2014年06月25日
●続和文解釈入門第489回
否定生格は主語(普通は主格)にも直接補語(普通は対格)にも来る可能性があるが、その簡単な使い分けをパードゥチェヴァ先生が書いているのでお知らせする。それはне существует存在しない/не вижу見えない/не знаю知らない、であり、話し手の側から見て、これらが成り立てば否定生格を使うということになる。
出題)「1812年の火事のため壁画は現存しない」をロシア語にせよ。
Стенная живопись
не существует из-за
пожара в 1812 году.
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стенная живописьというのは、壁の絵という意味です。существоватьは否定生格動詞ですから、否定するのなら主語は生格になるはずです。所在動詞としての用法もありますが、その場合場所の状況語が必要です。それとお答えは「絵は存在しない」であり、現在まで残っていないという感じが出せないのではないかと思います。私の答えは、Росписи не дошли до нашего времени из-за пожара 1812 года.
(お題)
1812年の火事のため壁画は現存しない
(コーシカ訳)
Стенных росписей не осталось от пожара в 1812 году.
・壁画は枚数が分からないので一応複数にしておきます
・現存しないのは観察できるので否定生格です
・ないという状態が過去から現在まで続いていると考え、結果の現存の完了体過去です
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火事のせいでというのは悪い理由を示しているのですから、из-заとすべきです。『三訂和文露訳入門』10-9項など参照ください。壁画はстенописьとも言います。
В результате пожара, который был в 1812-ом году, стенная роспись не сохранилась.
結果的にないことが残存でсов。
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体の用法は正確で文法的に間違っているとは思いませんが、くどい感じがします。
二重に投稿していたらすみません。
Из-за пожара в тысяча восемьсот двенадцатом году, стенной живописи теперь не существует.
不存在の状態を表すのでнвとしました。
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すみません。今回もスパムのおかげで最初の投稿が漏れたみたいで、再投稿いただき感謝いたします。主語に否定生格を使っているのは評価します。стенная живописьは壁の絵という感じになると思います。状態の動詞でも過去から現在までの状態を示すことができますが、そのためには何か状況語が必要です。現存を否定するのであれば、結果の存続を否定する方が分かりやすいと思います。