2014年06月22日
●続和文解釈入門第486回
動詞бытьが否定文で用いられた時に主語の格は生格と主格の二つが可能であるが、その意味上の違いはどうなのかを、パードゥチェヴァ先生の『ロシア語の否定文』に沿って説明してみたい。ペーチャが同級生のワーニャのママに会ったときに、次のような会話がなされたとしよう。
Петя: Почему Вани не было в школе?
Мама: Ваня не был в школе, потому что мы ходили к врачу.
ペーチャ「どうしてワーニャは学校にいなかったのですか?」
ママ「私たちお医者さんのところに行っていたので、ワーニャは学校にいなかったの」
私はママのВаня не былのбылはбыть = побывать、つまり「いる・ある」ではなく、完了体的用法の「行く」ではないかと考えた。ところがパードゥチェヴァ先生は、「行く」という動作動詞的解釈を否定しているわけではないが、観察不在наблюдаемое отсутствиеという考え方を提示している。つまり、ペーチャは学校にいたので、ワーニャが学校に来ていない、つまり観察者(ペーチャ)の視点からは当時学校にワーニャは存在しなかったと証言(裏付け)できる。一方ママの視点に立てば、ママは学校にいなかったので、ペーチャが学校に存在しなかったとは言えないということになる。主格は観察者が意識の上でその場所にいなかったことを示し、否定生格は意識の上ではいたことを示している。これは第488回本文で述べる証言性にもつながる考え方である。
(父は海辺にいた、行った)Отец был на море.
(父は海辺にいなかった)Отца не было на море. <だれかが「いなかった」ことを裏付けていることを示している>
(父は一度も海辺に行ったことはない)Отец никогда не был на море. <Отца никогда не было на море.はすべての過去にわたって父がいなかったことを証明する人がいるはずがないので非文>
第483回本文に書き追記願う。
「マーシャの姿が見えない」の露訳も同様である。
Маши не видно. <マーシャはおそらくここにはいない>
Маша не видна. <マーシャはここのどこかにいるが、隠れていて姿が見えない>
Машу не видно. <マーシャはここのどこかにいるが、隠れていて姿が見えない>
出題)「香水はどれをつけていますか?」をロシア語にせよ。
(1) У вас духи какой
марки ?
(2) Какова у вас марка
духов ?
-------------------------
正解です。私の答えは、Какими духами вы душитесь?
Какими духами пользуетесь.
習慣なのでнвとしました。よろしくお願いします。
------------------------------
正解です。
(お題)
香水はどれをつけていますか?
(コーシカ訳)
Какими духами Вы душитесь?
状態の不完了体と考えます。
опрыскиваетесьも使えそうです。
仏語の流れでperfume系の語やろな、と踏んだら見事に外れ…
息、空気的な概念なのですね。これはこれで納得。
-------------------------------
正解です。
Какими духами вы душитесь?
-------------------------------------
正解です。
Какой вид духов вы наносите?
--------------------------------------------
наносить = приносить, образоватьという意味で、風、雨、寒さが出現するという感じで、香水をつけるという意味には使いません。носитьも長期間服を着たり、靴を履いたり、眼鏡、時計、杖を携帯しているという意味で使います。