2014年05月07日

●続和文解釈入門第441回

最近偶然『トルストイを語る』(小西増太郎、万葉舎、2010年)を読んだ。1936年初出。文字通り小西増太郎(1861~1939)がトルストイとの交流について書いている。トルストイがなぜ家出せざるを得なかった理由としては、ルソー主義を全うしたいと考えたこと、ソフィア夫人が重いノイローゼに罹っていたこと(原因はトルストイの生活観であろう)があると書いてあるのは興味深い。唯一日本人で参列した葬儀の模様など、トルストイに興味のある人には必読であろう。トルストイには歯がなく、歯茎で肉も噛み切ったなどと書いている本もあるが、小西もトルストイは歯が弱く35、36歳で歯はすべて失くし、入れ歯も嫌ったとある。日本でトルストイが評判になりだしたのは1891年~92年の頃で、同時代人としての小西の叙述には説得力がある。徳富兄弟もトルストイとヤースナヤ・ポリャーナで会っているが、徳富蘇峰の方は小西の紹介状を携えて行ったとあり、蘇峰はトルストイから小西宛に託された聖書(トルストイの引いた下線が入った)を持ちかえっている。Круг чтенияやПуть жизниを小西に読めと勧めていたようであり、前者は死の直前まで読み返していたという。この二つの書は未読だが、いずれ機会を見て手に入れ、読もうと思う。後年宗教臭が強くなったのはどうかなと思うが、トルストイの作品は好きである。

出題)「その会社はブラックリストに載るという危機に瀕している」をロシア語にせよ。

Posted by SATOH at 2014年05月07日 05:22
コメント

Эта компания
находится на грани
кризиса ее внесения
в черный список.
----------------------------------
на грани = очень близко к чему-ниубдьですから、кризисаは不要です。私の答えは、Фирма стоит перед угрозой занесения в чёрный список.

Posted by ブーチャン at 2014年05月07日 07:56

Фирма стоит на грани внесения в чёрный список.

よろしくお願いします。
------------------------------
正解です。

Posted by yama at 2014年05月07日 21:12

Эта фирма грозит находиться в в чёрном списке.
--------------------------------
грозить + (不定形または与格)というのは、主語が3人称のみでзаключаться в себе угрозу, опасности для кого-чего-либоということですから違います。грозитьを使いたいのであれば、Фирме грозит занесение в чёрный список.とした方がよさそうです。これだとпредстоять (о неприятности, опаснотси)という意味になりますし、自然とブラックリストに載るわけではなく、何らかの機関が載せるわけで、その動作を示す動名詞が不可欠です。

Posted by ゴ at 2014年05月07日 23:16
コメントしてください