出題としてもかなり難しい部類です。заметилのスペルミスがありますが、コロンなどかなりの工夫が見えます。ただブーチャンさんと同じで、完了体過去形を二つ並べてしまったために、先に動作が終わるのが、先の動詞заметилという風に理解され、そうなると論理的におかしいことになります。コロン以下にговорюとすると、遂行動詞的な用法(発話とともに動作が始まり、発話の終了とともに動作が終わる)としても使えるのではないかと考えます。говоитьの遂行動詞としての用法には次のようなものがあります。
Поверь, я говорю правду.(信じてくれ、俺は本当のことを言っているんだ〔嘘はついていない〕)<この文を言い終わった瞬間に、発話は終了し、発話の内容は聞き手に伝わったたことが明らかです>
Заметил,что я высказал странное дело.
結果の現存でсвとしました。よろしくお願いします。
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二つ完了体過去形が続くと、最初の動詞が先に動作が終了したという順次的用法のように耳に聞こえて、論理的におかしい感じがします。それと奇妙なことを言ったのではなく、不適切なことを言ったというのが出題の趣旨です。
第19回が使え…へんな、あれは現在で遂行動詞やもんな
(お題)
変なことを言ってしまったことに気づいた
(コーシカ訳)
Я заметил(а), что говорил(а) странно.
заметил(а)はアオリストの完了体過去、
говорил(а)はстранноに文の焦点がくるので不完了体です。
主文も副文も主語が同じですので副文の主語は省略しました。
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惜しい。最初の発想でよかったのです。что以下は発話の時点での動作ですから、что以下に遂行動詞を持ってくることは可能です。ちなみに第19回のнесётеも遂行動詞ととらえることができます。странноは奇妙にであって、それが必ずしも不適切ということにはなりません。それを除けばお答えは間違いではないと思いますが、それだと、昼間言ったことを夜思い返して、という感じがします。
Я заметил, что я сказал что-то странное.
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奇妙なことが必ずしも不適切とは限りません。それと完了体過去形を二つ続けると、順次的用法のように受け取られ、最初の動詞が、先に動作を終えたような感じがします。
я спохватился, что сказал странные слова.
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奇妙な言葉が必ずしも不適切とは限りません。спохватиться = внезапно вспомнитьであり、後から気がつくという感じでよく使われるので、そうであれば、なおさらговорилとした方がよいと思いますし、出題から考えればговрорюの方がより適切だと思います。