2014年05月09日
●続和文解釈入門第443回
『三訂和文露訳入門』の2-1-6項の出だしを下記のように変更願う。
1回ないしはそれ以上の、ないしは回数を特定しない反復を意味する場合は、不完了体が用いられる。完了体の反復の用法(偶発的反復、散発的反復)では動作が起こるか起こらないかが分からない、動作の有無が不明だが、不完了体の反復は動作が起こる(否定では起こらない)という、動作の有か無であることを前提にしているという違いがある。動作が起こらなければ(動作が無である以上)、反復ではないという見方もできようが、ここでは有と無の二つの対立におけるゼロ(無)の反復と考えておく。
出題)「彼は何十年も時代の先を行き、同時代の人たちには理解されなかった」をロシア語にせよ。
Он шел впереди своего времени на десятки лет и современники
не могли его понять.
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正解です。わたしの答えは、Он на десятиления опередил своё время и не был понят современниками.
Так как он обогнал современников на десятилетия, они не могли понимать его.
投稿したつもりでおりました。よろしくお願いします。
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最近は1日200通ずつぐらいのスパムがコメントとトラックバックに入るので、その関係もあるのかもしれません。投稿したはずなのにない場合は、今回のように再投稿ください。正解にしてもいいのですが、主文は否定文ですからмоглиと不完了体が来るのは理解できます。ただ不定形は、具体的な1回の動作(時代の先を行ったという動作を理解する)ですから、完了体の方が自然です。мочь自体は叙想語(主観を示す)ですから、反復ではない限り、完了体不定形を取るのが普通です。
Он опережал своё время на десятки лет, и современники его не понимали.
すみません、私も投稿したつもりでした。
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こちらこそ。昨夜6時から今朝の6時までにもう20ぐらいスパムが入っています。今日は日曜なのでこれでも少ない方です。お答えは不完了体ですが、そうすると完遂の意味が出ません。彼が時代を何回も越えたと考えるのは不自然です。