2014年05月20日

●続和文解釈入門第453回

黒澤明の映画作品は『椿三十郎』以外は、モスクワでの駐在の時(2000年ごろ)に海賊版で『七人の侍』、『生きる』、『酔いどれ天使』などだいたい見たと思う。その頃は海賊版が全盛で、正規版というのはなかったように思う。ロシア語の字幕でかすかに日本語が聞こえるのでロシア語の勉強にはうってつけのようなものであり、1本100円か200円くらいだったと思う。話はそれるが、カザフのアルマトゥイ駐在のとき(1995~97年)も閑なので海賊版を買って、よく見た。旧ソ連圏なのにそのころは検閲もいい加減になっていたのか、大島渚の『愛のコリーダ』やフェリー二の『サチュリコン』もノーカット版だった。

  『もう一度天気待ち』(野上照代、草思社、2014年)は黒澤明の映画の撮影の現場をよく伝えている。三船敏郎は周囲に気を配ってばかりいる人で、そのため酒を飲むと鬱屈が出ての酒乱の気味があるとか、黒澤監督は麻雀は好きだが金は賭けないとかなど面白く読んだ。特に『デルス・ウザーラ』の撮影秘話が面白い。ロシア語で、Приготовились!(用意)Мотор!(キャメラ回せ)Начали!(スタート)というと書いてある。最初のは結果の存続であり、最後のは時制の転用でLet's start!の意味である。

出題)「その薬は母には効かなかったし、ちっとも効かなかったんだよ」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2014年05月20日 07:36
コメント

Это лекарство матери не помогло. Да, совсем не помогло.
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出題は否定文であり、否定文と言えば、最初に頭に浮かぶのが不完了体のはずです。完了体も使えますが、主観的ニュアンスが出てきます。また出題の後半が否定の強調になっていることはお分かりかと思います。私の答えは、Лекарства же не помогали матушке, ни за грош не помогли!
動作の否定に不完了体過去形(動作の無の確認)と完了体過去形(動作の否定の強調)が一つの文で使われた例。

Posted by Женя at 2014年05月20日 07:57

Это лекарство не
помогло для матери, а
совсем не помогло.
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помочь/помогать дляという語結合はありません。あとはЖеняさんと同じですね。

Posted by ブーチャン at 2014年05月20日 15:39

То лекарство не помогло матери, да совсем не помогало.
始めは具体的な一回の出来事で結果存続としてсв、後の動詞は規則的反復と考えて нвとしました。
よろしくお願いします。
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тотの使い方が分かっていないようです。『三訂和文露訳入門』の10-12-1項参照ください。体の用法については今回は逆です。

Posted by yama at 2014年05月20日 17:39

Это лекарство не помогло маме, совсем не помогало.
最初のは結果に重点を置いてсов、2つ目は全否定でнесов。
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お答えは体の用法については逆です。

Posted by ゴ at 2014年05月20日 22:31

Это лекарство не помогло маме и совсем не помогло.
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Женяさんたちと同じですね。

Posted by nari at 2014年05月21日 06:12
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