2014年04月27日
●続和文解釈入門第432回
2011年版の年鑑『日本』はモロジャコーフМолодяковの『2011年3月11日後の日本』が出色の出来。地震や災害の用語の収集にもよい。これとクラーノフКулановの『都内のロシア神学校生徒たち』もよい。ロシアにおける空手の祖とも言えるオシシェプコーフОщепковについても触れていたのが大いに参考になった。2012年版ではアルパートフАлпатовの『対日本観 神話と現実』では対日本観の推移を述べており、これもよい。2013年版ではシシェルバコーフЩербаковの『ロシアに対する日本の投資』がこれまでにない題材であり、日ロの関係を経済面で俯瞰するためには必読の論文と言える。ジーリンЖилинの『日露世論形成』も意欲的な論文である。特に日露の若い世代がお互いをどう見ているかは興味深い。メシシャリャコーフМещаряковの『ヴェレシシャーギンの日本素描』には、日露戦争でマカーロフ提督と共に戦死した画家のヴェレシシャーギンВерещагинの1903年から1904年までの日本滞在記が付録としてついているのが有難い。日光まで足をのばしている。横浜からの車中で男がもろ肌脱ぎで体をこするのに回りは何の反応も示さないとか、日本人の永遠の頬笑みは理解しがたいとか、日本女性は可愛いが、歩き方が内またで、これは見苦しいとある。日本女性は30を過ぎると老けるのも早いというのは、今のロシアと比べると反対といえよう。
出題)「弱みを見せた奴がやられる」をロシア語にせよ。
Нападают на того,кто показал слабость.
最初は習慣というか決まりのようなものなのでнв、二つ目は具体的な一回なので свとしました。よろしくお願いします。
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反復には2種類あるということを前にご説明したかと思いますが、まだご理解されていないようです。不完了体の反復は、定期的ないしは、頻繁にというニュアンスで、動作が有(肯定文)、無(否定文)かどちらかです。ところが完了体の偶発的反復というのが、何か条件があって、その条件に合えば起こるし、そうでなければ起こらないという、動作の有無が不定のもので、例示的用法の一つです。出題は弱みを見せなければやられないという風にも解釈できますから、そういう意味では例示的用法を使うべきです。お答えは「攻撃する」の不定人称構文を使って受身の意味を出していますが、攻撃されたからと言って、やられるとは限らないはずです。それとпоказатьも資質を示す名詞と接続しますが、いいところをみせる、いい恰好をするということで、よいニュアンス(勇気など)と接続します。またпоказать себя с плохой стороны(悪いところを見せる)という語結合も否定文で使うのが普通です。またпоказатьやизъявитьはこの意味では廃れつつある用法です。一方проявить/проявлять, выразить/выражатьであれば、よい資質も、悪い資質も示せますから、今回はこれを使うべきです。私の答えは、Того, кто проявит слабость, - уничтожит.
Те, кто покажут
слабое место
подвергнутся
поражению.
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体の用法は正確ですが、показатьについてはyamaさんのところで説明しました。「負ける」が「やられる」と必ずしも同じとは限りません。
Проиграет тот, кто показал свою слабость.
主文は、不完了体だと無限定な反復になると思い、完了体未来形で恒常的性質を表わしました。
従文は、主文に先立つ順序的動作を表すため、完了体過去形にしました。
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体の用法は正確です。ただпоказатьが問題です。間違いではありませんが、負けるがやられるとは必ずしも同じではありません。それと出題は例示的用法です。恒常的性質というのは本来不完了体や形容詞長語尾で示します。
Тех, кто покажет слабость, побьют.
例示でсовにしました。
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体の用法は正確です。показатьが問題です。
424回と同じ用法ですね。例示・偶発的反復、マスターしなくては。