2014年06月28日
●続和文解釈入門第492回
一般の人はロシア語を学ぼうとすると、語学学校に入ってロシア人の先生につくのが多いようだ。本当のロシア人と話ができるというのは刺激的であり、大いに学習のモチベーションも高まるだろう。しかし、入門の段階で仮に初級文法を教えるにせよ、それは丸暗記とならざるを得ない。挨拶言葉の類もそうである。ここで無事入門の段階を終えたとして、次の段階に進んでも、基本的には丸暗記が待っている。大人になってから外国語を学ぶ人に、暗記の連続はきつい。かといって、いきなり文法書を読んでも頭に入らないだろう。どうせなら入門の段階から日本語で、発音の説明も、文法の説明も日本語でしてもらった方が楽だ。ロシア人の先生に質問しても、そうは言わない、こういうのだと正しい例文が示され、どう違うのか、なぜ違うのかの説明もなく(日本人の先生でもこういう説明がきちんとできる人は少ないだろう)、丸暗記しかないことになる。ロシア語と日本語は全く異なる言語ではあるが、同じ人間が話す言葉であり、共通点もある。ただ、一般的な語彙で微妙に違うところもある。夕方や夜のとらえ方などもそうである。そういう点も含めて苦労してロシア語をマスターした日本人こそ、日本語とロシア語を対比させて教えることができる。このごろロシア語学習者の底辺を広げるために何かしたいと考えるようになってきた。入門段階を終えて、次になかなか進めないという人が入るのなら、有料で教えてもいいし、入門の段階から教わりたいというのであれば、そういう方はご一報願う。個人レッスンであり、希望に沿って、日常会話、ビジネスロシア語、観光ロシア語、医療ロシア語、体の使い分け、技術ロシア語、あるいはその人の仕事関係など、その人個人に合わせて、私の著書を利用してレッスン内容やレベルを変えることができるのが特徴である。大学院生などロシア語の文献を読むのは得意だが、会話は苦手という人など大歓迎である。ロシア人の先生の利点は発音やイントネーションが正しいことだが、基本的に母語であり、我々の日本語同様生まれつきのものであり、苦労してロシア語を身に付けたわけではない。大人のロシア語学習法には、丸暗記一本やりではない、理詰めのもっと大人の勉強法があるはずである。
出題)「彼はまったく人が変わった」をロシア語にせよ。
Он совсем изменился.
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正解です。私の答えは、Он стал совсем не тот.
本出題は第465回の出題と似ている。「彼が同一のものになった」という文は論理的にあり得ない。これは変化(転化)ということが元のものとは違うという前提があるからである。そのため補語に転化を意味する造格を用いることができず、恒常的性質(状態)を示す主格を置くことになったと考えられる。その証拠に、同一тотという単語を使わないのであれば、Он стал другим человеком.と造格が来る。
Он изменился будто другим человеком.
結果の存続としてсвにしました。よろしくお願いします。
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体の用法はそれでいいのですが、измениться = стать инымということですから、造格とは接続しません。будто以下を省くべきです。
(お題)
彼はまったく人が変わった
(コーシカ訳)
Он совсем изменился в характере.
結果の現存の完了体過去です。
今月頭に四つに組んだ英文は心臓ステントのもので、裏を取っているとイスラエルのメーカーのサイトが見つかりました。かの国もロシア語話者の比率が馬鹿にならないので、医療関係ならそちらにも商機があるのではと感じました。
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Его характер изменился.は正しいロシア語ですが、お答えのようなв + 前置格はないと思います。в характереを取れば正解です。
Он полностью изменился по-человечески.
Весь его характер стал совсем другим.
作りました、すみません。
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最初の文はпо-человеческиがよけいです。二つ目は意味は分かるでしょう。