2014年06月07日

●続和文解釈入門第471回

和文露訳の勉強するときに必要なのは、語彙量であるのはいうまでもない。しかし全ての語彙を覚えるのは不可能であり、プロの通訳でもガイドでも、日常会話の語彙は別にして、仕事のたびにその内容に従い語彙を新たに覚えるか、ブラッシュアップすることになる。

 このコーナーにおいて和文露訳には語彙ではなく、体の使い分けがより重要であることを指摘してきた。日常会話の語彙はマスターする必要があるが、それ以外については自分の興味ある分野や仕事の関係で必要な分野の語彙を覚えるようにすればよい。語彙については人それぞれなのでここでは述べないが、語彙の暗記のほかに、体の使い分けの訓練もすべきである。『三訂和文露訳入門』の第1章に基づき、新聞、テレビ、映画、ビデオなどから1段落ほど抜き書きしてみて、語彙を無視して、その中にある動詞の時制や法(命令法や不定法)を瞬間的に言えるようにする練習を1日1回5分でもしてみるとよい。特に思い浮かばなければ、このコーナーの1段落でもよい。例えば前回の本文にある「そのいくつかを、死蔵していても仕方がないので紹介する」という文頭の文で、「紹介する」という動詞がロシア語で何に当たるかはとりあえずおいといて、どの体を、どの時制や法で使うかを考える練習をしてみてはどうかということである。このときになぜその体のその時制や法を選んだのか明確に意識することが必要である。このようにして体の使い分けの練習をすることにより、多くの文脈において正しい体を選択できるようになる。語彙量だけ増えても体の使い分けができないのであれば、外人ロシア語のままであるということは何度か述べたし、正しい通訳のためには、語彙のみならず時制のニュアンスも必要であることは言うまでもないと思う。ちなみにこの場合の「紹介する」は遂行動詞である。

出題)「彼らの声は聞き届けられなかった」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2014年06月07日 08:41
コメント

Их голоса не были
приняты.
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принимать (принять) голосという語結合がないと思います。голосは声の他に投票権、票という意味がありますから意味が分かりにくいと思います。私の答えは、Голос их не был услышан.
「神様に願いが聞き届けられた」というような時も使える。

Posted by ブーチャン at 2014年06月07日 09:15

Их голос не удовлетворили.
結果の存続とみてсвとしました。よろしくお願いします。
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お答えでは美声に満足しなかったという肉体的な声そのものという感じがします。

Posted by yama at 2014年06月07日 16:57

Их голос так и не донёсся.
Их голос не приняли.
最後まで行き着かなかったということでсовの否定。
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最初の文は物理的な声(声が小さくて)が届かなかったという意味であり、二つ目の文は語結合的にないと思います。

Posted by ゴ at 2014年06月07日 23:24

Их голоса не удовлетворяли.
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これも美声ではないというような感じです。

Posted by Женя at 2014年06月08日 00:31
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