2014年06月24日

●続和文解釈入門第488回

動詞бытьには動作動詞としての完了体・不完了体の用法があることは前回述べた。動作動詞は動作に関わるのだから、主語は擬人法でない限り活動体である。そうなると、次のような文はどう解釈をすればいいのだろう?

(このスーツはドライクリーニングに出したことがない)Этот костюм не был в химчистке.

(私のパスポートはバッグになかった)Моего паспорта не было в сумке. <Мой паспорт не был в сумке.という文は非文である>

 これについてパードゥチェヴァ先生は、証言性эвиденциальноть (засвидетельствованность)という概念を提示している。否定生格が意味上の主語になるときは、ないことを証言してくれる第三者がいるが、主格が来る場合はそれがない。最初の文では世界中のドライクリーニング店に当たらない限り、第三者に確認を取ることはできないが、二つ目の文は近くの第三者にバッグの中味を見てもらえば分かる(実際に見てもらうかどうかは別にして)ことになる。

出題)「彼は殉職した」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2014年06月24日 07:42
コメント

Он погиб при
исполнении
служебных
обязанностей.
------------------------------
正解です。私の答えは、Он пал при исполнении служебных обязанностей.
палの代わりにпогиб, умерでもよい。職務遂行中死亡したということ。

Posted by ブーチャン at 2014年06月24日 08:54

(お題)
彼は殉職した
(コーシカ訳)
Он погиб при исполнении служебных обязанностей.

アオリストの完了体過去です。
служебных はなくともよいようにも感じます。
---------------------------------
正解です。служебныхがないと何の責務(仕事以外の責務だってありますから)か分からないことになると思います。

Posted by コーシカ at 2014年06月24日 21:01

Он умер на посту.
結果の存続でСВとしました。よろしくお願いします。
-----------------------------------
警察官が自分の交番で死んだという意味ではそうでしょうが、犯人を確保しようとして殺されたという場合には使えないと思います。

Posted by yama at 2014年06月24日 21:48

Он погиб от выполния своей обязанности.
Он погиб в связи с выполнением своей обязанности.
-----------------------------------
最初の文にвыполненияのタイプミスがあります。凡ミスでしょう。最初の文は間違いですが、二つ目の文は責務遂行に関連してということですから、意味は分かると思います。
『三訂和文露訳入門』10-9項にも書きましたが、от + 生格は感情の制御が不可能な名詞が後に来て、плакать от радости(嬉し泣きをする)などといいますから、выполнениеとは結び付かないでしょう。

Posted by ゴ at 2014年06月24日 22:50
コメントしてください