2014年04月15日
●続和文解釈入門第420回
このたびロシア語通訳協会関西支部より『関西案内』(大阪・神戸・伊勢編、9分冊、3800円送料別)が出た。厳密に言うと姫路や鳥羽、高野山も含まれている。要所要所説明が日本語で書いてあり、通訳が難しいであろうと思われる語彙についてのみ露訳を入れるという方式で、非常に内容が見やすく、ガイドが現場で度忘れしたり、その場でロシア人に聞かれて答えられない項目をチェックするのにはもってこいであろうし、ガイド志望者にとっても大いに役に立つと思う。前作の『大阪案内』は売れ切れで買いそびれたので、早速買った。今回は大阪だけでなく、伊勢や高野山も含まれており、お買い得の感じである。
関西支部のガイドブック『京都案内』(売りきれらしい)や『奈良案内』も、関西の経験豊富なガイドがそれぞれ実際に現場でいかにガイドするかということを真剣に考えた良心的な作りであり、分冊なので持ち運びやすいし、テーマや場所ごとに分かれていて使い勝手が非常に良い。大阪には優秀なガイドも多いので関西のガイドをすることは技術通訳のついででもない限りはないが、京都には年に1度くらい日帰りのガイドをすることがある。日帰りなので行くところは、金閣寺、竜安寺の石庭、清水寺ぐらいだが、『京都案内』のおかげで何とか務まっている。銀閣寺は案内したことはないが、この本があれば多分大丈夫だろう。
出題)「そうでなければ出ておゆき。お前なんか知らないよ」をロシア語にせよ。
Если не так, уходи.
Я больше не буду
обращать внимание
к тебе.
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出題の「そうでないなら」は反対ならという意味です。お答えは、文字通りで、反対の場合、ちょっと異なる場合も入りますから、不十分だと思います。それとобращать внимание на + 対格です。お答えは時制については正しい発想をしていることが分かりますが、больше не будуというのは『三訂和文露訳入門』4-1-1-6項の否定的意図を示すことになってしまいます。今回はかなり難しい出題だと思います。私の答えは、Иначе ступай от меня: я не знаю тебя! <знать = считать кого-либо родным, близким, знакомым; признавать(身内と認める)> 次回本文の説明参照のこと。「お前なんか知らないよ」の「知らない」は状態の動詞ではない。その条件に反対であれば、面倒を見ない(その条件に同意するなら面倒をみる)という具体的な1回の仮定の動作を言っている。иначе = в противном случае, а то
Если ты не согласен, то выходи отсюда. Я порву с тобой.
よろしくお願いします。
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выходиというのは、出ろということですが、失せろという意味にはならないと思います。убирайсяあたりが普通です。完了体未来形を使うと、文脈を離れた新規の動作となってしまい、論理的におかしくなりませんか?
Если не так, уйди куда угодно. Не знаю, что с тобой бы то ни стало.
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если не такについてはブーチャンさんのところに書きました。не знаюとしたとことは、日本語からの直訳でなければ、見事というほかはありません。
Иначе уходи. Я уже тебя не касаюсь.
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お答えは「僕はもう君に触れていない」ということになり、関係がないという意味では、Это меня не касается.(それは僕には関係ない)という表現で使われるぐらいだと思います。
(出て行くのであれば)お前のことなんか知らない、というのを新規の動作と解しましたが、一連の流れでしたね。勉強になりました。