2014年05月27日
●続和文解釈入門第460回
『三訂和文露訳入門』にて体の使い分けの定義は「完了体は話し手が動作遂行の結果として、時間軸の特定かつ不動の一点をイメージする」と書いた。これは「不完了体は動作の有無の確認に用いられる」が不完了体の本質を示すのは間違いないとは理解しているものの、和文露訳をする上で、これでは使いものにならないと感じたからに他ならない。「完了体の本質は具体性であるように、不完了体の本質は任意性である」というのも、本当のことを言えば、そこから「完了体は話し手が動作遂行の結果として、時間軸の特定かつ不動の一点をイメージする」という定義を導くために利用したものである。
これまでのフォーサイス先生や原求作先生の体の用法関係の著作において、各々の時制(過去、現在、未来)や法(命令法や不定法)での、使い分けについては具体的に説明されている。その中で分かりやすいのは結果の存続(完了体過去形)や経験(不完了体過去形)などである。しかし、完了体と不完了体は各々の時制や法で使われており、使い分けの際に共通の目印がないというのはおかしいと考え、30年以上かけて(集中したのはこの3年間だが)、時制や法に共通する体の使い分けに関する自分なりの定義を発表したわけである。
この定義に納得していただければそれはそれで結構だが、究極的な目標は和文露訳における体の使い分けであり、その使い分けが分かり易ければ分かりやすいほどよいのは当然である。学習者の方で、私の定義から出発されて、より分かりやすい使い分けを見出してもらえれば結構である。和文露訳するときにはほとんどの場合動詞を使うわけで、そうなると体の使い分けを意識せざるを得ないという点ご理解いただけると思う。私の定義は評価しないまでも、体の使い分けの重要性に啓発されて、自分なりの発想で分かりやすい体の使い分けを見つけ出して、学習者自身の会話における和文露訳に役立つ糸口にでもなればと思っている。
出題)「違いは以下の通りだった」をロシア語にせよ。
Разница была, как указана ниже.
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ロシア語では違いイコールとはせずに、違いはどこにгде, в чёмにある、どの点が違うという発想をすることに注意する必要があります。私の答えは、Отличия же заключались в следующем.
Разница заключилась
в нижеследуюшем.
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惜しいですね。заключитьсяという完了体は条約や契約ができるという意味以外では現代では使われないでしょう。不完了体のзаключатьсяのもつ「含まれる」という意味はありません。
Разница была следующая.
Разница была ниже.
前回の回答では、遂行動詞が理解できておらず、英語の現在進行形のように考えてしまいました。
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разница большая (существенная)(違いは大きい〔本質的である〕)という言い方はしますが、お答えのような語結合はありません。Разница состоитт в следующем.としても正解です。差イコールとできるのは、数量の単位のみです。
Разница во времени между Москвой и Красноярском составляет четыре часа.(モスクワとクラスノヤールスクの時差は4時間です)
Разницы были ниже объясняемыми.
Расходжение гласило следующее.
すみません、作りました。
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こうは言わないでしょう。