2014年05月25日
●続和文解釈入門第458回
この頃は私家版和露の整理をしていて、9万4千項目あったのを3千項目ほど減らした。後さらに1万ぐらい減らせるかもしれない。この私家版和露に関わることによって、どのようにしたらロシア語で日本語のニュアンスを伝えられるかのコツをつかんだような気がするし、3年か4年経てばある程度の成果を出せるかもしれない。それが最後の著作になるのかもしれないが、需要があるとは思えず、そういうのを出す意味があるのか、自己満足だけという気がしないでもない。それはともかく、ただ和文露訳といっても、語彙だけ覚えても意味はない。重要なのは動詞であり、ロシア語の場合、体の使い分けができないと完全にニュアンスが伝えられないことになるということは何度も申し上げている通りである。
出題)「原子力発電所の操業はある程度の危険をはらんでいる」をロシア語にせよ。
Эксплуатация
атомных электростанций
до некоторой степени
подтвергается
опасности.
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はらむは内在するということですが、お答えだと、動作の反復か、過程を示しているだけのように見えます。私の答えは、Эксплуатация атомных электростанций сопряжена с определённой опасностью.
чтреватаでもよいし、грозит + 造格でもよい。
Управление АЭС сдерживает уровень опасности в некоторой степени.
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управлениеは制御(コントロール)という意味で、操業と言う意味ではありません。それと危険のレベルを維持する(反復か過程)というのは、意識してそうしているという感じがするので違うと思います。
Управление атомными электростанциями содержит известный риск.
性質を表わすということでНВとしました。よろしくお願いします。
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управлениеは制御(コントロール)ですから違います。動詞の方は状態を示しているので体の用法としては正解ですが、содержать(含む、含まれている<主語は三人称のみ>)の語結合では危険というのはないようです。この意味ではкомпоненты, белки, сведенияというもので、含まれても不自然ではないもののようです。
С эксплуатацией атомной электростанции может назреть опасность в той или иной степени.
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お答えは動作の完遂ですが、そうではなく、設問は状態を示しています。
Эксплуатацию атомных электростанций в некоторой степени сопровождает риск.
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語結合的にはそれほど使われるとは思えませんが、正解です。